里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

ナニワズの実生

2012年01月06日 | 花 木
ジンチョウゲ属の仲間には、ナニワズチョウセンナニワズコショウノキオニシバリ等があるらしいが、今までに見た事があるのはチョウセンナニワズだけだ。
〔赤い実をつけたチョウセンナニワズ〕…H20.8. 天狗高原で撮影

ところが、ヤフオクを覗いてみるとナニワズの種を出品していたので、買って育ててみる事にした。 雌雄異株で雄花は濃黄色らしい。 今から花が咲くのが楽しみだ! 
H22.7.15、実を購入。

播種する為に果肉を洗い落とす。

実は有毒なのだそうだ。
H22.7.15、播種。

種は、一寸ジュズダマの形に似ている。
H22.11.12、発芽中。

殻が硬いせいか、未だ被ったままだ。
H23.4.14、本葉4~5枚に。

落葉樹には珍しく、夏に落葉するそうだ。
間もなく丸裸になるらしい。
H24.1.6、本葉12枚。

葉は茎の上部にまとまって付き、よく見ると互生している。
樹高も約7~12cmになった。

花が咲くのは、果たして何時の事やら?

ナニワズ、難波津(ジンチョウゲ科、ジンチョウゲ属)、別名:ナツボウズ
本州の中部以北で山地の落葉樹林内などに自生する落葉小低木。 樹高は15~50cm。
葉は茎の上部にまとまって付き互生している。 基部は細い倒卵形で裏は白っぽく全縁。
花期は4~5月で、枝先の葉腋に沈丁花に良く似た、良い香り がする花を約10個位かたまって付ける。
雌雄異株で、花弁に見えるのは筒状のガク片で先端が4個に裂けていて、雌花は緑色を帯びた淡黄色、雄花は濃黄色。
夏に赤い実ができる。 樹皮や実は有毒。
〔名前の由来〕
はっきりしないが、「同属のオニシバリに対する長野の方言」という説があるらしい。
夏に葉が落ちる事からナツボウズとも呼ばれる。


生垣の植え替え

2011年11月10日 | 花 木
家や塀の塗装をするのに併せて、生垣もアラカシからラカンマキに植え替える事にした。
アラカシは成長が早く、根が家や塀を壊してしまう恐れがあるので植え替える事にしたの
だが、新たに植えたラカンマキは背丈が低い上に成長が遅いらしい。
当分の間、道路から丸見えでプライバシーが保てそうにない!
植え替え前のアラカシラカンマキに植え替え後

ラカンマキ、羅漢槙(マキ科、マキ属)
中国原産で、九州より南の暖かい地方に自生しているイヌマキの変種。 
イヌマキより全体に小型で、樹高は8~10m。 雌雄異株。 花期は5月。
庭木に仕立てたり、刈り込みにも耐えられる事から生垣にも仕立てられる。
樹形は完成すると美しいが、成長が遅いのでかなりの年月が必要である。



今日は “柿の日”

2011年10月26日 | 花 木
1895年(明治28年)10月26日に奈良を訪れていた正岡子規が、
柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」 の句を詠んだのに因んで、全国果樹研究連合会
カキ部会が柿の消費拡大をPRする為に2005年に制定したのだそうだ。

商魂逞しいが、折角PRして貰っても田舎では余り効果がない。
我が家でも、西条柿・富有柿・百匁柿・宝秀甘早生柿などを植えていて、百匁柿などは
背丈にも満たない樹高なのにこんなにたくさん稔っている。
子供の頃には他に食べる物も無かったので、渋が抜けるのを待って片っ端から食べた
ものだが、今は他にも無花果や葡萄も稔っているのでとても食べきれない!



