里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

タマスダレ、キクイモ

2007年09月30日 | 園芸種
今、畑でタマスダレやキクイモが咲いている。

キクイモは、5月の連休に福山の園芸センターを訪ねた際に売店で貰ったものだ。
「幾らでも持って行って下さい!」 と言う店主に気兼ねして少しだけ貰い、つい
でにお付き合いでウラシマソウを買ったのだが、背丈が2m近い一見ひまわりのよ
うな大型に育った。

試しに芋を掘ってみると、未だ3cm弱の小型のメークインと言った感じだが、
10cm位にはなるらしい。 その時には試食してみるつもりだ。
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タマスダレキクイモ(→芋)

タマスダレ(ヒガンバナ科、タマスダレ属)
中南米、西インド諸島原産の多年草で日本には明治時代に園芸用として渡来した。
8~10月に、6弁の白い花が上向きに咲き夜には閉じる。
(名前の由来)
花を玉に、葉を簾に例えて“タマスダレ=玉簾”と名づけられた。
別名のゼフィランサスは学名のゼフィランサス・カンジダから、レインリリーは雨
の後で一斉に咲く事から名づけられた。

キクイモ(キク科、ヒマワリ属) 別名はアメリカイモ、ブタイモ
北米原産で、日本には江戸時代に飼料用として渡来した多年草。草丈は1.5~3m
と大きく、少し芋を植えるだけで直ぐに繁殖する。 
9~10月に菊に似た径が10cm位の黄色の花をつけ、10月末に10cm弱の
大きさの草丈の割りに小さい芋が出来る。
芋は、牛乳で煮たり、各種の漬物、サラダ、肉じゃが、バター焼き、天ぷらなどに
して食べる。
ジャガイモなどに含まれる澱粉は消化されるとブドウ糖に変わるが、キクイモに含
まれるイヌリンは果糖に変わり血糖値を上げない為に糖尿病や高血圧に良いと言わ
れている。
(名前の由来)
菊に似た花が咲き、芋をつける事から“菊芋=キクイモ”と名づけられた。




猫山に咲いていた花達(1)

2007年09月29日 | 山野草

今咲いているのはアケボノソウ、ツルニンジン、アキノキリンソウ、ヤマトリカブ
トやキクの仲間達だが、特に珍しいものは無い。

しかし、猫山にはヒメユリ、イブキジャコウソウのほか、“ネコヤマ”を冠した
ネコヤマヒゴタイと言う花もあるそうなので、その時期に是非見てみたい。
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アケボノソウ(→花)ツルニンジン
アキノキリンソウヤマトリカブト

面白かったのは、花に見えるが実の落ちたツクバネソウ。 
まるで珊瑚に見えるハナホウキタケも変った形をしていた。 
ホウキタケ(別名:ネズミタケ、ネズミアシ)は食べられるが、このハナホウキタ
ケは食べるとお腹が痛くなったり、下痢を起こすと言う。
実の落ちたツクバネソウハナホウキタケ



猫山(2)

2007年09月28日 | 

登山口付近の石仏登山道に入ると直ぐ左側に石像2体が立っており、“行者道、安永六年”と書かれていた。
西暦1777年、第10代徳川家治の時代だ。

やはり猫山は修験道の修行の山だったらしい。
さては相当にキツイ山か? と心配がよぎる。
登山道登山道の左右は、最初は雑木林だがやがて桧の植林に変わる。
左にはスキー場のゲレンデ、右には小さな沢があり、緩やかに登って行くと一帯には多くの山野草が見受けられた。
登山道は終始北側の斜面にあるので、適当な湿気がある為に山野草には格好の環境らしい。
春~夏にかけて訪れると面白そうだ。
スキーリフトこのリフトからは、中央やや左遠方の山裾に道後山クロスカントリーが見えるが、ここではクロスカントリー競技だけでなく、陸上選手の合宿も行われるらしい。 右手には画像には写っていないが、岩樋山と道後山も見える。

