里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

ミヤマママコナ(ゴマノハグサ科、ママコナ属)

2006年09月28日 | 山野草

(東城町・国広山、9月14日撮影)

講師がママコナと説明してくれた。 継子菜と思いきや“飯子菜”なのだそうだ。
家に帰って調べてみたら、苞葉に鋸歯がないので、どうもミヤマママコナのような気
がした。

ミヤマママコナ
全国で、山地のやや乾いた林下に自生する1年草。
名前の由来は、ママコナよりやや高い山に生える事と、花弁の下唇に出来る2
条の突起(或いは種子)がご飯粒に見える事から“深山飯子菜”と名付けられ
たそうだ。
この仲間達は自分自身で生きて行くと同時に、イネ科やカヤツリグサ科の植物
と根を連結させて養分を横取りするそうで、かなり厚かましい。
似た植物にシコクママコナ、ママコナがあるが、主な違いは次の通り。

名   称苞  葉花弁下唇の突起突起の奥
ミヤマママコナ鋸歯はないやや黄色黄 色
シコクママコナ基部に疎らにあるやや黄色黄 色
ママコナ鋸歯がある白  色白 色

 ※苞 葉    :花の付け根に出る小さな葉。
 ※下唇の突起 :ミヤマママコナ、シコクママコナについては、事典によって
           黄色と書いてある物や白色と書いてある物がある。

メハジキ(シソ科、メハジキ属)

2006年09月27日 | 山野草
民家の傍で昔懐かしい植物を見つけた。
茎を適当な長さに切り、上まぶたと下まぶたの間へ弓なりに挟んで目を見開き、
「目がこんなに大きくなった」 と言って遊んだものだ。

(東城町・国広山、9月14日撮影)

メハジキ(シソ科、メハジキ属)
本州以南で、日のあたる道端や野原に自生する2年草。
名前の由来は、子供達が若い茎をまぶたにあてがい、目を見開いて遊んだ事か
ら“目弾き”と名付けられたそうで、別名の“ヤクモソウ=益母草”は、漢方
で特に産後の悪露(おりもの)を止める効果がある事から名付けられたそうだ。

ヌルデ虫エイ

2006年09月24日 | 動 物
ヌルデにヌルデシロアブラムシが卵を産み付けた時、ヌルデはコブを作ってこ
れに虫を閉じ込めて自分を守るそうで、この虫コブの事を虫エイと言うのだそ
うだ。
コブを割って中の虫を見たかったのだが、葉などに触るとかぶれる人もあると
言うので敬遠した。

コブにはタンニンが多く含まれ、昔はお歯黒の原料にも用いられたそうだが、
コブの中にはアブラムシがウジャウジャいるそうで、これを見ると昔の人でも
とても歯に塗る気持ちにはなれないだろう。

(東城町・国広山、9月14日撮影)


サルナシ(マタタビ科、マタタビ属)

2006年09月23日 | 花 木
NHK野外講座に参加し、初めてサルナシの実を試食した。
講師の話によれば、緑色の果皮に皺が入った頃が食べごろと言う事であったが、
試食した物は未だ若い実で皺は出来ていなかったものの、割ってみるとキウィ
フルーツとそっくりで、味もキウィフルーツと梨を一緒にした様な、結構イケ
ル味であった。

(東城町・国広山、9月14日撮影)
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サルナシ
全国で、平地から高山までの原野や山地に自生する落葉性の多年性つる植物。
名前の由来は、実が梨に似ていて猿が好むとか、酒を造ったと言う事から名付
けられたそうで、別名を“シラクチヅル”、“コクワ”等と言い、丈夫で腐り
難い事から四国祖谷渓の「かずら橋」に使われているそうだ。

又、果実は山で未だ硬い物を採って帰り、紙袋の中で熟させた後に生で食べた
り、果実酒の材料に使ったりする。

オタカラコウ(キク科、メタカラコウ属)