熊野の大トチの木

2011年09月14日 | 花 木
255 号線から254 号線を通って帰る途中に、“熊野の大トチ” という案内標識があった
ので寄ってみた。

すると、大羽川沿いに双幹の巨樹があった!
幹周り12.2m、樹高30mで、根元にある空洞には30人も入れるほどの日本でも有数の
巨木で、国の天然記念物に指定されているのだそうだ。
後ろの2本の杉の木の間には、大山祇命を祀った小さな祠があった。
イザナギ、イザナミの子で、山の神、水の神、田の神として信仰されたそうなので、この
巨木を神木と考えたのか、或いは水源を神の恵みと崇めたのであろう?


地面に実が落ちていたので二つ貰って帰り、殻から取り出してみると栗に似た種が出て
来た。 
見たところいかにも美味しそうだったので試しに齧ってみたところ、渋みは感じられなかっ
たものの、後口にほんの僅か酸っぱいような刺激が残った。
古くから各地で渋抜きして食べられてきたと言い、現在でも各地で栃餅栃の実せんべい
に加工して売り出されているらしいが、今度試食してみるとしよう。



クコの花

2011年09月10日 | 花 木
畑で クコ の花が咲き始めた。

花を見る為に友人から貰ったものだが、花がイマイチな上に、垂れ下がった茎から根が
出ては広がって行くので困るらしい。 おまけに剪定しようとして触ると棘が刺さって痛い。
どうも厄介な代物らしい?

クコ、枸杞(ナス科、クコ属)
全国の林縁や河原などに生育する落葉低木。 樹高は0.5~1.5m。
茎は垂れ下がってツル状になる事も多く、接地した部分から発根する。
葉は倒披針形で互生し、全縁無毛。 葉腋に枝が変化した棘がある。
花期は8~10月で、葉腋に1~3個の紫紅色の花をつける。 花は、漏斗状で先端は
5裂する。 径は2cm弱。
秋に楕円形の赤い実をつけるが、甘くて美味しい。
若葉は食べる事が出来るし、クコ茶としても飲まれる。 実はクコ酒にして飲まれ、
いずれも疲労回復に良いとされている。
〔名前の由来〕
中国名の “枸杞” を音読みして “クコ” と名づけられた。


イワナンテンの花

2011年06月30日 | 花 木
イワナンテンの花が咲いた。
岩場に自生し、葉がナンテンに似ている事からイワナンテンと名づけられたらしいが、
ナンテンの葉にはあまり似ていない。


花は、葉腋や枝先から花柄を伸ばした先に数個ついていて、


筒型の先端は僅かに開いていて、まるでおちょぼ口のようで可愛い!


イワナンテン、岩南天(ツツジ科、イワナンテン属)
関東地方~近畿地方の太平洋側で、山地の崖に自生する常緑低木。 
葉は互生し、卵形又は広披針形で厚く光沢がある。  縁には鋸歯があり、先は尖る。
花期は6~7月で、葉腋や枝先から花柄を伸ばし、白色で先が浅く5列した筒形の花を
数個総状につける。
〔名前の由来〕
岩場に生え、葉がナンテンに似ていることからイワナンテンと名づけられた。


“天女花”を求めて

2011年06月27日 | 花 木
〔登山ルート〕
2日目(6月25日)、出 発。

あれほど降った雨も一夜にして奇跡的に上がり、講師2名を含め総勢17名で喜び勇んで出発。 
車中で猿政山の山頂へ“天女”に逢いに行くと明かされ、大いに湧いた!
吾妻山の南を西に向かい、右折して一旦432号線に出る。
王居山トンネルを出ると直ぐに右折。
110号線(奥出雲高野線)に入って約10分走り、林道毛無俵原線との分岐で下車。
林道毛無俵原線。

林道毛無俵原線一帯は民有林で、アサヒビールの持ち山もあるそうだ。
当日も林道脇では杉の木の間伐が行われており、大きな重機が動いていた。
仕事の邪魔にならないように、緩い勾配の林道を約40分ひた歩く。
登山口到着。