このリフトを最後にゲレンデと別れ、少し急になった斜面を登る。
右折標識案内標識に従い右に折れて沢を渡り、
少し登るとトラバース道になった。

ヤレヤレだ!
山上さん>トラバース道を進むと、左手にトタン葺きの小屋があった。
昔は、修験者の“こもり堂”だったらしく、脇の岩穴には役の行者と不動明王の石像3体(マウスオン)があり、“山上(さんじょう)さん”と呼ばれている。
しかし、今は利用する人も無くスッカリ朽ち果てていた。
北に岩樋山と道後山このトラバース道の樹間からは、北に岩樋山と道後山が見える。画面中央の山の頂上で、少し禿げて見えるのは道後山スキー場。
その裏側が道後山の駐車場になるわけで、道理で楽な訳だ。

それに引き換え、この猫山は麓から登らなくてはならず横着者には相当キツイ!
頂上の2等3角点やがて尾根のかなり急な斜面が続く。

休みながら登って行くと、ようやく猫山頂上の2等3角点に到着するが、周囲は雑木林で全く視界不良だ!。
南に多飯が辻山頂上から南に100m位なだらかな尾根を進むと僅かな草原があり、そこからの眺望は良好であった。
倉敷からの先客は既に昼食も済ませて居られたが、話して見ると「植物には興味が無く山に登る事が趣味で、主に岡山県の山へ登っている」との事で、早速南に見えるのが多飯が辻山(1040m)と教わった。
南南西に白滝山と飯山猫山南峰の遠方、南南西に見えるのは白滝山(1053m)、?山(1173m)、飯山(1009mの頂上部)だそうだ。
残念ながら化け猫に出会う事は出来なかったが新たな出会いを楽しむ事が出来て幸いだった。
この頂上付近にはイブキジャコウソウも咲くそうなので、その頃もう一度訪ねる事にして下山したが、帰りは多少足が笑ったが楽勝だった!

修験道
日本古来の山岳宗教と、神道・密教(仏教)・道教(中国古来の民間信仰)などが
結びついて平安末期に成立した宗教で、霊験を得る為の山中の修行と加持・祈祷、
呪術儀礼を主とする。
 ※加持祈祷:病気・災難などを払うために行う祈祷又は儀式。
 ※呪 術 :神や精霊などの超自然的な力や神秘的な力に働きかけ、種々の願望
       を叶えようとする行為及び信念。
 ※開 祖 :役小角(神変大菩薩)。 生没年は不詳。
       奈良時代に大和国葛城山で修行し吉野の金峰山や大峰山などに霊場
       を開いたが、文武天皇(697~707年)の時に讒言によって一時伊豆
       に流された。

明治政府の“神仏分離令”で廃止されたが、その後仏教系と神道系に分かれ、現在
でも信仰されている。


猫山(1)

2007年09月27日 | 

前回は猫山の登山口駐車場迄行ったものの、登山口が見つからず敢え無くも道後山
へ転進したが、その後ネットで登山口の場所を見つけた。

その上“猫山”の名前の由来についても、
 ①山容が猫の姿に似ている事から名づけられた。
 ②山中に猫に似た石がある(或いは人が願うと山中の石が全部猫に変わる)為に
  ネズミが恐れた事から名づけられた。 
等と言う説がある事が分かった。

この他にも、麓の坂井谷には「猫塚」もあると言うし余程猫に縁のある山らしい。
おまけに、標高約900メートルのルート脇の岩穴には、猫山大権現“山上さん”
と言うのがあり、役小角に関係する石仏三体が祀られていると言う。

そこで、非常に面白そうなので昨日猫に会いに出かけた。
所が、314号線を北上して青空を背景に北に猫山がくっきり見えて来たが、どう
見ても“猫”には見えない。 北の登山口の方に回っても同様だ。
南から見た猫山北から見た猫山

そうなると、猫に化けると言う石があるに違いない。 駐車場に車を止め、勇躍登
山を開始した。
駐車場入り口倉敷からの先客と登山口



再び伊邪那美命

2007年09月26日 | 神 仏
帰りは立烏帽子山と池ノ段の鞍部から、立烏帽子山の中腹を巻く近道を通って横
着をしたが、駐車場が近くなった所で珍しい物があった。
鞍部の標識伊邪那美命の隠れ穴(火除け穴)


