その後、すっかり「九州交響楽団」に嵌まってしまった私。今度は「三大交響曲の夕べ」に行ってきました。
これは、シューベルトの「未完成」とベートーヴェンの「運命」とドヴォルザークの「新世界より」をフルで3曲続けて聴くという、夏の風物詩みたいなもので、毎回指揮者が違っており、その違いを楽しむ聴き方も出来るものなのだそう(九響独自のものではなく、各地で同様のコンサートが行われているようです)。
アクロスシンフォニーホールが改修工事に入ったため、今回の会場は「福岡サンパレス」。ごく普通のコンサートホールでした。
シューベルトの「未完成」は、その名の通り「未完成」で終わっているため、第2楽章までとなっていました。未完成ということは「結論がない」ので、頭の中に「?」が沢山浮かんでくるプログラムでした。弦楽器の響きが美しかった。
ベートーヴェンの「運命」は「ジャジャジャジャーン」で始まる第1楽章から、明るく力強くなっていき、最後は壮大な感じで終わりました。ラスト、希望を歌い上げるように、高らかに響くトランペットソロが印象的でした。
ラストの「新世界より」は、チェコからアメリカに移住したドヴォルザークが作曲した交響曲。
第2楽章の「家路」は、母国を回想する部分といわれており「遠き山に日は落ちて」のメロディが有名です。そのソロを吹いていたようにみえたのが、オーボエ首席ではなく、二番手(?)の方でした。九響は、指揮者とソリスト以外の演奏者を大きく宣伝していませんが、二番手の人もめっちゃ上手い(最後、指揮者の方から「本日のVIP」のように紹介され、大きな拍手を貰っておられました)! そして、牧歌的なオーボエソロに続く哀愁のトランペットソロ。
この曲もまた、ラストが途切れ途切れになるのですが、それでもなお続いていく「遠き山に~」のメロディには「幾度となく障害に出会っても、決して(祖国が)途絶える事のないように」との思いが込められているようにも感じました。心を1つにしたような演奏にも説得力がありました。
最終楽章は、アメリカをイメージしているのでしょうか、インパクトのある冒頭部分から始まり、フルオーケストラで力強く壮大な感じ。
全体的な感想として、低音楽器の野太い響きは男性的なカッコ良さ。コントラバス軍団がイケメン。指揮者の方の表現力がすごかった。