里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

那岐山のイワウチワ

2012年04月30日 | 山野草
連休を利用して孫たちがやって来たので、一緒に念願のイワウチワを見に、那岐山へ行ってきた。

〔登山ルート〕…案内図の上側が南


(東仙コースと西仙コースの分岐)

登山口の駐車場(案内図の現在地)へ車を止め、林道を少し歩くと、東仙コースと西仙コースの分岐点に到着。
子供連れなので、右の楽な西仙コースへ進む。
(西仙コース)

沢沿いの林道をゆっくり進む。
(分岐を左へ)

しばらく歩いた所で、林道の橋の手前を左折。
(渓谷コースと尾根コースの分岐)

ようやく登山道らしくなって来た。
沢を右に見ながら進むと、渓谷コースと尾根コースの分岐点に到着。
教えられたように楽な渓谷コース(左)へ進んだが、途中の沢を渡った先が歩き難そうだったので引き返す。
分岐点に戻り、沢を渡って尾根コースへ進む。
(尾根コース)

最初は沢を右に見ながら平坦な道を進む。
(イワウチワの群落出現)

直ぐに尾根の登山道となり、傍らに“イワウチワ群落”の標識があった。

しかし、残念ながら時期が少し遅かったようで、萎れたイワウチワしか見当たらなかった。
どうやら、一週間くらい遅かったようだ。
(シャクナゲの花)

そのかわりに、咲き始めたシャクナゲの花が出迎えてくれた。
(シャクナゲの花、拡大)

ツツジの仲間だけに良く似ている。
花言葉は、「威厳」「警戒」「危険」「荘厳」だそうだ。
(尾根のイワウチワ群落)

細い尾根道の両側にはイワウチワの大群落があったが、残念ながら萎れた花しか見当たらなかった。
(足元の背丈が低いのは、大部分がイワウチワ)
(初見参のイワウチワ)

しかし、更に登って行くと、中には綺麗なままで残っている花もあった。

自然界で自生しているのを見るのは初めてで、感動した!
(岩の上に生えたイワウチワとシャクナゲ)

苔が生えた大きな岩の上に、イワウチワとシャクナゲが生えていた。
結構乾燥しやすい場所に見えたが、苔や霧などで湿気を保っているらしい。
どうやら、水はけが良くて、適度な湿り気がある場所が好きらしい?
(尾根コースの難所)

正面に鎖場が立ちふさがったが、孫が「登りたい」と言うので、父親が付き添って少しだけ登ってみた。
しかし、子供には危険な急坂なので、やはり引き返す事にした。

出来れば山頂まで行きたかったのだけれど、シャクナゲの花言葉(警戒、危険)に従って引き返したのは正解だった。
でも、孫は喜んでくれたし、私もイワウチワを見る事が出来たので、メデタシ、メデタシだ!



総領町のセツブンソウ見学

2012年03月08日 | 山野草
今日は、総領町のセツブンソウを見に行って来た。
先ず“光のドーム”で、ボランティアガイドに色々なセツブンソウの花芸を教えて貰った。
青軸白色花桃色花
桃色のボカシ花赤色に近いボカシ花

ガイドの話では「売店でセツブンソウを販売している」との事なので、早速行ってみたと
ころ、普通花と桃色花を売っていたので、桃色花2鉢とベニバナヤマシャクヤク(石鎚産)
1鉢をゲットした。
桃色花は、画像で見ると普通花(白色花)と同じように見えるが、実際には淡桃色だ。
セツブンソウ(桃色花)ベニバナヤマシャクヤク(石鎚産)

帰りに自生地-1に寄ってみたが、こちらには桃色や赤色のボカシ花が沢山咲いていた。
本当は、こんな濃色系の花が欲しかったのだが残念…!



シオデの実生

2011年11月03日 | 山野草
“ササユリ山”でツル植物が、木を這っているのを見つけた。
ユリ科シオデ属の仲間らしいが、茎に刺がないのでヤマガシュウではない。

実と種はヤマガシュウシオデタチシオデのいずれもが良く似ているが、葉と実の特徴から見てシオデのようだ?
H23.11.3、播種。

シオデタチシオデは新芽が食用となり、
山のアスパラガス”と呼ばれているらしいので播種してみた。
大きくなって食べるのが楽しみだ!

