チヨは、カツオブシが大好きでした。
それも、人間用。
猫用をあげると、これじゃないという目をして見上げましたっけ。
おいしくないのでしょう、やっぱり。
かなり以前に、友人から鹿児島のカツオブシをたくさん戴いたことがありました。
それがお気に入り。
料理に使おうと入っている引き出しを開けると、どこにいてもとんで来て、「チョーダイ、チョウ―ダイニャ」という感じで、キラキラした目で見上げていました。
「ちーちゃん、これさ、塩分多いし、猫にはよくないんだよ、腎臓病になっちゃうの。ほんの、ほんのちょっとだけね」
と、ひとつまみ、ちびっとあげていました。
49日、どんなことをしてあの子の御霊を送り出そうか‥と考えをめぐらした時。
そうだ、あのカツオブシをてんこ盛りにして、送ろうと思いました。
もう、塩分なんて言わなくていいんだし。
さっそく友人に連絡してきいたら指宿の山川港水揚げのカツオ(ブシ)と判明。
お取り寄せしました。
それで上の写真のお皿のカツオブシてんこ盛りは、はるばる鹿児島から来たものです。
お線香は、チョーが付くほど特別な「正覚」(京都・松栄堂)です。
チョーが付くほど特別な時にしか使わないものです。
このお線香、反魂香みたいなものなんです。
お線香が終わるまで経をよんで、ありがとう、チヨ。でも、もう猫の霊界に還っていいよ、それで、さっさと毛皮替えて、戻っておいで、待っているよ、ミヤコと。
と話しかけていました。
まだいる気はしています。
でも、チヨは賢い子ですから、自分で決めて旅立っていくでしょう。
100日までは今の場所で、淡々と毎朝祈ります。
カツオブシは、ごはんと混ぜてカツブシ団子を作って、冬の間頑張って生き延びた田んぼのカラスたちに布施する予定です。
ああ・・それにしても時が過ぎるのは速い。