眺める空に描くもの

高齢者女子のおひとりさま暮らしノート

きれいの内訳3 ギャップがあり過ぎて

2024-08-16 06:56:45 | わたし記
ビジュゼロ高齢者女子でも「きれい」とほめられることのその3は「声」。

とにかく若い頃から、声だけは「きれい」とほめられて来た。

今も会社にお電話していただければ、私の声が流れて来ることになっている。

アナウンサーになりたいと思ったこともあったものの、ビジュいのち母からビジュについて罵られていた私は
それがあこがれに過ぎないことは自覚していたので、放送部でアナウンスの勉強をするだけで満足だった。

社会人になってから、電話に出れば、とにかくほめられることが多かったが、これはこれで、
大問題があった。

それは、ビジュゼロのくせに、なまじっか声がきれいと思われるために、ギャップが激しくて、
初対面の方に驚かれてしまうこと。どんな美人が来るのかとわくわくさせておいて、実際に
来るのがビジュゼロ女だから、本当に申し訳ない。

電話だけならいいけれど、人に会わなければいけない仕事だったので、気が咎めて憂鬱だった。やれやれ。

きっと、「詐欺」くらいに思われていたと思う。

以前とは全く異なる今の仕事では滅多にお会いすることはないので、それは気楽になったものの、相手の方が、
私のことをかなり若い女性だと勘違いしていると思われることがよくあって、それはそれで「詐欺」っぽい。

すみません。ビジュゼロの高齢者女子で。なんだか、ちょっと落ち着かない。

こういうとき、やはり「ビジュいのち」だった母の言うことも正しかったのかもと思ったりする。

おかーさんの言う通り、見た目もやっぱり大事でしたね。今更だけど。

今の時代はマッチングアプリとやらで、「盛れている」写真を使って、実際に会ってみたら、
全く違う顔だったとかで、「あらら」なことがあるとは言うけれど。

何も「盛って」はいない素のままの「声」ではあるけれど、見た目とのギャップがあり過ぎって、何だかな。

そういえば、手術が終わって退院するときに、同室の方に「退院させていただきます」と挨拶したら、
おふたりから、そろって「声がきれいだから、いつも聞きほれていました」と、ほめちぎっていただいた。

がん患者さんばかりなのと、昨今は感染症予防のために、互いのベッドはカーテンで厳重に仕切られていて、
互いにお話をすることは基本、禁止されていて、最初と最後の挨拶ぐらいしか、顔を合わせないし、会話も
しなかったが、巡回の看護師さんや先生方とのやり取りでお話をしているので、カーテン越しに声は聞こえて来る。

よかった。このおふたりには、先に顔を見ていただいていて。

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