シオデ、牛尾菜・四緒手(ユリ科、シオデ属) 
北海道~九州の山野に生えるつる性の多年草。 茎はつる状でに2~5mに伸びる。
葉は互生し、卵状長楕円形で、表面に光沢があり裏面は淡緑色。 基部には托葉が
変形した巻ひげがある。 雌雄異株。
花期は7~8月で、葉腋から散形花序を出し、花被片が反り返った淡黄緑色の小さな
花をつける。
名前の由来
アイヌ語のシュウォンテから転訛したという説が一般的だそうだ。
シオデとタチシオデの差
名 称
茎の様子
葉の表裏
花 期
花被片
果   実
シオデ  早い時期からツル性表面に光沢あり
裏面は淡緑色
7~8月反り返る白くならない黒色
タチシオデ初めは直立
後にツル性
表面に光沢なし
裏面は白緑色
5~6月反り返らない白い粉を被ったような黒色


料理法
新芽の先15cmくらいを採取し、茹でてサラダにするのが一般的で、おひたしや
和え物、味噌汁の具やてんぷら、バター炒めがなどにして食べる。
山のアスパラ”と言われ、癖が無くアスパラガスに似た味がする。


バアソブの実生

2011年10月28日 | 山野草
日本のツルニンジン属にはジイソブバアソブがあるそうだが、私の “ササユリ山” へは
ジイソブしか生えていない。
そこで、どんな違いがあるのか興味があったので、ヤフオクでバアソブの種を購入して実生を試みる事にした。
H23.10.28、播種。

用土は、赤玉土:鹿沼土=50:50を用いた。

『とり播きにすると翌年春に発芽し、4年目に
 開花する』
そうなので、4年後のお楽しみだ!

ツルニンジン、蔓人参(キキョウ科、ツルニンジン属)
北海道~九州で、山野の林縁に自生するつる性の多年草。 塊根は紡錘形。
葉は長楕円形で側枝に4枚集まってつき無毛。 裏面は粉白色。
花期は8~10月で、側枝の先に釣鐘形の花が下向きに咲き、花弁には紫褐色の斑が
ある。 若芽も食べられるが、根を天ぷら、酢の物、和え物にして食べる。
〔名前の由来〕
つる性で、根が太くて朝鮮人参に似ている事からツルニンジンと名付けられた。
別名のジイソブ(爺蕎)は、花弁の斑点をお爺さんのソブ(ソバカスの事)に見立てて名付けられたもの。
ジイソブの葉と花ジイソブの根
ジイソブの実ジイソブの種

バアソブ、婆蕎(キキョウ科、ツルニンジン属)
ジイソブによく似ているが、ジイソブよりやや小型で、葉や茎に白毛がある。
花期は8月で、花はジイソブより小型。 花弁にある斑点は紫色。
〔名前の由来〕
花弁の斑点をお婆さんのソブ(ソバカスの事)に見立てて名付けられた。
ジイソブ、 2006.9.4 ササユリ山にてバアソブ、 2006.10.12 穴門山神社付近にて



星居山で出合った山野草

2011年08月30日 | 山野草
星居山森林公園のゲート手前の道路脇にはヒゴタイの花が植えてあった。
神石高原町の花” に指定されているので植えたのであろうが、こんな直射日光の当たる場所で育つとは知らなかった。
我が家では玄関先の日陰に置いているせいか、元気がなく花が咲く気配もない!

ゲートを潜った所にある “モリアオガエル自生地” には、睡蓮が植えてあり綺麗な花を咲かせていた。
山野草は、少ない時期なのでヤマジノホトトギスしか見当たらなかったが、それでも至る所に咲いていて楽しませてくれた。



天涯の花 “キレンゲショウマ”

2011年08月13日 | 山野草
このところ毎日、植木鉢の山野草と庭や畑の水やりが忙しくて何もする事が出来なかった
が、昨日意を決して “剣山花トレッキング” という日帰りバスツアーに参加した。
ところが、この暑い時期の、しかもお盆前とあって福山からの参加者は私一人しかいなか
った為に広島発のバスに便乗する事になり、福山市内の駐車場から岡山県側の篠坂PA
までのタクシー送迎サービス付きで合流した。
広島の人は朝5時半から乗車している人も居るというのに何だか申し訳ない思いがした
が、気持ちは早くも剣山だ!
篠坂PA発、 7:47
→(山陽道)→(瀬戸中央道)→(高松道)
→(徳島道、美馬)→(438号)→
見ノ越駅着、11:40
登山口の見ノ越駅(標高1,420m)に到着。
ここまでの所用時間は約4時間だ。

登山専門の連中はここから歩いて登るらしい。
我々はリフトに乗って西島駅(標高1,750m)までを僅か15分で登る。
〔西島駅からの西側の眺望〕

画像左奥に見えるのは 祖谷地方の山で、その手前の深い谷底には 祖谷川が流れており、下流には“かずら橋”がある。

画像中央の右側に白っぽく見える岩は、
吉川英治さんの“鳴門秘帖”に登場するそうだ。

地元ガイドを先頭にイザ出発!
〔登山ルート〕西島駅→大剱道コース→山頂(3)→尾根道コース→刀掛けの松(5)→
         キレンゲショウマ群生地(6、7)→刀掛けの松→尾根道コース→西島駅
〔2の下〕名水百選 “剣山御神水

