どシリアスなマヌケの日常

毎日毎日、ストーリー漫画を描き、残りは妄想.,いや構想の日々の日記。

「亜遊の手紙」10

2023-03-27 09:26:00 | 日記
「先輩達、どうしたんですか?」とカケルは驚いた。
ワタリは「お前は人間であった頃、何回結婚したのだ?」と尋ねた。
カケルは正直に「3回」と答えた。これを聞いた3人は「3回も?!」と食いついた。

それが何か?といった風にカケルは話を続けた。「人間は死にます。そして何回も生まれます。人間は“学ぶ者“ですから。1回が100年無いのです。私の3回は凄く少ない方ですよ。1回目は2年で死別。2回目は。。。すみません。言いたくありません。3回目は私の浮気で30年で離別です。全部、私の過ちで、全部、お相手を不幸にしました。」

「結婚とは、そんなに難しいものなのか?」とハジリが訊くと「人間は難しいです。でも、赤族は、相手選びを間違わなければ凄く幸せになるように出来ていると思います。」とカケルはニコニコして答えた。

ワタリは「相手は、どうやって選ぶの?」とカケルにきいてみた。
カケルは「さぁ?好きになっちゃうんですよ。そして取りに行く感じかな。。。」
「取りに行くって何を?」
「お相手の心に決まっているじゃないですか。」

3人はリョウにも「結婚について」きいてみた。
リョウは「結婚なんてな、オレが人間だった頃は無かった。だから0回。お前らと同じ!」と怒鳴った。

セキが、この話を聞いていて口を挟んだ。
「焦るな!我がエリに出会うまで何年かかったか元皇子達は知っておろう。女官長は、カケルの別れた妻での。赤界で再会したのだ。」
「え〜っ!」と3人は驚くと「オレ、まだ許してもらってないから、ずっと謝っているところなんっすよ。」とカケルは頭を掻いた。

嘘だった。リラは許していた。2人は初めて出会った頃のように別れてからのお互いの過去について話していた。
カケルは「償いの1,500年」のこと。
リラは西の御使から王妃エリの女官長になるまで。


2人の子供達、エリカと大輝に孫が2人ずつできたこと。
大輝は出産時に妻を事故で亡くしたこと。
2人とも今は何処にいるのか分からないことも。

“好きになっちゃう”ってどういう事なのか。。。3皇子には全く分からなかった。
部下を持つようになって部下達には赤女もいるのだが、部下は部下。雑談はしても男の部下に接するのと同じ気持ちにしかならなかった。

8年後、高天原が黄泉国から一方的な攻撃を受けるようになった。日に日に高天原の民達は安心して暮らせなくなっていった。セキの命令により強い武力を持つリョウとカケルは先発隊として高天原に派遣された。先発隊は4人。「武術研修」と言う名目で追放された赤男シンが4年前から高天原に既に行っていた。
5人の赤族は高天原の女王アマテラスに赤男の増援をセキに頼むように進言した。

数十人の赤男、殆どがガラの悪いリョウの部下が赤界の大型馬車、数台に乗り込み高天原に旅立った。
空になった馬車が戻ってきた。空じゃなかった。。。。

ワタリは王から「中央ガーデン」に行けと言われた。
行ってみるとそこには。。。また、セキの無茶振りに悩まされるのかとワタリは諦めた。

11に続く。。。