サロンの高級感

　確かにサロンの環境って重要ですよね。狭くて調度品が安っぽい部屋より、ゆったりしていてゴージャスな家具やベッドが揃っている部屋のほうが行って気分がいいのはたしかです。ただ・・・ない袖は触れないというか、理想と現実の間にはギャップがありますし、ある程度妥協せざるを得ないのも事実です。

　もうずいぶん前になりますが、都内のあるサロンに行ったときの話です。お手入れを終えてハーブティーをいただいていた時、ちょうど隣の部屋でお手入れ終えた方が同じようにお茶を飲んで担当のセラピストさんと話していらっしゃいました。

　私を担当してくれた方は２０代半ばくらいの方で、もうひとりのセラピストさんはおそらくそのサロンのオーナーだと思われます。そして、一緒に話していたお客様はオーナーさんのお友達かかなりの常連さんのようでした。どうもそのお客様が近くにできた別のサロンに行ったらしく、あれこれと感想を述べてました。

　「ただね・・・マンションの一室でやっているから、やっぱり高級感はなかったな」
そのお客様は何度もそちらのサロンには高級感がなくて、ここのサロンのほうがいいようなことを暗に仄めかしていて、オーナーさんも気をよくされている感じでした。

　私はその時、内心首を傾げていました。私もいくつかマンションでやってるサロンに行ったことはあるのですが、マンションだから必ず高級感がないかというと、そうでもないんです。むしろその時伺ったサロンのほうが逆に高級感に乏しい印象を持ってしまいました。

　新しいサロンだったのできれいにはきれいでしたが、パーテーションで仕切られた３つある個室はどれも狭くてセラピストさんのからだが壁ぎりぎりにぶつかりそうな感じでした。パーテーションで仕切っているサロンは結構ありますが、部屋の広さって重要ですね。狭いとなんとなく落ち着かない感じです。

　一般にアロマサロンは２階とか３階にあるのが普通なんですが、そこのサロンは１階にあったのも落ち着かない一因かと思われます。１階でもゆったりしていて、周りの喧騒が入ってこないような静かな環境ならいいのでしょうが、商店街の中なので余計に＜落ち着かない感＞があったようです。座ってハーブティーいただいていても、ガラス越に外を歩いている人から見られているような気になってしまいました。

　それでお手入れが物凄く上手だったとかいうのなら、またお願いすることもあるでしょうが、お手入れはそこそこでアロマトリートメントとメニューにあるのに３種類のブレンドオイルの中から好きなオイルを選んでくださいとカウンセリングは省略。それ、テンション下がりますよね、アロマを求めて行った客ならば。

　内容もクレンジングしてオイルマッサージして鎮静パックするだけのショートメニューで、うちでやったら３千円くらいのフェイシャルなのに倍くらいの値段なんですよ。まあ、割引券があったから行ったんですがね。この内容でこんなにお金取れちゃうんだ・・・と、なんともいえない気分でした。

　さて、自分の身に置き換えてみると・・・やっぱり高級感は乏しいだろうなと正直思います。トリートメントルームに使っている部屋は一応５．５畳なんですが、収納スペースがあるので事実上４．５畳くらいしかありません。ベッドを置いたら部屋いっぱい。フェイシャルやリフレの時スツールを置くとそれこそ自分の体が壁にぶつかる感じなので、ベッドを斜めに配置してしのいでます。

　置いてる調度品も安いものばかりなので、できれば買い換えたいところですが、そうそうお金もかけられない現実があります。いい環境を整えられるようできるところからでも少しずつ変えていけたらと思ってます。願わくば、環境の至らなさを手技で埋め合わせができたら、それが一番かなとも思いますので、今後も手技のトレーニングは怠らないように努めたていきます。

　トリートメントそのものが一番重要だとは思うのですが、サロン環境もやはり重要ですね。私も多くのオーナーさんたちも、どこかで妥協せざるを得ない現実があります。ただ、限られた条件の中からセンスよく環境を整えていけるようになりたい・・・と切に思います。

　





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