里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

アピオス(アメリカホドイモ)の味

2010年01月31日 | 野 菜
道の駅で“アピオス”という、ピンポン玉より少し小さ目の芋を売っていたので、試しに買っ
てみた。
明治時代に、北米から青森へ輸入されたリンゴの苗木に種がくっついて来て以来、東北地
方の農家では産後や病後の栄養補給に食べられていたそうで、本家のアメリカではインデ
ィアンが栽培していたそうだ。

ラベルを見ると、
「他の芋類に比べて、カルシウム・食物繊維・鉄分・タンパク質などが多く、ホクホクと甘くて
 独特な食感がある」
「皮付きのまま、蒸したり、煮たり、素揚げ、天ぷらで美味しくいただける」
等と書かれていたので試しに蒸かしてみたが、ジャガイモの味に似ていてその上に甘い!
いける味だった。

アメリカホドイモ(マメ科、ホドイモ属)
日本固有のホドイモ(塊芋、食用可)もあるが、本種は北米原産。
葉は5~7枚の羽状複葉で、つる性の茎は長さ2~4m。 
7月頃、葉の付け根に紅紫、淡紫色の蝶形の花が開き、甘い香りがする。
地下茎は地中を這い、所々に3~4cmに肥大した芋が、まるで数珠状につながる。
(名前の由来)
アメリカ産の“ホドイモ”という意味だが、ホドイモについては、ホド(塊)状の芋が出
来る事から“塊芋”と名づけられた。

(栽培法)
・4月上旬~5月頃、深さ4~5cm、株間50cm程度に植え付け。
・つる性なので、キュウリのネットを張ってつるを誘引する。
・霜が降ると茎葉が枯れるので芋を収穫する。 小さい芋はそのまま冬越しさせても可。

(その他の料理法)
・花を摘んで乾燥し、お茶にしても良い。
・塩茹で、バター炒め、油炒め、シチュー


久し振りの“ササユリ山”

2010年01月30日 | 
久し振りに“ササユリ山”の偵察に行って来たが、はるか北の方角にまるで牛の背中のよ
うな姿の大山(だいせん)が雪に覆われているのが見えた。

この大山、標高1709mの中国地方最高峰で、西側から見ると富士山のような秀麗な姿を
している事から“伯耆富士”と呼ばれ、日本百名山のひとつに数えられている。
今年こそ登ってみたいと思っているのだが、スッカリ鈍った身体では …だ!

帰りに“道の駅”に寄ってみたら、キクイモうどんとキクイモの粉末を売っていた。
粉末の方はお湯を加えて飲むらしい。 効果は兎も角、商魂逞しいのには感心する!



いよいよ大金持ち?

2010年01月29日 | 花 木
先日、ホームセンターで“アリドオシ”を買った。

「千両、万両、有り通し」の語呂合わせで、センリョウやマンリョウと共に正月の縁起物と
として活けられるそうだが、我が家にも今年こそドッサリ“有り通し”となる事を願っている!

(上段:アリドオシ→拡大、下段:センリョウとマンリョウ)
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アリドオシ、蟻通(アカネ科アリドオシ属)、別名:1両
中四国地方の薄暗い林下に自生する常緑の小低木。 樹高=50 cm。
葉は対生し、葉腋に1対の細長いとげがある。 
花期は4~5月で、葉腋に筒状の白い4弁花を2個つけ、果実は秋に赤く熟して冬の間じゅ
う枝についている。
(名前の由来)
葉の付け根から出ている鋭い刺が蟻をも刺し通すという意味や、アリのような小さい虫でな
なければ通り抜けられないという意味で名づけられたという説や、前年の実が翌年の花が
咲くまで残っているので“在り通し”と名づけられたという説などがある。


ツタンカーメンのエンドウ

2010年01月28日 | 野 菜
昨年、山野草講座の先輩から珍しいエンドウの種を貰って播いておいたところ、いつの間
にか15cmばかりに生長していた。

(種→発芽後)
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あの有名なツタンカーメンの墓の副葬品の中から発見されたもので、発掘したハワード・カ
ーターが持ち帰って発芽・栽培に成功し、その後、各国に渡って栽培が続けられ、我が国
には1956年にアメリカから伝わり主として小学校や教育センターを通じて広がったそうだ。

古代エジプト人が食べたと言われるこのエンドウ、豆のさやの色は紫色だが、豆の形や
色・茎葉は普通のエンドウと殆ど同じだ。
しかし、花の色はワインレッドで美しいと言うし、豆ご飯を炊くと保温中に徐々に赤飯に
変わり、味も普通の豆ご飯同様に美味しいと言う。

3300年もの時を越えて現代に甦り、美しい花を咲かせ、珍しい紫色のさやをつけ、豆ご飯
にすると赤飯に変わるとは如何にも古代エジプトのロマンを感じさせる!今から楽しみだ! 

