里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

道通さん

2008年02月29日 | 神 仏
正戸山の近くに“道通神社”という小さな祠があった。


昔から、

「あの人は用心した方が良いよ!」
「“道通さん”を祀っているから、
 機嫌を損ねさせると道通さんの
 祟りがあるよ!」
などとよく悪口の引き合いに出される神だ。


何の事か分からずどうも気になったので調べて見ると、笠岡市の横島にある道通神社から
分祀したものらしい事が分かったので、早速ご本家を訪問して詳しく調べてみた。 
場所は、先日通ったカブトガニ博物館の直ぐ北にある丘の上で、昔は文字通り島だ
ったらしい。  

鳥居をくぐると拝殿が見えてくる。
鳥 居拝殿

更に進むと、左手には社務所の前に神馬がいて、拝殿の後ろには本殿が続く。 
いずれも立派な造りで、掃除も行き届いていて気持ちが良い神社だ。

祭神は猿田彦命と応神天皇で交通安全・開運授福・諸願成就のご利益があり、特に
猿田彦命については西日本一由緒深い神社とされ、交通安全・開運授福・船玉の神
として敬われ、遠くからの参拝客も多いという。
社務所奥拝殿と本殿

本殿の左横に回ると“道通様の幸福の神使”2体の他、蛇を祀った小さな瓦製の祠
がたくさん並んでいた。

“道通様”というのは“トウビョウ”と呼ばれる小さなヘビで、人に憑いたり祟っ
たりするので恐れられ、これを鎮める為に祀られているのだそうだ。
道通信仰(蛇神信仰)は中四国の瀬戸内海地方にみられ、各地に“道通様”が祀ら
れているがほとんどがこの横島の道通神社からの分社で、金運・腹痛・神経痛・受
験などにご利益があると言われているとか。

古来、蛇は簡単には死なずしかも身体を絡ませて長時間交尾する事から、人間は脅
威と逞しい生命力を感じ、世界中で神として信仰されて来たという。
人に憑いたり祟ったりするという考えも、そういった恐れから生まれたらしい。
(これでようやく疑問が解消した!)

また、鏡餅は蛇がとぐろを巻いた姿を表し、注連縄は蛇が絡まって交尾をしている
姿を表していて、共に蛇神信仰の名残りだとする説もあるという。
果たして真相はどうなのであろうか?

 

正戸山

2008年02月28日 | 歴 史
私の家の南、嘗ての村はずれに“正戸山”と言う小さな丘がある。

昔、毛利元就の“正戸山城”があったらしいが、昭和時代初期にはここへ天皇陛下
を迎えて陸軍の大演習が行われたそうだ。
そこで、未だ一度も行った事が無かったので久しぶりに暖かくなったのを幸いに
歩いて行ってみた。

昭和天皇は福塩線の踏み切り近くでお召し列車を降り、愛馬に乗り換えられたとい
う事なので、先ずそこからスタートした。 
単線運転なので線路内でウロウロしても誰からも文句を言われない。長閑なものだ。


北上すると直ぐ“正戸山”
が見えて来る。
 
標高が49mの可愛い山だ。





なだらかな丘を登ると平坦な所があり、“御下馬所跡”という碑が立っており、
頂上には“御統監之趾”と書かれた大きな石碑が建てられていた。
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頂上近くの御下馬所跡(→石碑)頂上の御統監之址

眼下には多くの家並みが見える。
嘗ては殆ど田ばかりだったのだろうが、収穫の終わった昭和5年11月にこの田園
地帯で大演習が行われ、それを天皇がこの丘の頂上から見学されたのだそうで、演
習の行われた場所は、その後“御幸町”と名づけられた。


その頃の世情と言えば、
・昭和4年にウォール街の株価大暴落によって引き起こされた世界恐慌により日本
 も深刻な経済不況に陥っていて、
・それを打開する為に植民地を持たない日本としては、英国・フランス・米国など
 の列強に習い、中国大陸を植民地化する事が唯一の手段であると考えられるよう
 になり、昭和6年には満州事変を引き起こし、やがて世界を相手に太平洋戦争に
 突入した時代だ。
正戸山に於ける演習も正にそういう戦争に備える為の演習だったわけで、中国侵略
と言い、列強との戦争と言い、今から考えると随分無謀な戦争をやったものだ!

