飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

楽しい学級経営をするには 励ます

2023年05月11日 14時41分14秒 | 学級経営
子どもを励ますときの語りかけ。

①わからないって?
 それなすばらしいじゃないか。
 これからが楽しみだね。

②自分の考えが間違っていたということがわかってよかった。

③君のおかげで、とてもよい勉強ができた。
 ありがとう。

④揺れる、迷う、ということが大切だ。
 今までの自分の考えを疑い、その自分を越えようとすることだから。
 そういうように、前の自分を否定して、新しい自分になっていくことを、進歩というんだよ。
 あるいは成長ともいうのだ。

⑤自分の考えが正しいものであったかどうかが大切なのではない。
 大切なのは、自分がどれだけ変わったかということだ。

その先生は言う。

授業の価値というものは、その1時間でいかによりよく子どもを変容させたかという、その総量で測られるべきである。
したがって、教える前から全員が正答をもっているのなら、その授業効果は0である。
全員が誤答である状態から出発して、全員が正答に導かれるならば、その授業の効果は100%である。
私たちは、とかく優れた子どもを褒めがちであるが、実は彼らはほめてやるまでもないのである。
成績がよいというだけですでに十分に報われているからである。
我々教師が励まし、勇気づけてやらなければならないのは力の劣る子どもたち、これからよくなる可変性をより多くかかえている子どもたちでなければならない。
そういう子どもたちに、口癖のように私は言うのである。
「自分の考えが正しいものであったかどうかが大切なのではない。
 大切なのは、自分がどれだけ変わったかということだ。」
と。
彼らは、目を輝かせて私のことばに頷いてくれる。
嬉しいことである。

この文章に私が初めてふれたのは今から30年以上前のことだ。
最近になってふと書斎の本棚にあったこの本が気になって読み返してみた。
なぜ、自分が「優等生中心の授業はしない」「教師の仕事は、子どもたちができないことをできるようにすること」という極めてシンプルに考えるようになった原点は、こういった教育観にあったのだと改めて思う。
最近の教育スローガンは美しいが、この「全員をわからせる」という基本中の基本を達成しているのだろうかと疑問をもってしまう。

saitani




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