啓蟄を過ぎ、少しずつ春の息吹を感じ始めたある日に
知人から3つのうたをいただきました。
そのうちの2つは知人のオリジナル。
私のこころのなかに抱いていたいと思います。
最後のひとつは岡本かの子のうたでした。
年々にわが悲しみは深くして いよよ華やぐいのちなりけり
岡本かの子 作『老妓抄』の最後に記された一首です。
男だから女だからと、言い訳のために男女を分けた話は好きではないのですが、
女だからこそ知る“悲しみ”と、
女だからこそ享受できる“華やぐいのち”はあるのではないかと
『老妓抄』を読むと感じて心が動きます。
ただその域に達することはなかなかむずかしいでしょうねぇ。
死は生を意識させ、老いは若さを意識させる。
もがく人生の苦悩と喜びの振れ幅が大きいほど
より熱くからだは火照りいのち華やぐ、のであれば
なんて女は逞しいことか!
自分がその域に及ぶかどうかなんてとてつもないことを考えるよりも
楽観主義者の私は、この一首が自分を後押ししてくれると思えて仕方がありません。
うたを送ってくれた知人に感謝します。