これは時々神様がくださるプレゼントなのか
それとも偶然なのか
母にそっくりな人を見た
何もかも‥‥
髪型から服の好みから歩き方に表情まで
気付かれない様に
そっとホールの大きな壁の鏡に映るその人の姿を目で追う
出来る事なら「母にそっくりなんです‥‥」
なんて話したいくらい‥‥
でもそんな事あり得ない
既に他界した人である母に似ているなんて言われて
失礼極まりない事だから
隣りを歩く息子さんらしい背の高い男性と
仲良く時々顔を見合わせながら楽しそう
そして2人、何処かに消えていった
とても幸せそうだった、その母に似た人
全くの別人なのに幸せそうで
それがとても嬉しかった
帰り道、夫が運転する隣りで夜空を見上げながら涙が溢れた
母に似た人に会った事を話すと
夫は「お母さんに似た人に会えて良かったね
お母さんも天国で幸せに過ごしているよ」と言ってくれた
母に会えなくなって丸5年も過ぎたのに
母に似た人に会う度に涙が流れ
母が恋しくて恋しくて
本当に恋しくて仕方ない
どうしようもない幼子に私は戻ってしまう