教師☆学校心理士のセルフカウンセリングルーム

学校心理士によるつぶやき。教師の悩み・試行錯誤に寄り添うブログです。

信念が扉を開く

2018年08月12日 | Weblog
頭がいい、頭が悪い。

運動ができる、できない。



勉強と運動、この2つのポイントは子ども同士が学校で評価し合う際、大きなウェイトを占めている。


まず「学校は勉強するところ」


と多くの家庭では親に教えられる。



そして
1日6時間、1週間で約30時間、授業という学習の時間を共に過ごし、成果としてのテストが返されたり、授業中での発言の様子を見合ったりしてるのだからそれは仕方ない。


運動は体育の授業が一定数あり、運動に関する行事もある。この運動に関してはできるできないがその場ではっきり見えるという特徴もある。



だからモテるポイントとなる。
そう考えればわかりやすい。互いを評価する重要な観点なのだ。


まあ、発達段階によって差はあるし、当然この2つのポイントだけでお互いを評価してるわけじゃない。

「おもしろさ」「ひょうきん」なんてのもポイントが高い。歌が上手、ダンスがキレキレ、絵がうまいなんてのも互いのよさとして認め合えたらいい。ルックスのよさもポイントが高いか。そんな多様なよさを本気で認め合える学級、学校が理想だ。上機嫌、笑顔志向でそれを目指したい。


だが、ここでは一般論として勉強と運動の2つのポイントができることは学校で仲間から認められやすいし、本人の自尊感情も高いといいたい。


日本の子どもは国際的な比較調査で自尊感情が低いという結果が出ている。


国民性や風土、文化、生活スタイル両親の養育態度や方法など多様で複雑な要因があるだろうけど、学校現場での偏った評価の観点も少なからず影響していると思う。


自分も学級の子どもたちみんなの自尊感情を高め、やる気いっぱいにできているかというと、ちっともできてなく日々悩みながら過ごしている。



そこに、一発「信念(思い込み)へのアプローチ」をしてみたい。一発と書いたけどこれは毎日シャワーのように意識、無意識に働きかけないといけない。


というのも
「子どもは信念によってやる気を失っている。」という心理学実験の結果があるから。


「経験と努力によって頭はよくなる。はじめから頭のよしあしは決まってないことが、証明されている。」
ということを示されはグループとそうでないグループの数学の成績に大きな差が出たという。そう、示されたグループの方が成績がよかった。


できない子ども、そしてもしかしたら教えている教師や、一番近くにいる親も「ボク、わたし(この子)は勉強が苦手だしできない」という信念をもってしまっているのではないか。


その信念が行動につながるわけで、できないループを作り上げてしまっているというわけ。


運動でもそうだ。できるできないがわかりやすいんだけど、自分はやってもできない、これは生まれつきだし変わらないと思っていればやる気はでないだろう。誰もがイチローになれないように限界はあるだろうけど、人間の能力としてある程度はできるようになるようだ。できなくしてるのは「信念」。


子どもたちの前にたちまず、このことを語ろう。高学年には心理学の実験結果や脳科学の最新情報を伝えるのもいい。とにかくいつの間にか強くしてしまった「信念を」突き崩しやる気につなげたい。メッセージをポスターにして貼るのもいい。朝の話でちょいちょい語るのもいい。テスト返却の時に一言行ってみるのもいい。個別のフォローをしているときに思い出させるのもいい。

信念によって扉を開けることも閉めることもできる。


これは大人も一緒かもしれない。脳はかなりの、年齢になっても成長するとどこかで聞いた。もうダメさという信念で扉を閉めていたとしたらなんかもったいない。



まだまだいけるかもと信じて上機嫌でやってみる、幸せな人生にするポイントかも。