“伊邪那美命の隠れ穴”だそうで、次のような言い伝えがあると言う。
  ①伊邪那美命が迦具土神(火の神)を産んだ時に火傷をして死んだ穴。
  ②伊邪那美命がここを通りかかった時、天から火が降って来たのでこの穴に隠
   れて難を逃れた。
  ③伊邪那岐命が伊邪那美命を尋ねてきた時、夜になったので自分の櫛に火をつ
   けて明かりとして通った所。

どうも神話の世界は破天荒で、兄妹が結婚したと言うだけでなく、次のような言い
伝えもあると言う。
 ・伊邪那美命が火の神を産んだ時に火傷をして死んだ。
 ・怒った伊邪那岐命が火の神を切り殺した所、死体や血などから多くの神々が産
  まれた。
 ・死を悲しむ伊邪那岐命の涙から女神が産まれた。
 ・亡くなった伊邪那美命を探しに黄泉の国へ行った伊邪那岐命が、伊邪那美命の
  変わり果てた姿を見て逃げ帰り禊をした所、着衣や身の穢れから多くの神々が
  産まれた。
 ・亡くなった伊邪那美命は、黄泉の国でも神々を産んだ。

神話は、後に権力を握って天皇制を確立した連中が、自分達に都合の良いように歴
史を脚色したものだそうだが、それにしてもやたらに神を産む話などは奇抜過ぎて
理解しかねる。

私などの凡人には、
「女房の浮気相手との間に出来た子供を、別れた女房憎しの余りに苛めて見たもの
 のどうしても忘れ切れず、そっと様子を見に行った」
「所が、相手は再婚し子供も沢山出来てスッカリ所帯やつれしていたのでガッカリ
 して戻り、別れた女房を諦めて再婚して子供を沢山産んだ」
と言う話だと良く分かるのだが…。


池ノ段

2007年09月25日 | 
立烏帽子山を下り池ノ段との鞍部に差し掛かると、少し湿っているせいか山頂部よ
り多くの花が咲いていた。
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イヨフウロヤマトリカブト(→花)
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ゲンノショウコセンブリ(→花)

鞍部を通り過ぎて少し登ると直ぐに池ノ段の頂上に着く。
頂上からは、西北西の彼方に猿政山が見えるほか、近くの吾妻山、比婆山、毛無
山、伊良谷山、立烏帽子山、竜王山などが一望できる。

(池ノ段への登りと頂上からの眺望)
立烏帽子山から池ノ段へ続く鞍部池ノ段頂上(1280m)から続く南尾根
頂上から北西に吾妻山(1239m)頂上から東北東に立烏帽子山(1299m)



立烏帽子山

2007年09月24日 | 
車で移動して次に登ったのが立烏帽子山。
ここも、駐車場から500m緩やかに登るだけの私向けの山だ。
頂上には低木が茂っているが視界は良好で、南東には先ほど登った竜王山が見え、
南には8/27に登った福田頭(毛無山)が見える。
立烏帽子山駐車場の先客達立烏帽子山の頂上(1299m)
南東に竜王山(1256m)南に福田頭(毛無山、1253m)

山頂付近には、咲き残ったホツツジの変わった花やリンドウが見受けられた。
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ホツツジの実(→花)リンドウ

ホツツジ(ツツジ科、ホツツジ属)別名:ヤマボウキ
北海道(南部)以西の乾燥した山地や岩場に自生する落葉低木。樹高は1~2m。
花期は8~9月で、枝先に淡紅色の花を多数つけ全体が円錐の穂の形に見える。
花弁は3裂して外側に反り返り、6個の雄しべは短いが雌しべは長く突き出た変わ
った形をしている。
(名前の由来) 
ツツジの仲間で、花が穂のように付く事から“ホツツジ”、枝を箒にした事から
“ヤマボウキ”と名づけられた。


竜王山

2007年09月23日 | 
先ず最初に登ったのは竜王山。


標高1256mだが頂上近くまで車で行けるので、山頂までは200m程歩くだけ
の横着者向けの山だ。
勿論私も200m組だが、山頂では熊野神社から約3km歩いて登って来た2人組
に出会った。
又、車の所まで降りて次に吾妻山に登ると言う。 真面目な人達が居るものだ!

