飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

ネガティブ発言とは何か

2024年05月05日 14時47分47秒 | 学級経営
新しい学級がスタートして2週間がたった。
そろそろ子供達の緊張感も解けて、心の中で思ったことを口にするようになる。
もちろんその中には、前向きなポジティブな意見もあるが、誰かを傷つけたり、仲間の足を引っ張るような言葉もある。
この言葉を見逃したり、スルーしたりすると、謝った学習をするようになる。
思ったことは口にしていいんだ、マイナス発言も言ってもいいんだというように。
では、このネガティブ発言、具体的にはどんなものがあるのだろうか。

1 「はあ」
この言葉はいろんな場面で発する。
しかし、中には否定的な意味あいで使う子もいる。
はあ、何言ってんの。
この言葉の意味は人格否定であることをまず理解する必要がある。
お前のいうことは認めないよという裏メッセージが込められているのである。
これを許すと、互いに否定し合うようになり、次に、言われた子が仕返しとばかりに、はあと言い返す。
そのことにより、学級全体が否定語で溢れるようになる。


2 そんなことも知らないの?
これは自分より知識があったり、学習面で優位に立とうとする子が発する言葉。
これが学級内に蔓延ると、間違えることができなくなったり、優等生だけが優遇されるようになる。
失敗や誤りが許されていない学級ではみんなが成長することは不可能である。
自由で平等な場からしか、子供達や学級の成長はあり得ないのである。
知識がないものは下なんだという価値観をもつようになる。
学校とはそもそも勉強がわからないこのために存在するのである。
その原点を忘れず、具現化していくのが担任の役目である。

3 コソコソ話
子供はよくやりがちである。
これは秘密や特定の人物を評価することにより、特別な仲間意識を形成したり、グループ化を促す結果となる。
孤立感を助長することになる。
クラスの中に小集団ができる。
小集団を形成することは問題ないが、一番いけないのはその集団が排他的な言動をすることだ。
戦国時代のように小集団がいがみ合い、喧嘩をし、対立し合う構図になる。

4 お前さあ……
こんな言葉が教室内で飛び交う。
良好な人間関係を形成するにはまず基本的に必要なのは相手の名前をきちんと呼ぶということだ。
もちろん教師も子どものことを呼び捨てにするようなことはしない。
きちんと「さん、くん」をつけて友達同士よびあっている学級でひどいいじめがおきることはまずない。
相手を尊重するというのは、相手の名前に敬意をはらうということでもある。
まして、「お前」などと呼んではいけないのである。

5嘲笑
学級に笑いは必要である。
45分の授業で一度も笑いがないことは考えられない。
もちろん下品な話題での笑いは問題外である。
しかも人を馬鹿にしたような嘲笑は許されない。

6つまらない
学校をレジャーランドと間違っている子がいる。
楽しさというのは自分が積極的に働きかけて初めて味わえる感覚なのである。
だれかに与えられるものではないし、入場券を買ってアトラクションにのって楽しむようなこととは次元がことなるのである。
だから、つまらないのも楽しいのも自分次第。
つまらないのはだれのせいでもない、自分の責任なのだ。
高杉晋作も言っている。
「面白き事も無き世を面白く(すみなすものは我が身なりけり)」

7 やだ
これを発する子は、ただ単にわがままを言っているに過ぎない。
学校でやることは、やりたいかやりたくないかで決めるではない。
やることに意味があるか、無いかである。
意味があればやりたくなくてもやらなければならないし、意味が無ければやりたくてもできないのが学校というところだ。

8無視
これは人に対する存在否定あたる。
呼びかけに反応しない。
あいさつしても仕返さない。
挨拶しないというのは、ただ単に礼儀をしらないという次元ではなく、相手の存在を無視していることになる。
担任は、そんな対応をしている子がいないか注意深くみていく必要がある。

9 無理です
学級には前向きな流れが必要だ。
だから担任の多くは、たくさんのチャレンジをしてほしいと子どもたちに出会いのときに伝える。
そのチャレンジ精神を邪魔する子がいる。
自分がチャレンジしないことをいいことに、他人の足まで引っ張ることは許されない。
無理です。
その言葉がきいた瞬間、多くの人間は躊躇するのである。

10 沈黙
これも無視と同じ。
物言わないと言うことも罪であるという意識も必要だ。
不作為の罪というのもある。

saitani



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