屋島の合戦に敗れた平家の一族が安徳天皇を擁してこの地に逃れ、平家再興祈願の為に大山祇命(剣神社)へ帝の紐剣と共にこの水で楔いだお髪を奉納されたと言われている。
この水は剣神社の御神体である御塔石の根本から湧き出ており、昔から神の水として崇められているそうだ。
御神体の“御塔石”は巨大な石灰岩で、昔の人はそれを神として崇めたらしい。
〔2〕大剱神社

祭神は、須佐之男命、安徳天皇、大山祇命
の3柱で、
 「天地一切の悪縁を絶ち、
  現世最高の良縁を結ぶ」 のだそうだ。

背後に見えるのが御塔石。
更に登り剱山本宮の鳥居を潜り、剱山本宮の横を通って、先に山頂に向かう。
〔3〕山頂

山頂はなだらかで広いが、注連縄が張ってある一等三角点周辺はかなり侵食されているので、実際の標高は公称1,955mより少し低い。
剣山の名前の由来は、
 ・安徳天皇が剣を奉納した、
 ・御塔石が剣に似ている、
等の説があるそうだ。
〔三角点から見た北側の風景〕

山頂一帯には、植生を回復させて侵食を防ぐ為に木道が設けられている。
〔三角点から見た南側の風景〕

尾根伝いの直ぐ南隣には、標高1,929mの
二郎笈(ジロウギュウ)が見える。
笈というのは山伏が使う竹で編んだ負い籠の
事で、剣山を太郎笈と呼んで兄弟と見立てたそうだ。
〔4〕剱山本宮・宝蔵石神社

山頂から下り、直下の神社を参拝した。
祭神は須佐之男命と安徳天皇で、運気向上の神とされており、鳥居の下の輪を先ず左回りに潜り抜け、次に8の字を書くように右回りに潜り抜けて参拝すると、汚された身体や魂が祓い清められ、魔を除けて昇運するように祈願されていて“輪くぐり神事”と言うのだそうだ。
神社の背後には、ここにも巨大な岩があった。
〔5〕刀掛の松

尾根道を下って来ると4叉路があり、傍らに
“刀掛の松”という案内板があった。
安徳天皇が神社へ剣を奉納する時にこの松に剣を掛けて休んだという言い伝えがあるそうだ。

ここから右に折れ、嘗て修験道の行場があったキレンゲショウマの群生地に向かう。
〔6〕キレンゲショウマの群生

行場に向けて急斜面を下って行くと、至る所へキレンゲショウマが群生していた。
例年なら7月下旬~8月中旬が見頃で、既に実をつけているものもあった。

宮尾登美子さんの原作「天涯の花」でスッカリ有名になった花だ。

「天涯の花」のストーリーは、
剣神社の宮司夫妻の養女となったなった孤児の珠子が巫女として成長する中で、東京からキレンゲショウマの撮影にやって来て山中に倒れていた男を救助して看病した事から恋に落ちる…というもので、
珠子とキレンゲショウマを天涯(空の果て)の花に見立てたものらしい?

このコースは鹿による食害を防ぐ為に至る所へ、間隔の開いた丸木の木道や防護網が設けられていた。
その設置と維持は大変だろうに関係者には感謝あるのみだ!
左右に見えるのはテンニンソウだが、剣山周辺では至る所に群生している。
〔穴吹川の源流〕

行場コースの標高が一番低い場所へ到着。
この辺りが穴吹川(吉野川支流)の源流だそ
うだ。
〔7〕上から見たキレンゲショウマの群生
穴吹川の源流から刀掛の松を目指して登って行く途中の群生は圧巻で、広葉樹林下の深くて急傾斜の谷間で石灰岩のガレ場にビッシリ群生していた!
標高が1,700mを超える谷底で湿っている上に、気温が下界より10℃も低く、午後からは必ず霧がかかるか雨が降るような環境だ。
道理で我が家では旨く花を咲かせない筈だ!

キレンゲショウマ、黄蓮華升麻(ユキノシタ科、キレンゲショウマ属)



猿政山で出合った花達

2011年06月28日 | 山野草

ウリノキ(花)ウリノキ(葉)
ハンショウヅル&サワフタギツルアジサイ
ヤマシグレタニウツギ
サンカヨウ(実)サンカヨウ(実)アップ
オオイワカガミ(実)クガイソウ

ヤマシグレ(スイカズラ科、ガマズミ属)
近畿地方以西で落葉低木。 樹高2m。
葉は狭卵形又は卵形で対生し、枝先に集まる。 縁には浅い鋸歯がある。
花期は6~7月で、枝先に散房花序を出す。 花は紅色の筒状で殆ど開かず、中から5本
の雄しべが覗いている。
〔名前の由来〕
ヤマシブレが訛ったもので、シブレはガマズミの方言。 つまり、山に生えるガマズミの意。


ショウキランの花

2011年06月26日 | 山野草
6月24日、
ひろしま県民の森”が催す“比婆山山系とシークレット”というイベントに参加した。
1泊2日の日程で、初日は施設周辺の森でショウキランを探し、2日目は“天女”に逢い
に謎の場所に行くという企画だ。

降水確率40%という梅雨のさなか、昼食もそこそこに未だ見た事が無いショウキランを
求めていざ出発だ!

