はい!滝沢ロコです!

俳優、声優、滝沢ロコのオフィシャル・サイト&プライベート・ブログです。無断転載はご遠慮下さいね。

アモ子物語・・・その3

2008年02月01日 | 今日のわんにゃん

アモがこの家のおじさんに拾われたのは、2月に入ったばかりの、霙まじりの夜でした。

お医者様にも、「もしかしたら・・・この子は・・・」と半分あきらめられていたアモでしたが、

一生懸命に猫ミルクを飲み、あったかい湯たんぽに体を預けて寝ているうちに、少しずつ元気を取り戻し、

春の暖かなお日さまがお庭を包む頃には

アモは、目と鼻が具合悪いことをのぞいては、

驚くほど元気になっていました

おじさん、おばさんの必死の看病は、アモの一つしかない命を

しっかりと掴んで離さなかったのです


お家の中には、相変らず、おじいさんわんこやおばあさんにゃんこ達が、闘病中でしたが、

そんな中で、アモが元気を取り戻したことは、おじさんたちにとっても、本当に嬉しいことでした。



ある時、アモは、それは大きいロッキーおじいさんと、ちょっとだけしか大きくないらっちゃんおばあさんと一緒に

お散歩に連れて行ってもらえることになりました。

おじさんおばさんのお家には、歴代のわんこたちのリードや首輪がいくつもありましたから、

その中から、一番細いリードを選んで、お散歩用に付けたアモの首輪につなぎました

おじさんたちは、3匹のお散歩に出かけたのです。

初めて、お庭の外に出たアモは、嬉しくてたまらない様子

それは元気に飛び回り、大騒ぎです

もう、ゆっくりゆっくりしか歩けないロッキーおじいさんは、

「おやぁ、この子は元気がいいなぁ」とでも言うように

ちょこまかと動き回るアモを見ます

らっちゃんおばあさんは、どうもあまり気に入らない様子で、

「なによ、このちびは」と、横目で見ている感じです。


でも、アモはそんなこと一切お構いなし

嬉しくて嬉しくて、ロッキーおじいさんたちの背中に乗ってみたり

原っぱで草をかじったり、それはそれは大はしゃぎで、

その日から、3匹のお散歩は恒例となりました。

ご近所や、すれ違う人たちからは

「あら、猫も一緒・・・」なんてよく言われる様になり、

アモは、ますます調子に乗ってお散歩を楽しむようになりました

お散歩から帰ると、ご飯をたくさん食べて、体力もついていき



ミゼラブルの極みだったアモは、どうにかこうにか、それなりにすくすくと育っていったのです。


・・・・・つづく・・・・

アモ子物語・・・その2

2008年02月01日 | 今日のわんにゃん
みにゃさぁ~ん

アモ子物語の続きです・・・


アモは、玄関の横にある、赤い屋根の犬小屋に寝かされていました。

本当は、おじさんもおばさんも、お家の中に入れてあげたかったのですが、

どうしても、そうできない事情がありました

この頃、お家には、歳をとって病気で苦しんでいるわんこやにゃんこが4匹いて

毎日、皆、それぞれにがんばっていました。

わんことにゃんこの間では、病気は移らないらしいのですが、

同じにゃんこ同士だと、すぐに感染してしまいます

もし、アモの悪いウイルスが、年寄りにゃんこに移りでもしたら、

すぐにも命取りになってしまうかもしれません。

何しろ、ミーヤおばあさんは下顎の癌で、顎を半分切除する手術を受け、

胃に直接カテーテルを入れて、そのチューブから流動食を入れているような状態でしたし

ディーナおばあさんは腎臓が悪く、毎週2回ずつ、点滴を受けないと、

食べることが出来なくなり、たちまちやせ細って死に至る状態だったのですから・・・


おじさんが、アモを初めて見たとき悩んだのは

もし、アモが助からなかったら、こんな中でただでさえ悲しみが来ることがわかっている時に、

なお、アモのことを助けてあげられなかった自分をどう思うか、

辛くて想像ができなかったからです。

だって、あの時のアモはどう見ても、助かりそうにはみえなかったのです。

だからこそ、お家に連れてきてからのおじさんの頑張りは

お医者様もびっくりするくらい

おばさんも、初めは、助かりそうも無いアモに、

あまり思いを向けないようにと、わざと気を向けずにいたくらいです。

いつもなら、どこかで泣いている子がいたら、すぐさま駆けつけて助け

一番に家に連れ帰り、寝ずの看病をしてきたのに・・・・

おじさんは、そんなおばさんの気持ちも、十分にわかっていました。

おばさんが年寄りにゃんこやわんこを一生懸命診ている間

おじさんは、それに合わせて、アモのことまで必死で看病していました。

数日たって、アモが自分で食べる力を見せ始めたときからは

おばさんも、アモ救命プロジェクトに加わり、二人で大奮闘。

玄関横の、アモのお家は、いつでもハーブの香り漂う救命室でした。

それでも、おじさんもおばさんも、本当は、お家の中に入れてあげられないことを

とっても、かわいそうに思っていたのです・・・

・・・・つづく・・・