長閑な風景を見ていると、二度とこのような不幸な戦争を起こしてはならないと、強く感じた!


道路建設の大合唱!

2008年02月27日 | 政 治
このところガソリン税を巡って、政府与党はおろか全国知事会までもが、
「税は下げずに、高速道路を14,000km造らせろ!」
「開かずの踏み切りで困っている人も多い、税源が無くなるとどうにも出来ない!」
などの大合唱をしている。

確か、小泉首相が40兆円(国民1人当たり約31万円)もの累積債務を抱える道路
公団の民営化を、「聖域なき構造改革」のスローガンの下に内閣の「目玉」として
進めた時の、民営化推進委員会の答申(H14年)は、
 ・国の高速道路整備計画9342km迄は認めるが、それ以上の新規建設は認めず、
 ・道路特定財源については、「一般財源化」又は「税率の引き下げ」をする。
という内容だったと記憶している。

ところがその後、民営化(H17年)に伴い、
・道路建設・管理・料金徴収を行う6つの会社(旧4公団から再編)と、
・高速道路の保有・債務の返済を行う一つの会社が設立されたものの、
道路特定財源はそのまま残し、肝心な新規高速道路の建設についても国と地方の税
金と借金で造り続ける余地を与党が中心になって残してしまった。

その結果、昨今の大合唱という事になったわけだが、このまま皆の言うままに採算
性の悪い道路を造り続けると、更に借金が膨らんでしまう可能性が強い。
今ある40兆円の借金は45年で完済し、その後道路は国に返還されて通行料は無
料になる筈なのだが、こんな事では又ぞろ借金が雪だるま式に膨らみ、永久に無料
にならないばかりか“税金を投入して債務処理”と言う事にもなりかねない。

今でも国の借金が約838兆円(国民一人当たり約655万円)もあるというのに、
不要不急の道路を作ったり、道路と全く関係の無いところへお金を使ったり、談合
で高い道路を造ったりするのは止めて欲しいものだ!
そうでなくても、
庶民は銀行を救う為に低金利の預貯金で我慢させられ、企業を助ける為に給料を下
げられ、政府のお粗末な行政の尻拭いの為に税金や年金等の保険料の引き上げと年
金の切り下げ、その上に昨今の大幅物価上昇と散々な目に遭わされて居る。

「よその県にはあるのにうちの県にないから造ってくれ!」などとガキみたいな事
を言う知事も居るが、そんな要求にいちいち全部応えていたら際限がない!
ここは与野党で良く話し合って絶対必要な道路の建設だけにとどめ、後はもっと財
政にゆとりが出来るまで辛抱するというわけには行かないのだろうか?


林野庁、林道「効率データ」廃棄

2008年02月26日 | 政 治
昨日の朝日新聞1面に載っていた見出しだ。
読んでみると、
今迄大規模林道の建設をして来た「独立行政法人・緑資源機構」が廃止されて工事
が各道県に移管される事が決まっているが、各道県が建設を続けるかどうかの重要
な判断材料となる“費用対効果分析の元データ”を林野庁が廃棄してしまい、各道
県がどう対処すべきか非常に困っているのだと言う。

昨今、国・地方共に借金まみれの中で行われる道路建設には投資効率が厳しく求め
られ、投資効果を投資費用(建設事業費や維持管理費)で割った値(投資効率)が
1以上でなければ建設が認められない。
ところが多分投資効果が相当低かったので、例によってその都合の悪い計算データ
を廃棄してしまったものらしい。 厚労省などでもよくやる常套手段だ!

現在中国地方でも、中国山地を岡山県から山口県へ横断する幹線林道と、鳥取県か
ら山口県へ横断する幹線林道の二つが建設中だが、如何せん山中で人通りも無く、
その上に接続が悪い短い道が点々と続いていて便利も悪いらしい。
私もこの幹線林道を通った事があるが、上下合わせて2車線の立派な舗装道路で、
通る人も無く貸し切り状態であった。
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福田頭西の林道標識(→道路)白滝山北の林道標識(→道路)

この他にも、農水省が造っている“農免道路”や“広域農道”という道路もある。
正式には、
“農林漁業用揮発油税財源身替農道整備事業”、“広域営農団地農道整備事業”と
いう大変長ったらしい名前で、いずれも農業の為の立派な道路だ。

確かに、林業と言い農業と言い道路は必要である事は言うまでも無いが、果たして
ここまで立派な道路が必要なのかどうかも考える必要がある。
この国の林業・農業・水産業の荒廃と合わせて難しい答えが求められている!

