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ウクライナ侵攻後の世界の激変にどう対処するか(2)“地政学”としてのウクライナ侵攻

2022-04-03 12:52:17 | 安全・外交
(2)“地政学”としてのウクライナ侵攻 “シーパワーVSランドパワー”の対立

世界のパワー・ポリティクスを理解するためには、様々な意見があるが、“地政学”を用いて理解するとある程度見えてくるものがある。“地政学”とは、国土の地理的な位置や形が国家の政治、経済、軍事、社会的な動向に与える影響をマクロに分析する学問の総称を言う。

その中でも英国や米国は、特にシーパワーを重視する政策を採ってきた。米英は、【海上を制するものが世界の覇権を握る】という理念で海洋国家の覇権を掌握し続けている。(太平洋の基地の確保。パナマ運河の建設など)【海上】を制して、内陸(ランドパワー)をその中に閉じ込める、と言うのが、基本戦略。

それに対してロシア・中国は、ユーラシア大陸の大半を占め、ランドパワーの代表である。【内陸】を制し、制した内陸から、「海上」に打って出る、と言うのが基本戦略。ロシアなら、クリミアから黒海へ、黒海から地中海、地中海から大西洋と言う風に勢力を拡大するのが、基本戦略。最近は、北極海から大西洋などへの拡大も視野に入れている。かっては、ロシアと中国は犬猿の仲に近かったが、現在両国は連携して、対米英のシーパワーに対抗している。

この“シーパワー”と“ランドパワー”の緩衝地帯が、ウクライナ。このウクライナがシーパワーの米国・NATO側に入ると言う事は、両勢力の均衡を崩すことになる。特に国境を接するロシアは、その直接的脅威を受けることになるため、ウクライナがNATOに加盟することなど決して認められない。

ロシアによる“ウクライナ侵攻”は、国際間のパワーバランスの裂け目で起きている、という基本認識がなければ、本当の原因など理解できない。

だからこそ、今回のウクライナ侵攻における米国の異常な力の入れ方が理解できる。米国にとっては、地政学的な“ランドパワー”封じ込めの絶好のチャンス。“地政学”的視点から見れば、ロシアの“ウクライナ侵攻”は、英米の“シーパワー”の浸透を最後の緩衝地帯である“ウクライナ”で食い止めるための必要不可欠な“侵攻”だ、と言う事になる。

だから、戦争をしている当事国はウクライナだが、ロシアの本当の敵は米国。米国の方もウクライナの支援に名を借りているが、自分は戦争の当事国だという認識がある。だから、バイデン大統領の異常なまでの“のぼせ上がり方”も理解できるのである。

どのように言葉を飾ってみても、今回のウクライナ侵攻は、“米国・NATO”対ロシアの戦争なのである。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水

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