2006年09月22日 | 山野草
今月のNHK山野草講座は、帝釈峡の北西方向にある国広山(海抜731m)
であった。

聞けば、9/10の日曜グループは大雨に祟られ、山道はまるで沢登り状態で、
昼食に至っては傘を差し立ったままで食べ、午後早々に引き上げたのだそうだ。
それに引き換え、日頃の出来のよい我が木曜グループは、1週間でたった1日
の好転に恵まれ、快適な1日を過した。

おまけに、今回のお目当てのオタカラコウも開花しており、サルナシの実を試
食する事も出来、ラッキーであった。

(東城町・国広山、9月14日撮影)

オタカラコウ
東北地方以南~九州で、山地の湿地に自生する多年草。
葉はフキに、花はツワブキに似ている植物で、草丈は1m近くにもなる。

名前の由来は、“タカラコウ”については、根茎の匂いが防虫剤や香料にする
宝香=竜脳香(樟脳)に似ている為に名付けられたもので、“オ”については、
豪壮な姿を“雄=オ”と名付けたと言う説や、良く似た植物の“雌宝香”と対
比させて“雄”と名付けたと言う説がある。

良く似たメタカラコウとの違いは、
・オタカラコウの葉は基部が丸くフキに似ており、舌状花は5~8枚なのに対し、
・メタカラコウの葉は基部の両端が尖り、舌状花は1~3枚しかついていない。


ガガイモ(ガガイモ科、ガガイモ属)

2006年09月21日 | 山野草
里山のガガイモ科のつる植物。

(有木、9/5撮影)

ガガイモ
全国で、日の当たるやや乾いた山野に自生するつる性の多年草。
変な名前がついているが、芋と言える程の根があるわけではなく、
その由来については、次の様な説が言われているもののハッキリしないらしい。
・カガミ芋が変化してガガ芋となった。
・葉の形がスッポン(=ガガ)の甲羅の形に似ている。

しかしこの植物、名前はハッキリしないが、人間には大いに役立っている。
先ず、若葉や若い果実。
これらは、昔から強精剤や滋養強壮の薬として使われており、諺に
「長い旅先でガガイモと枸杞を食べるな」と言われるくらい精がつくらしい。
旅先でHな事件を起こす事を心配する程だから相当効果があるのだろう?
天ぷらやおひたし、和え物、酢の物等まろやかな風味は絶品だそうだ。

次は、種子にくっついている毛。
秋に長さ10cmほどの長い袋状の果実をつけ、それが熟すと縦に割れ中から絹糸
状の毛が生えた種子がでて来るが、この毛を集めて印肉、スタンプ、針刺しに
使うのだそうだ。
意外な所で意外な物が使われているが、人間様の工夫には感心させられる。

キツネササゲ(マメ科、ノササゲ属)

2006年09月19日 | 山野草
里山のマメ科のつる植物。

(有木、9月2日撮影)
花のアップ

キツネササゲ
全国で、山地の林縁などに自生するつる性の多年草。
名前の由来は、ササゲに良く似ていて狐に騙される程と言う意味で名付けられ
たそうで、別名をノササゲとも言う。
花期は8~9月で、ヤブマメの花を黄色にしたような花が咲く。
果実の莢は熟すと美しい紫色になり、乾燥すると中から青い種子が出て来る。

ヤブマメ(マメ科、ヤブマメ属)

2006年09月18日 | 山野草
今年の下刈りは、雨にも祟られて予想外に長くかかってしまったが、ようやく
完了した。
途中でスズメバチの巣にも遭遇したが、早めに発見したので大事に至らず、無
事に完了出来たので幸いであった。

今年は、曇りの日を選んで仕事をしたので暑さもある程度凌げ、おまけに写真
を撮って遊んだりしたので結構楽しめた。
今日から、その時の写真を少し紹介します。

先ず、つる植物。
マメ科の植物が多く、蔓が絡んで伸びているので草刈機に絡み付いて仕事がや
り難い上に、特にフジやクズは木を覆い尽くして枯らしてしまう悪戯もする。
しかし、結構可愛い花をつける小型のつる植物もあり、その中で“ヤブマメ”
は、花の紫色が綺麗で、しかも地中に美味しい実をつけると言う。
折りを見て是非食べてみる積りだ。