大規模林道
正式名称は「緑資源幹線林道」。
独立行政法人・緑資源機構(旧森林開発公団)が1973年から全国7ヶ所(17道県)
の森林地帯で建設を進めて来た幹線林道。
現在の計画は、全国32路線の総延長2025km、総事業費約9389億円で、その内の
約65%に当たる1312kmが完成しているが、15道県に工事区間が残っている。


セツブンソウの繁殖

2008年02月25日 | 庭の山野草
庭へ試しに播種しておいたセツブンソウの第一陣が4年目でようやく咲いた。
だが、この場所は南向きで日当たりが良すぎる為に、乾燥しすぎて多くは消えてし
まい、生き残ったものもイマイチ元気が無い。
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庭の南側(播種後4年目)鉢植え(→拡大)



これに懲りて、第二陣は昨年(H19年)
北側の塀際へ播種したが今の所順調に
発芽している。




ササユリ山へは、
・昨年、自宅と平行して直接播種する方法を試み、
・1年生(H18年播種)も試しに移植してみた。
先週はお天気が良かったので偵察に行って見たが、植えた場所が北側斜面なので未
だ雪がたくさん残っていて、発芽はもう暫く先になりそうだ。


(セツブンソウの成長) 
 ・1年目は1枚葉。
 ・2年目に親と同じ姿になり、
 ・3年目に早いものが咲き始めるが、3~4年目で消えやすくなる。
 ・4年目に本格的に咲く。


中国人(その2)

2008年02月24日 | 世 相
私の家の近くに住むA氏も、日本に留学経験のある中国人と貿易会社を共同出資
で設立する事になり、1400万円を託したと言う。
ところがこの中国人、貿易会社は起こさず今はキャバレーを経営しているそうだ。
しかしこのA氏、温厚な人柄で今でもその中国人を信用していて、
「中国を訪ねると、“日本のお父さん”と呼んで親切にもてなしてくれる」
と喜んでいる。

先日、そのA氏が「中国土産(磁器の骨董品)が届いたから見てくれ!」
と言うので見学に行った。
何でも、国立博物館の見学に連れて行って貰って、博物館を建て替える為と称して
売っていた物を何百万も払って買ったらしい。
見ると、陳列棚の中に十数点高価らしい物が並んでいるが、素養の無い私などはい
くら見てもその価値は分からず、「凄いですね!」とお茶を濁して帰った。

後日その事を出入りの造園業のオーナーに話したところ、
「私も営業や遊びでよく行くが、確かに国(博物館)がそのような商売をしている」
「文化大革命で没収したものを売っているのだが、中には高価なものもある」
「大部分は定価の十分の一くらいの価値しかなく、値切れば相当安くなる」
「しかし、ちゃんと送ってきたのは良心的だ」「金だけ取って送ってこない事もあ
 るし、中国の税関で没収という事もある」
と言う。

「エッ!それって国を挙げての詐欺と言う事!」と尋ねると、「そうです!」と言う。
ヤレ! ヤレ! とんでも無い国があったものだ! お人よしの日本人を騙すのは
チョロイという事らしい!


中国人

2008年02月23日 | 世 相
暫く前に東京に住む友人が「S君は中国へ家を建てて豪勢な暮らしをしているらしい」
と話していた。
S君と言うのは共通の友人で、何年か前に彼の先輩が中国人と共同で起した会社を
頼まれて手伝いに行っている人だ。
先日もS君から「どうにか軌道に乗り始めた」と聞いたばかりで、ひと事ながら順調
で何よりと喜んだものだ。

ところが、そのS君から電話があり、「今日本に居る」「これから話しに行く!」と言う。
やがてやって来た彼が言うには、
「共同経営者の中国人が酷い奴で、未だ軌道に乗っていない段階から従業員を採用
 したり、銀行から無断で金を借りたりするなど、日ごろから不審な行動が多かった」
「その後、軌道に乗り始めたと見るや、従業員をアジって我々を追い出しにかかり
 遂には暴力団も差し向ける有様で、先輩とほうほうの体で逃げ帰った!」
のだそうだ。

今後の見通しを聞くと、「このまま泣き寝入りさせられそうだ!?」と言う。
そうなると気の毒なのは彼の先輩。
投資したなけなしの退職金を失うだけで無く、出資してくれた友人にまで迷惑をか
ける事になり、面子も丸つぶれだ!


