熊本地震の災害支援のために陸自輸送の任にあたる護衛艦「いずも」。昨年3月の就役以来、初の災害任務となる=4月19日、北海道・小樽港(杉浦美香撮影
海上自衛隊最大の艦艇であるヘリコプター搭載護衛艦「いずも」(1万9500トン)が、熊本地震の被災地支援にあたる陸上自衛隊輸送のため19日夕、北海道・小樽港から熊本に向けて出発した。
「いずも」は空母のように艦首から艦尾まで続く「全通甲板」が特徴。全長は同じ全通甲板の護衛艦「ひゅうが」の1・25倍(248メートル)と海自最大で、昨年3月に就役した。熊本地震の被害拡大を受け、北海道から九州に派遣される陸自のトラックの積み込みなどにかかる時間短縮のため、母港である横須賀基地から初の北海道入り。災害救援の任務に初めてあたることになった。
北海道からは約4100人が熊本地震救援のために派遣されることになっており、民間フェリーや航空自衛隊、米軍輸送機などで移動。「いずも」には北部方面隊の約160人とトラックなど40両が乗船した。
今回の輸送責任者となる第1護衛隊司令の中筋篤・1等海佐は、「いずもの装備・能力の全力を発揮したい」と語った。
現地で給水や給食、多目的支援を行う第1高射特科団の船盛博実・1等陸佐は「23日夕方までに着かなければならないが、いずものおかげで迅速に到着できる。東日本大震災で災害支援を行ってきたが、重要なのは消防、自治体など関係機関との連携だ。現地のニーズを把握して支援にあたりたい」と抱負を述べた。いずもには手術室やICU(集中治療室)、歯科治療室、ベッドも35床と病院並みに完備されている。
・オスプレイのため息「なぜいやがられるのだろう。今まで、なんにも悪いことしたことがない」