(有木、9月1日撮影)

ヤブマメ
全国で、林縁や草原などに自生するツル性の一年草。
名前の由来は、藪に多く育つので“藪豆”と名付けられた。

夏から秋にかけて地中と地上に花をつけるが、
茎の一部から枝を伸ばして地中につけた閉鎖花は、交配する事なく実になり、
先ずその場所で確実に生存を確保し、
一方、地上の開放花は、交配により実をつけ、熟すとはじけて飛び別の場所に
分布を広げるなど、多様な方法で生存しているなかなかの戦略家だ。

地中の閉鎖花に実をつける所は落花生に良く似ており、このヤブマメも食べる
と美味しい。

ノアズキ、ヤブツルアズキ

2006年09月09日 | 山野草
山仕事をしていて山裾の道路脇に、野菜のアズキにそっくりな形をした花をつ
けたツル植物2種類を見つけた。
まるで、昔流行った漫画の様に「シェー!」と言っているようで、非常に変わ
った面白い形をしている花だ。
後で調べて見るとノアズキ、ヤブツルアズキと言う花である事が分かった。

(有木、8月28日撮影)
ノアズキの花(葉) アズキの花(葉)
ヤブツルアズキの花(葉)

ノアズキ(マメ科、ノアズキ属)
宮城県以西、四国、九州で林縁や草地などに自生する多年生のツル植物。
花は、8月から9月に咲き、アズキと良く似ている。
名前の由来は、野に育ち花がアズキに似ている事から“野小豆”と名付けられ
たそうで、別名の“姫クズ”は、葉の形がクズに似ていて、大きさがかなり小
さい事から名付けられた。

ヤブツルアズキ(マメ科、ササゲ属)
本州、四国、九州で林縁や草地などに自生する多年生のツル植物。
8月から10月にノアズキと良く似た花をつける。
名前の由来は、藪に育つツル性のアズキと言う意味で“藪蔓小豆”名付けられ
たそうで、このヤブツルアズキがアズキの原種であるとされている。
 
アズキ(マメ科、ササゲ属)
2000年程前に中国から渡来し、最初は魔よけに用いられ、その後めでたい
赤飯などに使われるようになったそうだ。
名前の由来は諸説あるが、貝原益軒によれば、アは赤、ツキ、ヅキは溶けると
言う意味で、色が赤くて他の豆より早く軟らかくなる事から“アズキ”と名付
けられたらしい。

(3者の違い)

名   称ツル性3小葉の形豆の形
ノアズキツル性卵状ひし形扁 平
ヤブツルアズキツル性3浅裂し先が尖る線 形
アズキ非ツル性卵状ひし形線 形


ヒレタゴボウ(アカバナ科、チョウジタデ属)

2006年09月04日 | 山野草
犬の散歩中、水田に綺麗な花が咲いているのを見つけた。
調べて見ると“ヒレタゴボウ”と言い、似た植物に“チョウジタデ”と言うの
がある事が分かった。
ヒレタゴボウ 花の正面(横顔)

ヒレタゴボウ
熱帯アメリカ原産の帰化植物で、水田に自生する1年生の雑草。
名前の由来は、
水田に生え、茎に鰭があり、根が牛蒡状である事から“ヒレタゴボウ”と名付
けられ、別名を“アメリカミズキンバイ”とも言うらしい。
葉はチョウジタデに似ているが花は大い。

チョウジタデ(アカバナ科、チョウジタデ属)
全国で水田に自生する1年生の雑草。
名前の由来は、
花の形が丁字形で葉がタデに似ている事から“チョウジタデ”と名付けられた。
根が牛蒡に似ている事から、別名を“タゴボウ”とも言う。