放火魔復活?

2008年02月22日 | 世 相
神石高原町で、又もや不審火(?)が発生した。
昨年8月に漬物加工場が焼けて以来途絶えていたのに、
 2/16(土)
  ・14:10 坂瀬川 枯れ草       0.1 a
  ・18:00 安田  枯れ草        2.0 a
 2/17(日)
  ・ 4:00 父木野 鉄骨スレート葺平屋倉庫 
  ・ 8:25 1.5km北 山林の枯れ草  0.06a
と立て続きの不審火だ!
昨年もこの時期から連続放火が起きただけに、住民の不安も広がっている。
2月18日には、地元の消防団が又もやパトロールを再開する事が決まったそうだ。

舅の家へ行く途中の李(すもも)公民館も、ようやく建て替えがほぼ完了したとい
うのに、今回の不審火で又心配させられる。 困った事だ!



日中戦争?

2008年02月21日 | 世 相
このところ、冷凍食品中の農薬について大騒ぎが起き、収まりそうに無い。
日本側は「製造工程で混入した」と言い、
中国は「製造工程中で混入した可能性は無い」と言い、恰も「日中関係を壊したい
日本側の連中が、意図的に混入させた!」と匂わせている。

中国で例の“ダンボール入り肉まん事件”が起きた時には「さもありなん!」と思
ったものだが、それが嘘だと分かった後、何と日本でも出るわ出るわ!
ミートホープの想像を絶する食肉偽装事件に続き、白い恋人、赤福、船場吉兆など
日替わりメニューのように出て来る。 
しかもそれが氷山の一角で、「どの企業もやっていそうだ」と連想させるから始末
が悪い!

もうここまで来ると、
あれだけ「中国だ!」と言っておきながら、実は「日本でした!」というオチがつき
世界中に大恥を曝しそうで気が気ではない!

今や地球上の全ての人間が、ゼニ! ゼニ! ゼニ! と、まるで金の亡者になっ
たようで浅ましい限りだ!
さぞや、守銭奴達が三途の川を渡り閻魔様のお裁きを受ける時には、キツーイお仕
置きを受ける事になるだろう!


ユーカリ

2008年02月20日 | 花 木
蔵王山で下刈りをしていると、ユーカリの若木がたくさん育っていた。
付近には大木に育ったものも多いが、どれもが太枝が折れたり、裂けたりしていた。
市役所の人に聞くと植栽したもので、「脆いので良く折れて困る」そうだ。

このユーカリ、オーストラリア原産でコアラが食べる植物として有名だが、その種
類は500種以上もあるらしい。
先日訪ねた真鍋島でも、この蔵王山のものと良く似た葉の大木があったが、地面に
はまるでボタンに見えるような面白い形の実が落ちていた。

こんなに小さい種から簡単に繁殖するようだと、これを安易に植栽すると自然体系
が変わってしまうので絶対避けるべきだと思う。 
我々が下刈りした後には何かを植栽する予定らしいが、ユーカリなど植えないよう
に一言言っておくとしよう!
ユーカリ(2/17 蔵王山)マルバユーカリ?(H18/12 向島)
乾燥した、径1.7cmの実と種(2/14真鍋島)

ユーカリ(フトモモ科、ユーカリノキ属)
原産地はオーストラリアで、変種を含めると800~1000種もある。
4~5月、葉腋に直径3.5cm程の雄しべの目立つ白い花を付ける。
葉は表裏共に白い粉が付いたような緑色で、葉から採れる精油には、殺菌・抗炎作
用や鎮痛・鎮静作用があり、健康茶やアロマテラピーなどにも利用される。