rosemary days

アロマテラピー、ハーブを中心にフィトテラピーあれこれ。自然療法全域とフィットネスについて。

『たんぽぽのお酒』~夏を閉じ込めた酒瓶

2019-03-03 18:09:36 | 物語の中の植物と香り
SNSにブラッドベリの短編集を紹介している人がいたので、サンリオ文庫の『万華鏡』を手にしてみました。その中にある『たんぽぽのお酒』という短編がとても良かったのです。

時代は1930年代と思われる、アメリカのグリーンタウンという架空の街に住むダグラス少年の12歳の夏を描いています。お父さんや弟のトムと一緒に野葡萄を摘みにいったり、おじいさんがたんぽぽのお酒を造るのを手伝ったり、親友との別離が描かれたり、ブラッドベリの作品にしてはSF色はそれほどなく、普通の少年文学のようです。

おじいさんが作るお酒は、たんぽぽの花を絞り器で絞って、出てきた黄金色の液を瓶に入れて地下室に保存する。ダグラスのことばを借りるのならたんぽぽのお酒は「夏をつかまえて栓をしたもの」なんだとか。暗くて寒い冬に、病弱なおばあちゃんでさえ、こっそり地下室にタンポポを汲みに行く。その中に詰まった夏の日差しや植物の実りを味わい、疲弊した冬の体に熱を注ぎ入れる。

たんぽぽはメディカルハーブでも肝機能を調えたり、利尿や母乳の出をよくするなど、さまざまな薬理効果のあるはハーブなのですが、使用するのは主に根っこです。欧米では葉をサラダやスープに使ったりし、中国でも葉を乾燥させて消化器系を調える薬として使用するようです。しかし花については、これと言った薬効は認められていない。。。と思っていました。

実際にたんぽぽワインを造っているメーカーさんのサイトをの覗いてみたところ、たんぽぽワインは抗酸化作用が強くアンチエイジング効果がきたいできるのだそうです。ただそれは花そのものに備わっている効果なのか醸造したために生じた作用なのかは定かではありません。


たんぽぽのお酒 (ベスト版文学のおくりもの)
レイ ブラッドベリ
晶文社

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2 コメント

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たんぽぽのお酒 (やすらぎ)
2019-03-07 17:45:33
ランキングから来ました。
たんぽぽのお酒 どんな味でしょうね。
体に良さそうですね。
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Unknown (ロマラン)
2019-03-19 13:01:56
やすらぎさん、コネントありがとうございます。
たんぽぽコーヒーはよく飲みますが、花で造ったお酒の味は想像しずらいですね。
返信する

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