タケノコが困っている
「何でおれだけ,ここなの?仲間がいないわ」
「・・・・・」
「あ。発見、何で君、そこにいるの?」
「君が行きすぎたんだよ」
「そっちに戻るわ」
「無理」
「えーそっちがいいわ・・」
このところの悠久山は新緑がしたたっています。
緑が濃くなっています。
このタケノコは、蒼柴神社の相撲場への斜面、草の中で発見。
1本だけおかしいですよね。
仲間は、みんな竹林でにょきにょきしているのに。
・・・・・・・・・・・・・・・
18日にはこの独りぽっちのタケノコさんはいなくなっていました。
抜かれたのか。
食べてもらうことになったのか。
気になりますが、不明です。
:::::::::::
竹の詩といえば、これ↓です
***************************
竹
萩原朔太郎
光る地面に竹が生え
青竹が生え
地下には竹の根が生え
根がしだいにほそらみ
根の先より繊毛が生え
かすかにけぶる繊毛が生え
かすかにふるえ。
かたき地面に竹が生え
地上にするどく竹が生え
まっしぐらに竹が生え
凍れる節節りんりんと
青空のもとに竹が生え
竹 竹 竹が生え。
第一連、詩のまなざしは空。竹の透ける葉っぱの間からこぼれる木漏れ日と共に天から光の言葉が始まる。その光の目はだんだんと下降し、地面に潜り、絡まり合い、せめぎ合って伸びようとする根と繊毛にまでたどり着く。
第2連、地のまなざしから言葉は始まる。地面を突き破って(山道の真ん中にタケノコが出ているなんて事はありがち),まっすぐにまっすぐに伸びていく。そして地から立ち上った目は,鋭い竹(筍)の穂先と共に天へと届く。やがて竹、竹、竹・・群れになっていく。
しかし、見えない地下ではやはり繊毛はからみ、ふるえている・・・
繊毛は、作者の朔太郎でしょう。
人相は芥川龍之介に似ていて、病的に神経が細そう。
しかし、彼は芥川のように自死しなかった。
繊毛のようにこの世に踏ん張ったんだと思う。
この詩の,とんがってりんとした気配。
孤独感。
「凍れる節節りんりんと」に,三角錐のように鋭く独りある存在のプライドを感じる。
以上、私流の読み方・感じ方です。
高校時代に現代国語の教科書で出会って、竹(筍)の季節になると、ふっとこの詩が頭をよぎります。
「何でおれだけ,ここなの?仲間がいないわ」
「・・・・・」
「あ。発見、何で君、そこにいるの?」
「君が行きすぎたんだよ」
「そっちに戻るわ」
「無理」
「えーそっちがいいわ・・」
このところの悠久山は新緑がしたたっています。
緑が濃くなっています。
このタケノコは、蒼柴神社の相撲場への斜面、草の中で発見。
1本だけおかしいですよね。
仲間は、みんな竹林でにょきにょきしているのに。
・・・・・・・・・・・・・・・
18日にはこの独りぽっちのタケノコさんはいなくなっていました。
抜かれたのか。
食べてもらうことになったのか。
気になりますが、不明です。
:::::::::::
竹の詩といえば、これ↓です
***************************
竹
萩原朔太郎
光る地面に竹が生え
青竹が生え
地下には竹の根が生え
根がしだいにほそらみ
根の先より繊毛が生え
かすかにけぶる繊毛が生え
かすかにふるえ。
かたき地面に竹が生え
地上にするどく竹が生え
まっしぐらに竹が生え
凍れる節節りんりんと
青空のもとに竹が生え
竹 竹 竹が生え。
第一連、詩のまなざしは空。竹の透ける葉っぱの間からこぼれる木漏れ日と共に天から光の言葉が始まる。その光の目はだんだんと下降し、地面に潜り、絡まり合い、せめぎ合って伸びようとする根と繊毛にまでたどり着く。
第2連、地のまなざしから言葉は始まる。地面を突き破って(山道の真ん中にタケノコが出ているなんて事はありがち),まっすぐにまっすぐに伸びていく。そして地から立ち上った目は,鋭い竹(筍)の穂先と共に天へと届く。やがて竹、竹、竹・・群れになっていく。
しかし、見えない地下ではやはり繊毛はからみ、ふるえている・・・
繊毛は、作者の朔太郎でしょう。
人相は芥川龍之介に似ていて、病的に神経が細そう。
しかし、彼は芥川のように自死しなかった。
繊毛のようにこの世に踏ん張ったんだと思う。
この詩の,とんがってりんとした気配。
孤独感。
「凍れる節節りんりんと」に,三角錐のように鋭く独りある存在のプライドを感じる。
以上、私流の読み方・感じ方です。
高校時代に現代国語の教科書で出会って、竹(筍)の季節になると、ふっとこの詩が頭をよぎります。