『ハーレム地獄』
今回の“美女”・アルマは、片岡優子→皆川由貴→の系譜を辿る、令嬢の究極、お姫様こと王族である。
ここ暫くからの反動か、やや現実離れしたエピソードに感じる。
読み返すほどに、セリジナ公国とはどういう国か分からなくなる。
中東なのに教育(それも女子)が進んでいる一方、王位継承者(これも女子)は生涯秘匿され、外遊も一切ない。
おとぎ話か、今時の転生異世界のようだ。
そもそも論として、曲がりなりにも王族が失踪したら国際問題として、日本が完全に報道規制を敷くだろうし。
リアリティラインを上げる方便として、セリジナ独自の言語にまつわる描写があるが、漫画ならではの表現という域に留まっているのが物足りない。
独自の言い回しでもあれば良かっのだが。
もっとも、こうした細かい設定は、マクガフィンに過ぎない。
重要なのは、特別な“美女”を獠たちが誠意をもって護るという主題だ。
私の初読、子供心には、さして気にならなかったのがその証拠。
実際、画面に映える名場面も多い。
中でも終盤、摩天楼の夜景でのやり取りは、ファンなら必見だろう。
なお、余談として、前回登場した麗香が少しだけ登場するが、彼女の出番は原作ではここでほぼストップ。
アニメ版では獠と香の仲を応援する有能な探偵として活躍しているため、人によってはギャップに戸惑うかもしれない。
それでは。また次回。