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九州交響楽団の「第九」コンサート(2021年版)

2021年12月27日 | 音楽

九州交響楽団の「第九」コンサートに足を運びました。ベートーヴェンの「交響曲第9番」は、4楽章構成で、合唱団とソリストは第3楽章から登場します。そして第4楽章に、普段クラシック音楽を聴かない方でも、誰もが知っている「歓喜の歌」が出てきます。

第1楽章から第3楽章までは、正直なところ「第九交響曲ってこんな曲だったんだー」と、ただただ新鮮な気持ちで聴いていました。先日、西日本新聞に掲載されていたヴァイオリン首席の西本さんの「クラシック音楽には、噛めば噛むほど味が出るスルメのような魅力がある」「初めて聴いた時は5%程度しか楽しめなくても、次に聴いた時は50%くらい楽しめると思う」という言葉を思い出しました。

そして、第4楽章の「歓喜の歌」で、ヒューマンボイスが全てを持って行きました。合唱団とソリストの力強い歌声が、オーケストラ全体のエネルギーを何倍にも引き上げるように感じられました。指揮者やソリストが舞台を退場しても拍手は鳴りやまず、何度も舞台に呼び戻されていました。

じつは当初、疑問に思っていた事がありました… 出演者数を制限している中、なぜ遠方から「東京混声合唱団」を呼ぶのだろう… 歓喜の歌は「人類みな兄弟」と歌うのだから、プロオーケストラと一般市民が競演してこそ完成する、という解釈もある。それに、プロとアマでは何が違うのか… 伝説の「カルミナ・ブラーナ」や「千人の交響曲」は、市民合唱団だけで構成されていたはず… それではダメなのだろうか…

ですが、プロ合唱団は声量が違っておりました。マスクを着用したままでの合唱でしたが、それによるハンディなど感じさせないくらいの歌声が、ホール全体に響き渡っていました。今回は、人数を減らしての上演だったため、プロが入って下さる事は、合唱団にとって心強かったかもしれません…

一方で、今回の評判が良かったからといって、来年以降、さらに市民合唱団の出演枠を減らすような事はしないで欲しい、来年こそは大人数での合唱が見たい、とも思いました。

 

 

 


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