(山頂からの眺望)
西北西に池ノ段(標高:1280m)北西に立烏帽子山(1299m)と比婆山(1264m)

今、山頂は一面のススキやササで覆われているが、アキノキリンソウ、ヤマラッキ
ョウ、ウメバチソウ、マツムシソウ等のほかリンドウも咲いていた。
アキノキリンソウヤマラッキョウ
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ウメバチソウ(→実)マツムシソウ(→実)



“美しい国日本” の創造主

2007年09月22日 | 神 仏
昨日は竜王山・立烏帽子山・池ノ段へ登って来たが、この一帯には伊邪那美命にま
つわる伝承が多くて面白い。

何しろ伊邪那岐、伊邪那美命と言えば兄妹神でありながら結婚し、日本全土はおろ
か太陽や月、水や火などこの世の全ての物を生んだと言うのだから、安倍さんなど
足元にも及ばない究極の“美しい国日本”の創造主なのだ!


先ず最初に行った所は竜王山の麓にある熊野神社。
古くは比婆大神社と呼ばれ、伊邪那美命を葬ったとされる比婆山を奥院とする遥拝
所なのだそうで、比婆山は御陵(天皇や皇后などの墓)と呼ばれている。

境内には100本以上の老杉があり、その内11本は広島県の天然記念物に指定さ
れており、中には樹齢1000年を超えるものがあるそうだ。
中でも県下2位の杉は胸高幹囲が 8.1 mもあり“天狗の休み木”と呼ばれ、夏の
夜に比婆大神(伊邪那美命)の使いである天狗が使う団扇の音が聞こえると言う。
他にも県下3、4位の杉もあり、相当古い神社である事は間違いない。

大鳥居の脇には“イザナミ茶屋”があり、植物の葉や花を封じ込めた煎餅とゴギ
(40cmにも達するイワナ)料理が売りで楽しみにしていたのだが、残念ながら
土日祝日しか営業していなくてお預け! 
確か、「例年11月3日に大祭がありそれを過ぎると雪の為に道路が通れなくなる」
と聞いた覚えがある。 その頃もう一度行って見るとしよう。
大鳥居石 段
広島県下第2位の大杉大杉は天狗の休み木とも呼ばれる
山 門本 殿



アレチウリ

2007年09月21日 | 山野草
近くの川原に昨年当たりから見慣れないつる性の植物が生え始めたと思ったら、今
年は土手が一面の蔓に覆われてしまった。

余りにも茂って土手から這い上がって来たので、蔓を掴んで土手の下の方へ放り投
げた所、何と手袋越しに細い棘が沢山刺さってしまった。
その痛い事痛い事、チクチク痛くてやり切れない!

帰って調べてみると、これがあの悪名高いアレチウリだった。
環境省が駆除すべき特定外来生物に指定している植物だそうだが、何しろ蔓が10
m以上にも伸びる上に実が5000個もつき、しかも繁殖力が旺盛だと言うから駆
除するのは大変なようだ。
今年は、冬に重装備で刈り取った後火責めにしてやろうかしら…!?
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アレチウリの蔓(→繁茂した時)
棘だらけの実手袋を通して握り拳に刺さった棘


アレチウリ(ウリ科、アレチウリ属)
北米原産の帰化植物で日本には穀物に混じって渡来したらしい。
本州以南の荒れた畑や川原などに広がっているつる性の1年草で、特定外来生物に
指定されている。
急速に成長して他の植物に覆いかぶさりその植物の成長を妨げる上に、刈り取ろう
とすると実に細くてしなやかな鋭い棘がある為に、衣服を貫いて刺さるので非常に
痛い。
各地で駆除が進められているがその方法は極めて原始的で、下記のようにひたすら
抜き取る作業を数年間続ける必要があると言う。
 ・種をつける前に抜き取る。
 ・出来るだけ小さいうちに抜き取る。
 ・1年に数回抜き取る。