どシリアスなマヌケの日常

毎日毎日、ストーリー漫画を描き、残りは妄想.,いや構想の日々の日記。

「亜遊の手紙」4

2023-03-16 09:14:00 | 日記
「我々、赤国の男をセキオトコと他国では言っているようですよ。」とロウがセキに言った。
「なにそれ?まんまじゃん。」とセキが言葉を返すと「セキオンナとは言わないようです。永遠に1人の女性しか愛せない男は異常だということみたいです。」とロウが教えた。

「不実なことが正常だというのか」とセキは剥れた。

赤国の者は、この「1人しか愛せない」という特性によって恋愛に慎重になってしまった。宮仕も独身が多く、女達は顔貌を変えていた。本当の顔は美しいのに「顔で判断するようなダメ男」から目をつけられないように。。。
エリが王妃になってから、王宮の宮仕は制服を着用する規則を作った。エリの発案だった。「役職に関係なく私たちは赤国を支える一つのチーム」だという意識が高まるように。。。それがエリの想いだった。後に女性に対しては制服着用の義務は無くなったが、慎重な赤女達は殆どが制服のままだった。

「どうして宮仕の女はブスばかりなのでしょう?」「私たちが話しかける忙しいと言って距離を置かれてしまうのです。」3皇子のワタリ、ハジリ、サクリは嘆いていた。セキは彼らに「女達は顔貌を変えている。」「お前達のコミュニケーション能力が低くて態度が無礼。」といった真実を教えなかった。3人の元皇子達は、全員が母親と二人暮らしで他者と付き合う経験を与えられる事もなく勉強だけして育った。こればかりは自分で気づいていかないと直らないと分かっていたからである。

制服着用が始まった頃、セキが1人の男を連れて執務室に入ってきた。


「この者は筆頭補佐官だ。名前はリョウ」とセキが言うと3皇子は「筆頭?ということは我らの上司ですか?なんで新入りが上司なのです!」と3皇子にしては珍しく大声で不満をセキに言った。

セキはニッコリ笑うと言った。
「リョウはお前達よりももっと前に召し上げて教育を施していた。元人間で字も読めないところから。だが、この者は人間であった頃“狩人頭“として人をまとめていた。数十人の手下を今も持っている。傘下各国に放っている内通者はリョウの手下だ。リョウの得意なことは他者を使って情報を集めること。ワタリ、ハジリ、サクリもそれぞれ違うことが得意だろう?それに、リョウは武力を持っている。我はワタリ達に一つだけ不満があった。“おぼっちゃまで武力がゼロ“なところ。」

「補佐官は何人の予定なのですか?」とサクリが王に尋ねると「5人。」と答えた。
「最後の1人は来るはず。。。なんだけどねぇ。色々ワケアリで時間がかかってると言うことでリョウが筆頭。一番最初がリョウなんだよ。わかる?」

3皇子は王に逆らっても無駄なのは分かっていたので素直に了承した。

セキは大声で「それでは長年の悩みの種を潰しにかかるぞ!」と言うと神界の大地図を広げた。

5に続く。。。