登山口と言っても標識は無く、初めて行った人には絶対に分らない場所だ。
しかも、土が崩れている崖上の際を通らなくてはならないので、特に疲れて下山して来る時には注意が必要だ。
登山口から見た東方の遠景。

登山口から、今やって来た方角(東方)をふり返ると、遠くに吾妻山などが見える。
吾妻山の山頂から見た林道毛無俵原線。

吾妻山の山頂から見ると、猿政山の山腹で所々に土が露出しているのが林道毛無俵原線だ。
今回の登山は、画像の左(南)の広島県側から尾根伝いに登る比較的楽なルートだが、画像右の島根県側から登るルートは幾つもロープ場がある難コースだそうだ。
登山開始。
登山道には踏み後はあるものの、全ルートが腰までのチシマザサに覆われている尾根だ。
民間が所有する山だけに下刈りなどが行き届いていない為に、疲れてくると足に絡んで困ってしまう。
さほど急な登山道ではないが、尾根の幅は相当狭くて両側の谷が深いので、両側の樹木が無ければ結構恐ろしそうな感じだ。
このルート一番の難所。

ロープが張ってあるこのルート一番の難所だが、精々50mほどで大した事はない。
しかし、万一の転落や落石に備えて、一人ずつ登った。
島根県側からの登山ルートとの合流点。

女性が指差している右側が島根県側からの登山道で、左側には嘗て広島県側からの別の登山道があったらしいが、現在は登山禁止とされている為にササなどが繁って跡形もない。。
島根県側からの登山道。
覗いてみると、ササなどに覆われてよく見えないが相当な急峻のようだ。
同行した人の話では「3歩登って2歩ズリ落ちる」ほどで2度と上りたくないルートだそうだ。
又、ネットで検索すると、ここから島根県側に下りる積りが誤って広島県側に下りてしまったせいで、2時間もロスしたグループも居るらしい。
油断するとルートを見失うほどのブッシュだ。
山 頂。

分岐からは緩やかな登りで、約15分で標高
1267.7mの山頂に到着した。
山頂には一等三角点があり、

次のような歌詞の、地元の湯川小学校の校歌も掲げられていた。
  
  「さるまさ山やかんのせの
   清い自然に抱かれて
   友と手をとり学ぶ時
   広い心が湧いてくる
   ああ、われらは湯川小学生」
昼 食。

見通しが悪く狭い山頂で、島根県側からの先客5名に、我々17名が加わると座る場所も無い。
オマケに先客達は山頂で料理をして飲むのが恒例だそうで、その賑やかさに圧倒され、つい
「広島県側へ下りるな」と忠告するのを忘れてしまった!

食事が済むと、いよいよお目当ての“天女花”にご挨拶だ。
山頂から僅かに降りた所で、人の背丈も無い低い木に、良い香りのする白い花が僅かに
うつむき加減に咲いていた。 モクレン科にしては小さな花で、ハスの形をしている。

その気品のある姿ゆえに天女花とか森の貴婦人とも呼ばれているだけに、この花を見
る為に島根県側からロープを伝いながら何時間もかけて登って来る人も多いそうだ。
それだけ珍しくて魅力のある花だった!




オオヤマレンゲ、大山蓮華(モクレン科、モクレン属)、別名:深山蓮華、天女花
本州中部以西で、山野の落葉樹林内などに自生する落葉低木。 樹高は3~5m。
葉は互生し葉柄がある。 広倒卵形で先端は急に尖っていて、鋸歯はない。
花期は5~7月で、径が約10cmの白い花を、横向き又はうつむき加減に咲かせる。
〔名前の由来〕
奈良県の大峰山に自生し、花の形が蓮に似ている事から大山蓮華と名づけられた。


