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どうしても「竹虎図屏風」が気になって出かけてきました。
『長谷川等伯と狩野派』(出光美術館)
二匹の虎の姿をみて思わずニンマリしてしまいましたが、
驚いたのは、左隻に狩野探幽の筆で
等伯ではない別人が描いたと鑑定されていたこと。
もちろん、これは等伯の作だと認められているのですが、
祖父の狩野永徳と等伯が対立していたこと知ってか知らずか
わざと探幽が書いたのかもしれない、との説明がありましたーーー。
いやはや、連綿と執念深く両派は敵対していたようで・・・。
有名な「松林図屏風」(今回は展示されておらず)のように
等伯は絶妙の余白を見せつけてくれますが、
今回の作品群でもすばらしかったです。
素人評でおこられそうですが(^^;
等伯の絵は、如何様にも解釈ができて想像をかき立てられる事が多く、
狩野派の絵は、技法を知り尽くし、意図が伝わるよう丁寧に描いている。
そんな印象を持ちました。
そんな等伯も狩野派の面々も勉強し真似たという
南宋の末期から元の初期に活躍した
牧谿(もっけい)という人物の墨画『平沙落雁図』にはブッ飛びました。
言葉ではうまく説明できないのですが、
何ともいえぬ薄墨で描かれた風景で、
墨の色なのか余白なのか紙の皺なのか判別できないほどの
やわらかい光とシルエットが圧巻なのです。
これは立ち止まりますよ!
『空海と密教美術展』に行けなかった無念を
少し晴らせましたとさ。