窓際日記・福島原発

窓際という仕事の雑感

新型インフルエンザ・A(H1)Aソ連型は消えたのか?

2010-05-12 00:14:10 | Weblog
今年の季節性ワクチンは、新型のAH1pdm、従来の季節性AH3型、B型に対応した
3種混合ワクチンになりそうです。

A(H1)Aソ連型は「消えた」のでしょうか?

日本で最後にA(H1)が検出されたのが、2009年の第33週で、3件の検出でした。
(8月10日から16日の週)

この週の総検査数が1128件ですので、占める割合は0.266%程です。

この週の患者数が11万人でしたので、だいたい292名がAH(1)に
感染していたものと思われます。


さて、それ以降2010年の第18週がすぎた本日までA(H1)は検出されておりません。

この間の総検査数は24125件、発生患者数は2050万人で36週間が過ぎました。


以上のことから、存在確率を計算してみます。

AH(1)の最大存在確率は0.00414%で、849名ほどの患者数が推定されます。

平均推定ですとその半分の0.00207%、424名ほどの患者数になりましょうか。

最小存在確率はもちろん0%の0名です。

この中のどこかが「正解」なのですが、残念ながら「知る手段」がありません。


それでもかりにAH(1)の患者数と新型のAH(1)pdmの患者数との比が一定として、
計算すると、直近第18週のAH(1)の患者数は最大で0.4人程になります。

これは「消えたと考えてよい」という結果です。

あるいは、36週の期間を通じて「一様である」と仮定すると、第18週が23名程に
なります。

この場合は、「少ないながらも存在している」ということになりましょうか。


以上のような結果ですので、ウイルスサーベイランスの結果のみでは、「日本から
AH(1)が消えた。」となかなか言い切るわけにはいきません。

少数のAH(1)患者が存在していても、サーベイランスの検出力が弱いために
すきまに潜り込んで検出されない可能性があります。

本当に消えたかどうかは「数年単位の観察」を経ないとわからないようです。


そうはいいながら、「それでは数十名の患者から大流行に至るか?」と聞かれれば
その可能性も小さいように思われます。

まあ、そういう訳で今回の3種混合はそれなりに「妥当」ということになりましょうか。

よかったですね、厚生省さん。

あまり文句を言われずに済みましたよ。


コメント
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