アメリカではネバダ州など一部の州で売春が合法化されているものの、大半の州では売春行為は違法行為とされており、オクラホマ州でも売春およびそのあっせんや路上売春が禁止されています。そんなオクラホマ州のオクラホマシティには、なんと20年間も地域の路上で行われている売春行為や薬物売買などの様子をムービーで撮影し、公開している「ドローン自警団」と呼ばれる正義の存在がいます。
Sex worker caught by 'drone vigilante' pleads guilty - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-35926009
2015年8月にオクラホマ州に住むアマンダ・ゾリコファ氏は売春容疑で逮捕されたのですが、2016年になってついに行為を認めました。これには、同じオクラホマ州で「ドローン自警団」として活動するブライアン・ベイツ氏がドローンで撮影したムービーが決定的な役割を果たしたそうです。ブライアン氏によると、人気のない場所に駐められた自動車の中でアマンダ氏と相手の男性が性行為を行っている様子をドローンで空撮することに成功したそうで、このムービーは売春の証拠としてオクラホマシティ警察に提供されています。
なお、ブライアン氏はストリートで集客する売春婦や、その顧客の様子を撮影したムービーを自身が運営するウェブサイト「JohnTV」で多数公開しています。以下のムービーはアマンダ氏が行った売春の一部始終を収めたムービーで、路上で客を探す様子から実際に自動車の中で性行為に及んでいる様子までが収められています。
JohnTV Ep: 500 - A man is busted by a drone having sex with a street prostitute in Oklahoma City - YouTube
オクラホマシティにあるロビンソン通り
この周辺では多くの売春婦が客引きを行っています。
「警告」と書かれた看板には、「ここは売春を行う場所ではありません」と書かれており、売春行為を行っている場合は撮影および報告が行われる旨が書かれているのですが……
それでも多くの売春婦が集まってくるようです。
中には不遜な態度でブライアン氏のカメラに応戦する女性もいます。
フェロン通りで行われる売春行為はブライアン氏が公開するYouTubeチャンネル「JohnTV」が何度も撮影を行っているそうで、このことを知っている売春目的の客が、ロビンソン通りに流れているとのこと。
そしてしばらく撮影を続けたあとに見つけたひとりの女性。
この女性がアマンダ氏で、男性の緑色のトラックに乗せられてどこかへ走り去っていきます。
これを自動車で追跡するブライアン氏。トラックは数ブロック走ったあとにアマンダ氏を下ろします。
驚くべきことに、追跡していた緑色のトラックに乗った男性は売春の斡旋業者だったようで、売春が行われる場所まで女性を連れて行く役割を担っていた模様。売春行為が行われている様子を撮影するため、ブライアン氏はドローンを使用することを決意します。ドローンを使う理由は緑のトラックに乗った売春の斡旋業者とトラブルになることを避けるためだそうです。
というわけで早速ドローンが飛行開始。
そして不自然に一台だけ駐まった白色のトラックを発見します。
そのまま高度を下げてトラックの中をのぞき込んでみると、まさに行為中でした。
しばらく様子を撮影していると、アマンダ氏がトラックの外を飛んでいるドローンに気づきます。
そして行為は中断され、男性とアマンダ氏はトラックに乗ってその場を退散。
ブライアン氏はBBCのインタビューに対して、「私はオクラホマシティである程度知られた存在です。過去20年、私はビデオカメラを使ってストリートで起きている売春や人身売買の様子を撮影してきました」と語っています。ブライアン氏によると、そういった映像を撮影するにはドローンを使った方がより安全で、良い映像が撮れるとのこと。
なお、BBCによれば裁判所文章には「アマンダ氏が軽罪で州刑務所に1年の禁固刑を言い渡された」とあり、この事件でアマンダ氏の顧客になっていたと思われる男性は、12月に逮捕されたものの2016年4月の段階でも係争中となっているようです。
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