(写真)抗議運動が起こった時に負傷した仏教徒達
物議を醸している銅鉱山での抗議運動にビルマの警察が白燐手榴弾を発砲して軍事問題になっていると最近報じられました。
当局が、11月に、数か月に及ぶデモを暴力的に終了させようとした時、多くの人が負傷しました。その多くは僧侶でした。
ビルマの弁護士と米国を中心とする法的機関が報告書を作成しました。
目撃者の証言や写真や使用された手榴弾の火薬筒の専門家の分析などを基にしたものです。
モンユアの鉱山は、中国の会社とビルマ軍が合同所有しています。地方の住民が、土地の明け渡しを強要されたことは不公平だと主張して数か月の座り込みストをしていました。
ビルマ政府は、報告書に関してすぐにはコメントしませんでした。
抗議者の暴力的排除の件で即座に創設した政府委員会はまだ結果を発表していません。
11月29日の早朝に、ビルマの警察は、抗議実施中のキャンプや空に向かって繰り返し白燐手榴弾を発砲したと41ページの報告書に書かれています。
その中で、空に明るい炎のようなものを見た、発射された物質は粘っこくて炎のようなもので、キャンプに燃え移り衣類や皮膚を燃やしたと目撃者が語っています。
白燐は、イラクのファルージャのような戦場でしばしば使われています。非常に物議を醸しているものです。
「法に則り平和的に抗議をしている人々に向かって軍が兵器を使うことは前代未聞だ。」と報告書の編集長。
報告書の作成者が現場で使われた手榴弾の火薬筒の一つを入手し、独立した研究所で調べ、その残余が白燐の一部であることが分ったと伝えています。
報告書は、当時発表された写真や目撃者の説明によって作成されています。怪我人の多くは僧侶で体に火傷を負っています。
抗議を始めた発端になった銅鉱山に対する村人の不満も調査しました。
地方政府の役人が、土地を明け渡す契約書に署名させるために村人に嘘をついたり脅したりしたとしています。
改革志向のビルマ政府が、どのようにして数十年前の軍事独裁政権時代に戻ったような問題を解決するかを見る重要なテストケースとしてこの鉱山紛争を多くの人が見ています。
デモ事件を受けて、テイン・セイン大統領は、即座に、野党の指導者アウン・サン・スー・チーさんが率いる調査委員会を立ち上げました。
最初の方針は、銅鉱山やデモやそれに対する暴力的排除など広範にわたる調査をすることでした。
二日後、説明無しに、デモの原因や彼らの負傷の理由を調べることを排除するように内容が変更されました。その報道はまだ公にされていません。
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ビルマが民主化に向い始めていた頃の軍の暴力的対応と、それに対するビルマ政府の対応が問題になっているニュースです。
大統領が、即座に、スー・チーさん主導の調査委員会を立ち上げたのは良いとしても、二日後に内容が説明なく改悪されたのが気になります。世界の目が集中している中で、大統領の手腕が問われます。民主化は本物なのかどうか・・・・・