▶今日からは3人旅です。
❤ ベルリンのユダヤ人犠牲者記念館 (ブランデルグ門南100メートル) 2022.09.09 2711本のコンクリートブロック (地下に展示場あり)
▶ウルムからベルリンまでの直行の特急 ICE は一日に3本ありました。
以前はウルムからベルリンまでの直行を考えたことがなかったので知らなかったのですが、今のドイツ鉄道ウェブサイトで調べてみると1日に16本ある特急便のうち3本は直行列車でした。大きなトランクを持っての旅では乗り換えがないというのは非常に気が楽です。今乗っている列車が遅れないか、次の列車に間に合うかと本当にハラハラしますから。できれば乗り換えはあっても1回で済めばありがたいところをこの日は直行でしたので、乗ってしまえば一日気楽な旅でした。
◆2022年9月9日(金曜日)
この日の列車はウルム中央駅を7時49分発のICEです。ホテルから駅まで歩くと500mほどなので荷物無しだったら7~8分で着く距離でしょうか。でも大きなトランクを持って歩くと倍ぐらいはみておかなければならず、6時間という長丁場の列車旅なのでお昼ご飯も買っておいた方が良さそう、などなど、心配が大きかったので、昨日のうちにアンゲリカがタクシーを予約してくれたのでした。
6時半に朝食をとり、7時20分にタクシーが来て、駅には順調に着きました。ところが列車構成がいきなり変更となって皆あたふたと移動し始め、その途中で売店があることがわかり、予約席に取りあえず乗り込んでからお弁当も買いました。これであとはベルリンまで事故なく行ければ安泰でした。ただ、夕方森鴎外記念館に行きたいと考えていたので、閉館時間までに間に合うよう、できれば遅れずに走って欲しいと願いながら出発。6時間のうち5時間ぐらい三津夫と啓子さんはあれこれおしゃべりに花を咲かせていました。話がとても合うようです。私は2人の会話に追いついていけないので溜まっていた日記を書いたり数独をしたり。14:29分着予定だった列車はベルリンに2~3分遅れただけで到着したのです。この奇跡に思わず拍手。15~30分の遅れは日常茶飯のドイツ鉄道、一体どうしたのでしょう? ありがたい予想外でした。
ベルリン中央駅からは以前泊まったこともあるホテルなので迷わずチェックイン。今回の旅では森鴎外記念館(博物館・美術館④)を訪ねるのが目的の一つでした。開館時間が午後4時までということなので間に合うように入りたいと、荷物を置いてすぐに出発しました。森鴎外の生き方に興味を持ったのは、友人の国分寺に住むUさんが六草いちかさんと親しくされていて、彼女の著作を紹介してくれたからでした。最初は『鴎外の恋 舞姫エリスの真実』(六草いちか著 河出文庫)を読んでみたら、いちかさんのパワフルな追求に息をつく間もなく読まされたのですが、その後『それからのエリス』(六草いちか著 講談社)『いのちの証言: ナチスの時代を生き延びたユダヤ人と日本人』(六草いちか著 晶文社)を読んで、ますます六草さんの力量に引きずり込まれたのです。もしベルリンでお目にかかれれば幸運と思っていましたが、この頃は休暇で海外においでだとUさんから聞いていたので、せめて森鴎外記念館だけは訪ねようと思ったのでした。
この日はとても暑い日で、日差しの中を歩くとウルムの疲れが甦ってきてなかなか辛かったのを思い出します。歩いて行ける距離と思っていましたが、方向を少し間違えたこともあり、道に迷って3時半過ぎ、入館できるかどうかという瀬戸際でようやくたどり着きました。若い男性が丁寧な日本語で応対してくれて、「まだ大丈夫ですよ。どうぞお入りください」と言われてホッとしました。小さな記念館でしたが、当時の鴎外のベッドや机をみると、134年前に使っていたようには思えず、今も鴎外がそこに座って文章を書いているような親近感を感じました。ただベッドだけは当時のサイズで小振りな感じがしましたけれど。いちかさんの著書ももちろんこの本棚に並んでいました。さすがに今回の旅では鴎外の足跡を辿るゆとりはなかったのですが、小さな一歩を刻むことができたと満足でした。
❤ 鴎外が使っていた本棚と六草さんの本
鴎外記念館からはブランデンブルク門、ユダヤ人犠牲者記念館(博物館・美術館⑤ トップの写真)と歩いて回りました。ユダヤ人犠牲者記念館では若い人々が列を作って入館待ちをしているのをみて、日本とはずいぶん違うと感じました。そこからベルリン中央駅に戻ると、国会議事堂が右手に出てきて、その前になんと広々とした緑の草地がひろがっていることでしょう。このような中央駅前の一等地にこれだけの広場を作るドイツという国の気概を感じました。
❤ ベルリン中央駅が左側の街灯の奥に見えます。この右手に国会議事堂(ガラスドームがある建物の写真)があります。
この日はこれで観光終了。中央駅のコンコースにあるレストランで軽く夕食をとり、明日からの日程を打ち合わせました。
今まではドイツの友人も一緒だったのでアンゲリカの食卓かホテルで一緒に朝食を取ることがほとんどでしたが、啓子さんと3人の旅になって、明日からは便利な駅の食堂や売店で好きなものを買って部屋で食べる簡易朝食に切り換えることにしました。そのため、朝の買い物の時間を決めてお開きとなりました。
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