場所は広島市民球場の直ぐ北隣で、相生橋からプラネタリウム館のドームが見える。
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相生橋 | 相生橋から北に見える“こども文化科学館” |
この隕石は、H15年2月に市内の物流センターの屋根と天井を突き破って落ちて
来たもので、大きさは5.8×10.5×4.6cm、重さは414gあり、表面は大気との摩
擦で燃えた為に黒く変色しているが中はセメントのような灰色をしている。
分析した結果、
この隕石は今から約45億年前の太陽系が誕生した時と同じ頃に出来、およそ9000
万年間宇宙を漂った後に広島に落下したもので、日本で発見された隕石の中では最
も古い時代の物である事が分かったそうだ。
太陽系の中で誕生した地球の兄弟分だけに、主な成分は地球と同じく、酸素・珪素・
マグネシウム・硫黄・鉄などだそうだが、宇宙の彼方からやって来たというのに何
だか代り映えがしなくて、いささか拍子抜けした!
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![]() | (昭和39年6月27日指定) 国指定天然記念物 “久井の岩海” ぜにがめごうろ:長さ550m×幅65m なかごうろ :長さ350m×幅35m おおごうろ :長さ350m×幅90m こごうろ :長さ130m×幅30m このほかにも水音峡と言い、下を流れ る水が水琴窟のような音を立てる岩海 もある |
岩海は、大きな岩盤が激しい気温の変化などで割れ目に沿って剥れて離れ、更に風
化して丸みを帯びた岩石として残っているもので、学術上大変貴重なのだそうだ。
しかし、それにしても3条の谷の間は幾らも離れてはいなくて、しかもごく低い丘
で隔てられているだけだ。
何とも摩訶不思議な事が起きるもので、まるで超巨大な“枯れ山水”を見るようだ!
(ぜにがめごうろ)
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(なかごうろ~おおごうろ)
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中国横断自動車道“尾道・松江線”
この路線は、費用対便益が1未満である為に有料道路として“西日本高速道路”が
建設出来ないので、“新直轄方式”として国と地方自治体が事業費を分担して建設
し、完成後は無料で開放される事になっている。
因みに事業費の負担割合は、一般的には国:地方=75:25となっているが、
地方負担分は地方交付税の形で国から戻される為に、実質的にはゼロに近いとか?
て地表に押し上げられたもので、その後今から約960~1000万年前にこの花崗岩層を
貫いて噴火が起こり、噴出した熔岩(玄武岩)の名残りが、現在多くの玄武岩小丘
として残されているのだそうだ。
世羅台地(画像中央の下)には約20個もの火山が残っているそうで、今回はその
一つである男鹿山(おじかやま)を訪ねた。
(世羅台地・吉備高原・比婆山地にある、玄武岩で出来た山)
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男鹿山は南側から見ると、その東隣の女鹿山と同様に、玄武岩小丘特有のドーム状
の姿をしている。
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男鹿山(標高=633.8m) | 女鹿山(標高=624m) |
約150m昇った所で、噴火の露頭が見られる場所に到着した。
先ず目に入ったのは壁岩。
基盤の花崗岩を貫いて噴火し最初に堆積した角礫岩の層で、厚みが約50mあり、
その中には花崗岩の礫がたくさん入っているという。
次はその上にある昇竜岩。
厚みが約80mの玄武岩の層で柱状節理も多く、一部に下層の角礫岩層に貫入して
いる所があり、そこが玄武岩マグマの流出路の一つだと考えられているという。
草木や落ち葉でその姿は良く分からなかったが、この世羅台地のあちこちでこのよ
うに熔岩が噴出していたと想像すると、空恐ろしい思いがした!
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壁岩(角礫岩層) | 昇竜岩(玄武岩層) |
頂上に着くとそこは広場で、天辺の欠けた三角点の石柱だけが立っていた。
一つだけ、山頂から北斜面にかけて珍しい物があった。 スズランの群生地だ!
何でもスズラン(別名:君影草)の群生は、近畿以南では珍しいので、昭和26年
にスズランの南限地として広島県の天然記念物に指定されているそうだ。
金網で囲われているのはいかにも無粋だが、6月初旬~中旬には咲くそうなので、
その頃もう一度逢いに来るとしよう!
