Four Season Colors

現代詩とスポーツ、エンタメ、時事など雑文を掲載
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テロと復讐

2022-07-11 | 雑文
テロリズムの細かな定義は国や地域によって
異なるようだが、それは政治的、宗教的な主
義や主張を伴うとされる。

テロリズムにしろクーデターにしろ、歴史的
には民主主義を揺るがす暴力として用語は説
明される。

民主主義では、互いは身体生命を傷つけるこ
となく、多数決により合意または妥協し共同
する。

そこに強い精神の抑圧、屈辱があろうと、制
度として民主主義が機能していれば、表面上
は平和と安定が維持される。

最良かどうかはさておき、現状の人間社会が
とりあえず止まることなく前進する手段とし
てこれを選択することは理解できる。

とはいえよく言われるように、完全な社会シ
ステムではあり得ないし、不公平不公正は多
数決のもと隅に追いやれられる。

ここから生み出される個々の犠牲を、民主主
義における社会という概念と機能は必要最低
限の犠牲として進む。

テロリズムやクーデターはその抑圧や犠牲の
許容限界を超えた時に、社会的に不特定多数
を巻き込み発生する。

社会的に不特定多数を巻き込み事が起きれば、
そこに特定の個が含まれても個は霞むことが
多い。

逆に1対1のような個の事件が起き、どちら
かでもが特定の個であれば、社会性が霞み、
その個がフォーカスされがちになる。

時に犠牲となる個々の矛先は、それが個々で
あるが故に曖昧なものではなく目に見える個
々に向くこともある。

しかし、あくまでも個人的な恨みや憎しみを
解消するための暴力は、対象が直接的な原因
であれば、それは復讐等になる。

社会性のない個の方が低いとか、個を捨てた
主義主張があれば暴力が正当化されるという
ことではない。

ただその違いは内面の問題であり、言葉の問
題でもある。

が、一つ言えるのは、こうした事件が完全な
個に帰結することは稀で、原因の多くは社会
的な事柄を要因としているということ。

London-20XX-

2022-07-07 | 
やや薄いダークグレーの下を

フードを被り新聞を脇に歩く

濡れた石畳に直角の壁を越え

人工の静けさを小鳥が飛べば

教会のシスターが祈りを捧ぐ

足取りを緩めてフードを取り

扉を開け小声で挨拶を交わす

窓際の席で新聞に目を落とし

こぼしたパンの欠片をつまみ

温かなカフェオレで流し込む

脇目もふらない大股の後姿が

概ね正しく四半刻を知らせる

外の気温に上着を脱ぎ去って

ニュースタイトルをつぶやき

目指すは雲間のライトブルー

ここはロンドンAM9時5分

強いスワローズ、再び。

2022-07-04 | 雑文
日本のプロ野球セントラルリーグは、スワロ
ーズ独走態勢の6月となった。

スワローズファンとしては、つい最近まで弱
小暗黒期だったせいもあり、嬉しいのだけれ
どもまだ実感はない。

スワローズのファンとなった理由の一つは、
同世代のファンの中で最も多いであろう、故
野村監督時代の、強いスワローズ。

その後、スワローズはたまに何かがかみ合い
確変的に優勝するが、基本的には弱いチーム
になった。

「なった」と書いて「戻った」と書かないの
は、個人として弱小だったらしい野村監督前
のスワローズを知らないからである。

ファンとしてのモチベーションをほとんど喪
失しかけていた高田監督時代を底に、長らく
低迷したスワローズ。

今、久しぶりに強いチームを見ていて思う。

低迷期において、若い世代で新たにファンに
なった数は、相当に少ないのだろうと。

地域に一つしかチームのない地方のチームは、
地域密着を戦略とするし、それが応援の理由
になる。

しかし、スワローズは東京に本拠地を置き、
東京にはプロ野球の歴史上、盟主とまで言わ
れたチームがある。

となれば、ファンになる理由で思いつくのは、
マイナー指向の偏屈か、強さに対する憧れか。

今年このまま優勝して連覇できるかはさてお
き、今のスワローズは間違いなく強さの面で
魅力がある。

自分が野村スワローズに魅了されたように、
高津スワローズに魅了される子は少なくない
はずで。

であれば、昔はなんて無粋なことは言わずに、
新たなファンたちと今を楽しみたい。

ただし、近年で言えばカープがそうであるよ
うに、常勝ではあり得ないチームは必ず下り
坂がくる。

野村監督時代からのファンは、その経験も含
めて、再びの強いスワローズを楽しむ。

そりゃあ、9連覇なんて出来ればファンも増
えに増えてウハウハにもなるが、それはそれ
でスワローズらしくはないか。