ノリウツギの実生

2011年06月08日 | 花 木
H22.3.31、播種。
H22.5.26、本葉2~4枚。

発芽率は高く葉が当りあうので、この後移植。
H23.4.14、本葉4枚。
H23,6.8、本葉8枚目。

急に大きくなり、本葉の8枚目が出てきた。
一番大きな本葉の両端までの長さは22cm。
背丈は13cmになった。

ノリウツギ、糊空木(ユキノシタ科、アジサイ属)
北海道~九州で、山地の林縁などに自生する落葉低木。 樹高は2~5m。
葉には葉柄があり対生する。  葉の形は卵形~楕円形で、鋸歯があり先は尖る。
花期は7~8月で、枝の先に小さな白色の5弁花を円錐状に沢山つけ、その周辺に5枚の
ガク片が花弁化した白色の装飾花を点々とつける。

〔名前の由来〕
樹液を紙漉きの糊に用い、幹が中空である事から“糊空木”と名づけられた。


大実サルナシの花

2011年05月26日 | 花 木
ホームセンターで買って来た大実サルナシの花が咲いた。 良い香りがする!
ネットで検索してみると、
「マタタビとの交配種?」「両性花しかつけず、花粉の受粉能力が低いのでサルナシ雄木が
 あった方が良く結実する」
と書かれたものがあった。

我が家には、幸い“道の駅”で衝動買いしたサルナシの苗木がある。

しかし、調べて見るとサルナシは雌雄
異株だそうで、買ったのが雄木かどうか
もっと生長して花を咲かせて見なければ
分らず、当分役に立ちそうにない!

まぁ、大実サルナシが自家受粉しなくても、近くには同じマタタビ属のキウイの雄木もある
ので、ひょっとしてキウイとの合の子でも出来るのではないかと密かに期待している!

キウイマタタビ



福泉坊のシダレザクラ見物

2011年04月10日 | 花 木
昨日は、新聞記事に釣られて、福泉坊のシダレザクラ見物に出かけた。
一帯は“平家谷”と呼ばれ、今も平家の末裔達が住んでいるらしい。
狭い谷の入口には赤幡神社があり、その境内には平家谷の由来が書かれていた。

暫く進み福泉坊への分岐で細い坂道を登って行くと、

福泉坊裏手の駐車場に到着。
お目当てのシダレザクラは福泉坊の裏にあり、福山市の保護樹木に指定されているよう
だが、幹周り1.7m、樹高12mのエドヒガンは樹齢が250年とは思えないほど樹勢があり、
若木と言ってもよいほど痛みのない木だった!

駐車場の脇では“梟の石絵”なるものが展示してあり、どうやら販売もしているらしい。

福泉坊の横手には、“小宰相の局(平通盛の妻)”の墓があった。
この福泉坊の由来は、
『平通盛の遺子・平秀盛から15代目に当る平秀裔が、京都本派本願寺・顕如上人の時
 に仏門に入って名を秀円と改め、天正10年(1583年)に平家歴代の菩提を弔う為に
 “月高山福泉坊”を建立した。
 現在の住職は、秀円から15代目に当る』 のだそうだ。
本来なら、我々のような備後の水呑み百姓の立ち入れるような場所ではなさそうだ!


次に、通盛神社に向かった。
先ほどの分岐まで戻って右折して“ツバキ谷”に向かうと、正面の丘の上にあった。
由来を読むと、
『平通盛(教経の兄で清盛の甥)と妻・小宰相局の木造が祀られ、平家谷の氏神である。
 旧暦8月13日の祭礼には、海戦で命を落とした平氏の魂が宿る“平家蟹”が能登原の
 海岸から山をよじ登って参拝に来たと語り継がれている。
 嘗ては、藁で編んだ笠を被り、顔を隠して踊る“すぼかずき”という素朴な踊りが奉納さ
  れていた。
  社殿の脇にある自然石が苔むす小さな墓は、通盛主従のものと伝えられている』
と言う。

何だか、全てが“負け組”を象徴しているようで、社殿にぶら下がった赤い紙垂(しで)や
墓の前に立てられた赤い御幣が物悲しく感じられた!