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山頂の広場 | スズラン自生地 |
噴出し、20個近い火山が出来たそうだ。
その中の、府中市上下町矢野の“火道角礫岩”は、800万年前に噴出した時の火道
(マグマの通り道)の空間に火山灰や火山砕屑物などが堆積して出来、それが長い
年月侵食されて地表に露出した非常に珍しいもので、府中市の天然記念物に指定さ
れているという。
言うなれば、火山の芯を見る事が出来るというわけだから興味深々で、どんなもの
か見に行って来た。
それは、道路脇の小高い丘が少し崩れているだけの様に見え、掲示してある説明を
見落とすと、全く気がつかないような代物であった。
説明によると、
「舞鶴層群(砂岩泥岩互層)を貫いてマグマ(玄武岩)が噴出した時の火道が露出
したもので、その大きさは、東西約20m、南北約40m、高さ約25m」
との事であった。
ひょっとすると、
「径が約20×40mのマグマがゴーッ!と噴出したのかも知れない」と想像する
と相当な迫力を感じた!
(正面=東側斜面)見える部分は殆ど火道角礫岩
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南側の斜面には、火道角礫岩の左端と右下に砂岩泥岩互層が見られるが、その傾き
から見て、砂岩泥岩互層を玄武岩のマグマ(火道角礫岩)が貫いて噴出したと考え
られて居るそうだ。
(正面に向かって左側=南側斜面)
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火道は主に玄武岩の火道角礫岩からなり、一部には礫が取り込まれているが、その
多くは丸みを帯びた玄武岩の礫で、砂岩泥岩互層や花崗岩の角ばった礫も取り込ま
れて居る。
(例:南側斜面の右下)
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が、さてこれが無いと大変困ってしまう。
道に迷ってしまおうものなら、どちらへ向かって走っているのか道路地図を見ても
さっぱり分からない!
これが夜なら北極星を見つけるという手もあるが、昼だと太陽の位置では凡その方
向しか見当が立たず、通りすがりの人に「スミマセーン!」と尋ねるしかない。
そこで、私は愛車(軽トラ)で山に出かける時は、必ず方位磁針も持って行く事に
している。 そうすると道に迷った時に役立つだけでなく、見つけた植物が東西南
北の内のどの方向を好んでいるかも分かるので一石二鳥だからだ。
ところがこの方位磁針、つくりは簡単だがあれでいて結構ややこしい。
・磁針が指し示す北の方向は、日本では真北より少し西へ偏り、しかも北へ行く
ほどその偏り(偏角)が大きくなると言うし、
・水平に支えられている磁針も、実は何も細工をしてないと、赤道付近では水平
が保たれるが、北に行くほどN極側が下がって行き、遂には完全に逆立ちをし
てしまうと言う。 この水平状態からの下がり具合(伏角)に応じて水平を保
たせる為に、S極側へ使用する場所に応じた錘をつけてあるのだそうだ。
とまあ、この辺りまでは何とか理解できるが、
・地磁気の磁力の強さは、この100年間で約5%減少していて、この割合で減
少すると2000年後には地磁気が消滅するかもしれないと言うし、
・伊能忠敬が日本地図を作った約200年前には、
江戸周辺の偏角はほぼ0°で、
それ以前は東に偏っていたと言う。
つまり、磁針の示す北(磁北)が時代と共に
移動しているという事で、
中には地球のN極とS極が過去100万年間に
4回も逆転したという学説もあるそうだ。
もうここまで来ると、方位磁針もどちらを向いたらよいのか困ってしまいお手上げ
だろう!