ツタンカーメン
紀元前14世紀、エジプト第18王朝のファラオで、即位は10歳頃。即位後僅か9年で突然
死亡した。
“王家の谷”にある墓は、1922年にイギリス人のハワード・カーターにより発見され、あの
有名な“黄金のマスク”などの豪華な副葬品と共に発掘された。


リンゴのベタベタはワックス?

2010年01月27日 | その他

今まで、
リンゴを触った時にベタつくのは
ワックスを塗ってあるのだとばかり
思っていたので、食べる際にそれを
どうしたものか悩んで来た。



ところが、1/23付けの朝日新聞を見ると、
「リンゴの表面は“クチクラ”と呼ばれる蝋物質で覆われており、水分の蒸発を抑えて果実 の新鮮さを保ったり、病原菌の進入を防いだりする役割がある」
「その上、熟して来るとリノール酸やオレイン酸という脂肪の仲間が表面にしみ出して来る
 “油あがり”と呼ぶ自然現象が起き、これが光沢やベタベタの原因となっている」
「“油あがり”は食べ頃になった印だし、クチクラや脂肪酸は天然成分なので皮ごと食べて
 も心配ない」 
「国産リンゴは30年以上前からワックスを使用していない」 のだそうだ。

何だか胸のつかえが取れたようで、これからは安心してリンゴを食べられる。
それにつけても植物の仕組みは良く出来ていて素晴しい。 知るたびに感心させられる!


福山藩初代藩主の家紋

2010年01月26日 | 歴 史
久し振りに福山城へ登城した。


初代のお殿様は徳川家康の従弟の水野勝成だ。

銅像の顔は優しそうで、家紋はオモダカの葉と可愛い花だ。
ところがこのお殿様、若い時からの乱暴者で初陣の18歳にして首15級を挙げたという剛の者で、戦場での働きにはめざましいものがあったという。
どうも不釣合いな家紋だと思ったが、オモダカやトンボは“勝ち草”や“勝ち虫”と呼ばれ、武士に好まれて家紋に採用する者も多かったらしい。

“オモダカ”の名前の由来は、葉が人の顔に似ていて、しかも柄の高い所へつく事から
“面高”と名付けられたという説があるらしい。
一方の“勝ち草”については、葉の形が鏃に似ている事から名づけられたというが、私
の百姓の経験からは、その旺盛な繁殖力から“雑草の勝ち組”という意味で名づけられ
たように感じる。

(オモダカの葉)


(オモダカの花、左:雌花、右:雄花)



郷土料理 “うずみ”

2010年01月25日 | その他
福寿会館の洋館1Fは“茶処ばら”という喫茶店になっている。


メニューに、“うずみ”という郷土料理があったので珍しいので注文してみた。
何でも、福山藩初代藩主・水野勝成が質素倹約を徹底させる為に下々の食生活を視察し
た際、庶民がおかずをご飯に埋めて誤魔化したのが始まりで、埋(うず)め飯が鈍って
うずみになったのだそうだ。

うずみ、上段:食べる前、下段:隠してあった下の具)

試食してみると、小エビ・アサリ・椎茸・里芋・人参などの具にだし汁をかけその上にご飯
を盛ったもので、食材も味も極めて素朴なまるで我が家の料理のようであった!

それでも、当時ぜいたく品とされたエビや鶏肉などを公然と食べる事が出来なかった庶民
にとっては、ご飯の下から掘り出したご馳走は禁を犯して食べるだけに事のほか美味しか
ったに違いない! 

当時、もしお殿様が「余にも食わせてみろ!」という事になったとしたら、「不届き者!」
と極刑に処せられただろうか、それとも庶民の悪智恵に苦笑しながらもスッカリ味が気に入
って「城下のうずみを所望じゃ!」と催促したのであろうか?
色々想像して楽しませてくれる珍しい郷土料理だった!


37年目の大恥!

2010年01月24日 | 家族・友人
家内が「私達が結婚した“福寿会館”へ行ってみないか?」と言う。
気が進まなかったが断ると後が五月蝿いので渋々付き合ったが、これが大失敗だった。

どうやら福山市が福寿会館の宣伝をする為に招待したもので、おっちょこちょいの家内が
応募していたらしく、着くと早速待ち構えていた福山市の職員から花束を手渡されて写真
を撮られるやら、その上新聞記者からも根掘り葉掘り聞かれた挙句に翌日の新聞に写真
入りで載せられてしまった!

