好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

「屍の先にあるもの」第16話「戦士ハーレイ・7」

2014-01-22 | ゲームブック二次創作
通路の突き当たりに、大きな樫の扉があった。
かがり火に照らされた部屋の中には、一人の男が椅子に腰掛けていた。
緋色のマントを羽織った、銀髪の戦士だった。

「ついにここまで来たか。挑戦者たちよ。
私はこの迷宮で『トライアルマスター』と呼ばれる立場にいる。
これより先に進みたくば、この迷宮の試練を乗り越えたまえ」

泰然と語るその居住まいには、しかし全くもって隙がない。
トライアルマスターは、ハーレイを差し招き、剣士には待つよう命じた。
二人は、椅子の裏にある隠し扉から、奥の小部屋に移動した。

「さて、ともあれここでの決め事に従っていただこう。
 この二つのダイス(サイコロ)を振りたまえ」

言われた通り、渡された6面ダイスをハーレイが振ると、6と2が出た。

「よろしい。合計は8だな。ならばもう一度、今度は眼の数を予想してから振りたまえ。
8より多いか少ないか、あるいは8か」

ハーレイは少ない方に賭けたが、出目は4と5で外れた。

「賭事には慣れてないようだな。ペナルティだ。コレのどちらかを飲んでいただく」

トライアルマスターは、2錠の薬を手に取った。Sと書かれた錠とLと書かれた錠。
ハーレイはLを選んだ。飲んだら、急に周りに不安を感じた。

この記事についてブログを書く
« ジャンプ(8号)私的雑感。 | トップ | 事件217『ロンドンの黙示録』... »

ゲームブック二次創作」カテゴリの最新記事