真 北
地球の自転軸の北端(北緯90度地点)を指す。
北極星は、地球の自転軸を北極側に延長した線上(天の北極)に位置しているので、
真北の目印にされる。
又、地図については北半球では上を北にして作られているが、オーストラリアでは
南が上になった地図を観光客用に作っていると言う。
地磁気の要素とデータ(国土地理院のHPから引用)
F:全磁力と言い、地磁気の大きさを表す。
全磁力のデータ
D:偏角と言い、Fが水平面内で真北となす角度を
表す。
偏角のデータ
I :伏角と言い、Fが水平面となす角度を表す。
伏角のデータ
しては、千代田区永田町1-1(国会前庭、標高:24.414m)を基準水準点とする
事が定められているそうだ。
日本水準原点(国土地理院HPから引用)
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面白そうだがまさか東京まで行くわけには行かないので、ネットで調べて見ると、
福山にも潮位を測定する“験潮場”や、水準点が載っていたので、早速行って見て
来た。
先ず、験潮場。
引野町沖浦の岸壁にあり、径が1尋位の円柱状の井戸の上に、四角の建屋が乗っか
っている小じんまりとしたものだった。
験潮の仕組みは、井戸の底の方が海中と導水管で繋がっていて、波の影響を受けず
に井戸の中で潮位を測れるようになっているらしい。
測定値は、東京湾平均海面からの高さで表され、無線で送られ常に監視されていて、
基準値を超えると注意報や警報が発令される仕組みになっているらしい。
こんなちゃちな設備だが、これで日夜安全を監視していてくれているとは心強い!
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験潮場西の天當神社 | 験潮場東のJFEの工場 |
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験潮場(正面) | 験潮場(側面) |
次は、水準点。
験潮場の直ぐ前にも水準点の金属標があり、国道2号線沿いには手城町に1等水準
点の金属標があったが、そこから2km東の引野町の水準点は見つからなかった。
こんな、径が10cmにも満たないものが標高の基準とされ役立っているのを知っ
て、その傷だらけの姿を改めて見直した。 ご苦労さん!
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験潮場の水準点 | 手城町の1等水準点(→拡大) |
水準点
通常は、国道や主要街道沿いに約2km間隔で、柱石や金属標が埋設されている。
その数は、1等水準点、2等水準点を合わせると約2万点に及ぶ。
1等水準点の中でも特に重要な水準点は“基準水準点”と呼ばれ、全国に86箇所
あるが、これらについては1等水準点網から少し離れた山中に設置されている。
「国土地理院で三角点や水準点を設置する部署に所属する測量官には、一人一人に
“冠字=カンジ”が与えられている(例:影、銘)」
「三角点の戸籍に当たる“点の記”には設置した測量官の冠字が記されており、そ
の三角点が地上にある限り、設置の責任はその測量官についてまわる…」
この記事を見て予てから気になっていた物を思い出した。
東城から314号線を北上した道路脇に立っている“八幡地区案内図”に描かれて
いる“一等磁気点”だ。
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国土地理院の25000分の1の地図を見ても載っていないので、中国地方測量部に問
い合わせたところ、冠字はついていないが磁気点にも“点の記”なるものがあり、
「fax でを送ってあげる」と言う。
お言葉に甘えて依頼したら、早速簡単な略図とメモを記した“一等磁気点の記”を
送って下さった。 感謝!
そこで、昨日“一等磁気点”を探しに行って来た。
先ず八幡地区案内図の手前を左折し、矢印の方向へ走ると、北に飯山が見えて来た。
南側から見ると、
ご飯を盛ったように見える事から“飯山”と呼ばれるが、
形が富士山に似ている事から“八幡富士”とも呼ばれる。
八幡神社の標識が立っている所で右折すると、直ぐ北に鳥居が見えて来た。
すると、あった!
鳥居の正面、道路の反対側に“一等磁気点”の標識が立っている。
周囲には桜が数本植えてあるだけで、気をつけて居なければ見逃すほどだ。
“磁気点”と言うのは、磁気の性質から高圧線や鉄道がそばに無くて、しかも車で行けるような場所に設置してあるのだそうだ。
いよいよご対面だ!
それは、一辺が15cmくらいの御影石の石柱で、上に○印とその中に点が彫られているだけだったが、何しろ広島県には一等磁気点が2箇所しかないらしく初めて見ただけに感激した!
“磁気点”と言うのは、その場所の磁気の強さと方向を示して居るのだそうだが、
円の中心へ磁石を置いて見ると磁石の示す北の方向が少しずれている?
国土地理院のHPの説明によれば、
「方位磁針のN極は概ね北を指すが、厳密には北を指さない。
つまり、地図上の北(真北)と方位磁針の北(磁北)は微妙にずれている。
この真北と磁北の角度を偏角と言う。偏角は時間と場所によって異なる。」
と言う事らしい。
なかなか難しいが良い勉強をさせて貰った!