好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

『Ever17』考察。(その1)(ネタバレ注意!)

2012-09-12 | KID系
【ミステリ的考察】

・つまるところ、この作品は、「サバイバルをテーマとした恋愛ゲームである」
という、表向きの評判自体が最大のミスリーディングってわけだ。

・振り返ってみたら、全然「恋愛ゲーム」じゃなかった。
 沙羅編なんて恋愛どころの話じゃない。カップルも全て完全確定。
 「武&つぐみ」「ホクト&優」「BW&ココ」以外は作れない。

・「アドベンチャーゲームでは、語り手の顔や声が具体的に描かれない」事が
トリックとして機能している。

・「海底にあるテーマパーク(人工物)」という舞台は不自然ではあるが、
 この作品のトリックを使うための「完璧なクローズドサークル」として必然だった。
 例えば地上だと、地続きに脱出できてしまう。
 例えば(海中でなく)地中だと、泳げない事で行動範囲が狭まってしまう。
 例えば空中だと、どうやっても脱出できない。
 また、造られた箱庭なら、時間の流れを感じさせないのが良い点。

・LeMUを日独開発の設定にしたのは、医療ネタと、ウムラウトと、年月日表記のトリックへの必然。

・オープニングムービーでは、登場人物のイニシャルは
「姓→名」の順で表記されている。

・オープニング曲にも堂々とヒント。「交わされた密約」なんて実はそのまま。
 また、「過去と未来の境界線」とは、まさしく、同時進行の出来事じゃないという証左だったわけ。

・プロローグはつまり、(武でもなく少年でもなく)第三の主人公の一人称だったと。
 確かに、見返してみると、ひんぱんに閃光が走ってる。
 文字通り、視点は切り替わっていたのだ。

・序盤で、敢えて空の正体を伏せる妙技。
 こちらプレイヤーは、空関連の伏線を追うあまり、もっと肝心な伏線をどんどん見落としていく。

・優編で、つぐみと空が脱出法で口論した時、武が「俺に任せてくれ」と言った場面。
 この時点で事情を全部打ち明けたのか?

それでは。また次回。
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