おおむね平和の続くこの頃だが、やっぱり色々ある。
やる事少ないとは言え、買い出しもあるし、掃除もしたい。洗濯物も溜まる。
故に、勝手口を開け、外回りを掃除しながら、次は洗濯物を取り込もうとしたその時、人の声。
「あの~」と呼んできた背広の男に、反応してしまったのが私の失敗。
一見、道でも尋ねるような様子でその男、「買い取りなんですけど、玄関の方~」と言ってきたから、こっち食い気味に拒否。
「うち、そういうの要らないんで!」
家に飛び込み、勝手口を施錠。
一足飛びに居間へ向かい、うたた寝してる父へ警告。
「怪しい人が来てるから、ベル鳴っても玄関の鍵開けないで!
電話もスマホにしか出ないで!」
嗚呼、外の用は暫く出来ない。
ああいう悪徳商法の輩には近づくべからず。
挨拶も名乗りもゼロだったし。
やむ無く、常備菜作りや、食材の下ごしらえに仕事を切り替えた。
10分もしたら一応、一段落。
もう敵は去っただろうと玄関へ歩いていったが、甘かった。
すりガラスの向こうに人がいた。
何をするでもなく、ベルも鳴らさず、ただ、そこに立っていた。
私は無言で回れ右し、台所へ戻った時、静かにベル音が、一度だけ。
ぴーん……ぽーん……
うちに縁のある方に、この鳴らし方する者はいない。ぴんぼん、の直後にノックもある(父が気づかないから)。
更に、固定電話の方にも着信が複数回。
その間、スマホは一切鳴ってない。
その後、30分ほどしてから、私はドアチェーン付けて玄関を開けた。
敵は去っていた。
もしも父に警告してなかったら、玄関ベルか固定電話で騙された危険性は充分にある。
こちら住民が拒む限りは不法侵入で訴えようもあるが、認めて招き入れてしまったら終わりだ。
吸血鬼と同じだなと思い至った時、何とも言えない気持ちになった。
最も怖いものは、現実の人間である。
それでは。また次回。
やる事少ないとは言え、買い出しもあるし、掃除もしたい。洗濯物も溜まる。
故に、勝手口を開け、外回りを掃除しながら、次は洗濯物を取り込もうとしたその時、人の声。
「あの~」と呼んできた背広の男に、反応してしまったのが私の失敗。
一見、道でも尋ねるような様子でその男、「買い取りなんですけど、玄関の方~」と言ってきたから、こっち食い気味に拒否。
「うち、そういうの要らないんで!」
家に飛び込み、勝手口を施錠。
一足飛びに居間へ向かい、うたた寝してる父へ警告。
「怪しい人が来てるから、ベル鳴っても玄関の鍵開けないで!
電話もスマホにしか出ないで!」
嗚呼、外の用は暫く出来ない。
ああいう悪徳商法の輩には近づくべからず。
挨拶も名乗りもゼロだったし。
やむ無く、常備菜作りや、食材の下ごしらえに仕事を切り替えた。
10分もしたら一応、一段落。
もう敵は去っただろうと玄関へ歩いていったが、甘かった。
すりガラスの向こうに人がいた。
何をするでもなく、ベルも鳴らさず、ただ、そこに立っていた。
私は無言で回れ右し、台所へ戻った時、静かにベル音が、一度だけ。
ぴーん……ぽーん……
うちに縁のある方に、この鳴らし方する者はいない。ぴんぼん、の直後にノックもある(父が気づかないから)。
更に、固定電話の方にも着信が複数回。
その間、スマホは一切鳴ってない。
その後、30分ほどしてから、私はドアチェーン付けて玄関を開けた。
敵は去っていた。
もしも父に警告してなかったら、玄関ベルか固定電話で騙された危険性は充分にある。
こちら住民が拒む限りは不法侵入で訴えようもあるが、認めて招き入れてしまったら終わりだ。
吸血鬼と同じだなと思い至った時、何とも言えない気持ちになった。
最も怖いものは、現実の人間である。
それでは。また次回。