黒式部の怨念日記

怨念を恐るる者は読むことなかれ

母ネタVol.1認知症とサ高住

2024-12-04 08:50:17 | 家族

いづれの御時にか……って、2,3日前の話だから今上天皇の御代に決まってる。あさイチで介護施設の特集をしていた、その話である。認知症患者の受け容れを◎○△で表した場合、民間業者の中では、グループホームが◎、介護付き有料ホームが○、サービス付き高齢者住宅(サ高住)が△であった。サ高住は、比較的元気な人が入っているイメージと言っていた。母をサ高住に入れた経験上、もっとも至極な結論だと思う。

母がサ高住に入ったきっかけは、ある日、母のかかりつけのクリニックの先生から私も一緒に来るように言われたことだった。すわ、なにごと?と思ったら「毎回、あなたのお母さんが診察室から出て行く様子が忍びない。独居は気の毒だから施設を考えたらどうか」というアドバイスであった。要は、母が出しまくる「可愛そうオーラ」に純真な若い男性の先生がだまされたのであった。事実、母は、後でこっそり「あの先生は心配性なんだよ」などと他人事。いったい誰が心配してもらってるんだ?バチ当たりもいいところである。まっこと、私の性格の悪さはこの母から受け継いだものである。それでも、先行きのこともあるから施設を検討してみると、サ高住ってヤツは賃貸借のカタチをとっていて、食堂が併設されてるけど部屋にIHのコンロもあってプライバシーが守られる。諸費用は、厚生年金の遺族年金とだいたいトントン。いいかな?と思って近場にある施設を見学して母にどう?と聞くと珍しく「入る」と即決。こうして母のサ高住生活が始まった。

その後、認知症が発症。しばらく私が毎日通って薬を飲ませていたが、いよいよ大変になってきた。まったく、「サービス付き」と言って、その分込みの賃料を払ってるのに全然サービスを受けてなくて、私の負担ばかりが増えている。これじゃサ高住にいる意味がない、との不満が昂じたところで施設長に相談。その結果、ケアマネさんを施設に常駐する人に変えて、そのケアマネさんに介護保険の範囲で介護計画を立てていただき、その実行はその施設の職員さんやヘルパーさんにやっていただくことになった。毎日の薬のチェックもヘルパーさんにやっていただくことになった。一挙に楽になった。もっと早く相談しなかった私が悪かったんだと思った。

ところが、その後暗雲が垂れ込めてきた。母の認知症がますます進んだある日、施設長が、区に介護認定の引き上げの申請をしているが、もし認められなかったら、ここでは必要なサービスができない。介護付き有料老人ホームなら可能だからそっちへの移転を検討してほしい、と言い出した。私は、二つの点で不服だった。
①最初に入居するとき、認知症になっても大丈夫、最後まで面倒を見る、ここを退去するのは亡くなったとき、と言っていたのと話が違う。
②介護に必要な介護認定が出ないかもしれない、というのが変である。介護のための認定である。その認定が介護におっつかないということは認定が間違っている、ということではないか(これは制度に対する不満である。まあ、たしかに、認定のときだけ張り切るボケ老人の話はあるあるではある)。

その後、しばらくして、施設長が「会社の方針が変わったので居てもらっていい」と言い出した。その頃、その会社のCMが頻繁にテレビに流れるようになって、私の中では符合した。こうして、その施設は母にとり終の棲家になった。途中、暗雲が垂れ込めた時期があったが、総じて、施設の方々には大変お世話になり、心底感謝している。

あさイチで、認知症患者の受け容れについて、サ高住は△で介護付き有料老人ホームが○としたことに至極同意なのはこういう経験があったからである。グループホームは認知症患者の受け容れには◎だし、常に集団でっていうのもどうかな?と思っていたら個室があるということを今回のあさイチで知った。だが、先般、グループホームで職員による虐待があったというニュースが影を落とした。

以上は民間業者に限った話だが、公共施設である特別養護老人ホーム(特養)について、あさイチが、「入居待ちと言われているが、それは安い相部屋の話で、少し高い部屋なら空いてることがある」と言っていた。これは、すごい情報である。特養なら例の◎○△のレートは◎である。これから施設を探す人にとっては、特養も十分視界に入るというわけだ。因みに、私は、両親ともこの世の住人ではなくなっていて、逆に、子供等がいれば、黒式部をどこの施設に放り込もうかと心配される立場であるが、そうした親族もいない。自分から進んで施設に入ろうとは今は夢にも思ってないし、ボケたときは自分では自覚しないだろうから施設に入ることは想像がつかない。近くに線路もないから、徘徊してるうちに線路に紛れ込んで電車にひかれて社会(及びどこかにいるかも知れない相続人)に多大な迷惑をかけるおそれもなさそうである(あっ、奥地の家は踏切が近かった(汗))


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