人前でまさか本音を語るわけにもいかず当たり障りの無い返事で誤魔化したものの、まさ
かこんな事になろうとは思わなかった。
「明日から皆に冷かされるのか?」と考えると憂鬱で、この調子だと先日の新聞記者君に
“福寿会館殺人事件”の犯人としてインタビューされそうだ!

福寿会館
元は1930年代に建てられた安部和助という人の別荘であったが、その後福山通運の創業
者渋谷昇氏の手に渡り、1953年に福山市へ寄贈された後は結婚式場として使用された。
現在、本館は貸会議室や貸茶室等に使用され、洋館1Fは“茶処ばら福寿会館店”という
喫茶店になっている。
福山城の旧二の丸下段北側に位置し、7,395㎡の敷地に本館、洋館と回遊林池式庭園を
配した造りは、海産物商にして削り節の考案者で「鰹節王」と呼ばれた安部和助の財力を偲ばせる。

(上段:東側から見た福寿会館) (下段:福山城天守閣から見た福寿会館)

(上段:正面玄関に繋がって左側に洋館がある)(下段は本館から見た庭園)



植物の能力

2010年01月23日 | 野 菜
以前、新聞でコンパニオン・プランツなるものが紹介されていたのを思い出した。 
「植物がお酌などのお愛想をしてくれるのか?」 と思って興味を持って読んでみると、
「ある種の植物を近くに植えておいて害虫から守って貰う」 という内容だった。

その時は「どのようにして守ってくれるのか?」その訳が分からなかったが、その後、朝日
新聞に次のような“会話を交わす植物”が紹介されていて、ようやくその訳が分かった。
【SOS信号を発信する植物  :キャベツ
付いた虫の種類に応じて、アルコール・アルデヒド・テルペン類などの“緑の香り”を
放出し、それらを好む昆虫を呼んで撃退して貰う。(トウモロコシ等にも類似能力あり)
【周辺の仲間に援軍を求める植物:除虫菊
傷つくとピレトリンという殺虫成分をつくるが、その近くでは無傷の仲間もピレトリンを
つくり集団で自衛する。
(シロイヌナズナ、ヤマヨモギ、ハンノキ等にも集団自衛能力あり)
【縄張りを主張する植物:セイダカアワダチソウ
根から化学物質を放出して他の植物を撃退する。

つまり、植物の中には食害で傷つくと、化学物質を放出して援軍(別の昆虫)を呼んだり、
殺虫成分を作って自衛したり、或いは化学物質を放出して他の植物を撃退するという。
まるで、キャベツの援軍を呼ぶ様が昆虫と会話をしているように見えるし、除虫菊に至って
は無傷の仲間へ助けを呼んでいるように見え、正に“会話を交わす植物”という訳だ!

キャベツと言い、除虫菊と言い、まさかそのような能力を持っているとは知らなかった!
特にキャベツについては、そのような能力が備わっている事を知らなかっただけに、正に
「お主やるな!」と感嘆してしまう!
今度キャベツを育てる時には、どんな匂いを発散させているか、或いはどんな昆虫が集まっているか、是非観察してみるとしよう。




黄砂の功罪

2010年01月22日 | 地 学
1月3日の日経に、「嫌われものの黄砂に意外なプラス面も…」と題する面白い(?)
記事が載っていた。
何でも、
「中国のタクラマカン砂漠で発生した黄砂(主成分:炭酸カルシュウム)が偏西風に
 乗って東に運ばれる途中で酸性雨に含まれる硫酸と中和して硫酸カルシュウム
 (石膏)に変わっている」
「その中和の度合いを見ると、タクラマカンに近いアクス(中国)では10%であるの
 に対し、約3500㎞東方の青島(中国)では60%、約5300㎞東方のつくば市では
 100%であり、大気環境に良い影響もある事が確認された」
のだそうだ。

何だか酸性雨が中和されて良い事に感じるが、トンデモナイ!
そもそも硫酸については、中国で硫黄含有量の多い石炭を火力発電に用いている
為に亜硫酸ガスが多量に発生し、それが空中で硫酸に変化しているのだそうで、
こんな物が空中で中和されるからと喜んでは居られない。

中国を発生源とする、亜硫酸ガスや地球温暖化の原因となる炭酸ガスなどを経済発
展を優先させて何時までも垂れ流しをする事は許されない! 
事は自国民のみならず、外国にまでも悪影響を及ぼす。 「臭い物は元から断て」だ!

(枯死した松林)