途中で樹木や草花の説明を聞きながら、前もって講師が見つけておいた場所に到着。
以前は蹴飛ばしながら歩くほど群生していたらしいが、樹木を伐採したり盗掘に遭った
りして、今や幻の花になっているらしい。
どうやら水が好きなランで、いずれも水辺に生えていた。


6~8月に、いきなり地面から茎を伸ばして淡紅色の花をつけるが、1週間ほどで黒く萎
れて地上部は枯れてしまう儚い寿命の花で、その姿が鍾馗(疫病神や魔を除く中国の神)
に似ている事から名づけられたそうだが、なるほど言われてみるとそう見えなくも無い。
その奇妙な姿には、初めて見るだけに感激した!

ところで、こういった催しで紹介した珍しい植物は、環境が変化した訳でもないのに何故
か急に激減してしまうそうで、このショウキランも例外ではないそうだ。
葉が退化している為に光合成が出来ず、菌類に寄生して栄養を得ている植物なので、
持ち帰っても育つ訳が無いのに困った人達がいるものだ!

幸いな事に雨も降らず、長年の懸案だったショウキランにも出会え、満足して帰った。
この後、夜はフランス料理のフルコースを頂き、翌日はマイクロバスで遠くの山へ講師
つきで登る事になっていて、オマケに4人部屋を一人で独占だ。 これで10,500円とは
随分リーズナブルな料金で有難い。

外は間もなく土砂降りの雷雨となってしまい、翌日の天候を心配して寝付けない夜を過
ごした。



ショウキラン、鍾馗蘭(ラン科、ショウキラン属)
北海道~九州で、山地の日当たりの悪い場所に自生するラン科の腐生植物。
葉は鱗片状に退化していて光合成はせず、菌類に寄生する。
6~8月に、20cm前後の花茎を伸ばし、大きさ約2cmで淡紅色の花を数個つける。
〔名前の由来〕
花の形が鍾馗様に似ている事から鍾馗蘭と名づけられた。


大万木山で出合った花達

2011年05月17日 | 山野草
下山は“権現ルート”を下った。


先ずは、山頂直下の“大ブナ”にご挨拶だ。
大万木の蛸ブナ”として有名で、昔、雪より上に出た枝を繰り返し切って薪として利用した
為とか、雪による枝折れが重なって萌芽枝がたくさん出た為にこのような姿になった、と言
われているそうだ。
愛すべき姿をしているが、この付近のブナの巨木には枯れが目立った。
どうやら、約250年と言われる寿命が迫ったものが多いらしい。 約150年で成木となり、
その後100年間生き続けた巨木もこうして枯れていくわけで、いずれこの“蛸ブナ”も枯れ
てしまうのかと思うと一寸寂しくなってしまう!


暫く下ると傾斜は急になり、大きな岩の穴の中に小さな祠があった。
大万木権現”とか“武智神社”と呼ばれており、“スサノオ”を祀ってあるそうだ。
島根県県民の森のHPによれば、昔この山が揺れ動いていた為に“ゆるぎ山”と呼ばれ
ていて、それを鎮める為に“スサノオ”をお祀りしたところ、動くのが止んだと伝えられてい
るそうだ。 現在の“おおよろぎ山”の山名も、揺れを誇大に表現したものらしい。
古事記によれば、“伊邪那岐の命”が、我が子“須佐之男命”に海原を治めるように命じ
た所、スサノオはそれを断り、母(伊邪那美の命)がいる根の国(死者の国)に行くと言い
張り、天地に甚大な被害を与えた為に高天原を追放されたと言う。
嘗て地震が多く、それをスサノオの仕業と考えた住民達がお祀りしたものであろうか?



その直下には、このルートで最も急な場所がありロープが張ってあったが、後からやって
来た20人のグループに難なく追い越されてしまった。
聞いてみると「広島市で、40人の会員を有し、毎月1~2回山へ登っている」との事。
達者なもので、モタモタしている我が身に恥じ入ってしまった!


と言うわけで、後は墜落しないように慎重に下山した。 
お陰で、1日中たくさんの花達に楽しませて貰った。 感謝!

〔大万木山で出合った花達〕