アモがこの家のおじさんに拾われたのは、2月に入ったばかりの、霙まじりの夜でした。
お医者様にも、「もしかしたら・・・この子は・・・」と半分あきらめられていたアモでしたが、
一生懸命に猫ミルクを飲み、あったかい湯たんぽに体を預けて寝ているうちに、少しずつ元気を取り戻し、
春の暖かなお日さまがお庭を包む頃には
アモは、目と鼻が具合悪いことをのぞいては、
驚くほど元気になっていました
おじさん、おばさんの必死の看病は、アモの一つしかない命を
しっかりと掴んで離さなかったのです
お家の中には、相変らず、おじいさんわんこやおばあさんにゃんこ達が、闘病中でしたが、
そんな中で、アモが元気を取り戻したことは、おじさんたちにとっても、本当に嬉しいことでした。
ある時、アモは、それは大きいロッキーおじいさんと、ちょっとだけしか大きくないらっちゃんおばあさんと一緒に
お散歩に連れて行ってもらえることになりました。
おじさんおばさんのお家には、歴代のわんこたちのリードや首輪がいくつもありましたから、
その中から、一番細いリードを選んで、お散歩用に付けたアモの首輪につなぎました
おじさんたちは、3匹のお散歩に出かけたのです。
初めて、お庭の外に出たアモは、嬉しくてたまらない様子
それは元気に飛び回り、大騒ぎです
もう、ゆっくりゆっくりしか歩けないロッキーおじいさんは、
「おやぁ、この子は元気がいいなぁ」とでも言うように
ちょこまかと動き回るアモを見ます
らっちゃんおばあさんは、どうもあまり気に入らない様子で、
「なによ、このちびは」と、横目で見ている感じです。
でも、アモはそんなこと一切お構いなし
嬉しくて嬉しくて、ロッキーおじいさんたちの背中に乗ってみたり
原っぱで草をかじったり、それはそれは大はしゃぎで、
その日から、3匹のお散歩は恒例となりました。
ご近所や、すれ違う人たちからは
「あら、猫も一緒・・・」なんてよく言われる様になり、
アモは、ますます調子に乗ってお散歩を楽しむようになりました
お散歩から帰ると、ご飯をたくさん食べて、体力もついていき
ミゼラブルの極みだったアモは、どうにかこうにか、それなりにすくすくと育っていったのです。
・・・・・つづく・・・・