今週号の週プロで「全日本女子プロレス レスラーカタログ100」という特集があります。なんでもベースボール・マガジン社から全女のDVDが、新たに発売されるとかで、そのために全女を認識させる意味で組まれたもの。全女の映像はクラッシュ・ギャルズ以降はある程度、保管されていますがそれ以前はほとんどありません。今回は団体対抗戦が実現される少し前、90年~91年の時代がDVD化。この時代って結構、迷走していましたね。金網デスマッチ、髪切りマッチ、格闘技戦とありとあらゆることにトライして打開策を模索していた最中。やっぱりクラッシュの解散(引退)は興行的にも、陣容的にも大きなダメージでしたから。人気面で劣り苦戦のまっただ中。だから残った選手は体を張っていくしかなかったのです。ブル中野vsアジャ・コングはそんな産物。大きく時代が移り変わる狭間の歴史的な闘いだったのです。
さてカタログは現在の女子プロレス担当である成川君渾身の作。自分が生まれていない頃や、見てもいない時代の選手を書くことは大変なこと。でも、これはデータを見せるものだから、取材キャリアは関係ないこと。しっかりしたデータが存在すれば、上手くまとめることは編集者のセンスに委ねるしかありません。1ページの1/2分割、1/4、1/8と選手を分類する際、少しだけアドバイスしました。歴史的にはこの選手は1/2だとか、1/4だとか。ただ、もう一括りあれば良かった。1/8の前半は歴史を築いていた選手が入っていますが、後半は全然、実績の無い選手も入っていた。同一に扱われ、どうかと思われるけど、これは仕方ありません。今のこの時代でこんな企画があること自体が奇跡的なので…
全女は私が約20年間も在籍した業界の出発点。良くも悪くもいろいろなことを学びました。70年代後半から80年代にかけての若手時代、クラッシュのマネジャーを務めた80年代、団体対抗戦をリードしてきた90年代。どれも素晴らしい経験でした。もう、このような経験は2度と出来ないでしょう。だから、これを肥やしに女子プロレスで生きていくのです。松永会長から学んだ一番のことは、何か大きな問題があった時は白黒付けないでグレーのままにすること。これって結構、役立っていますので。人間関係はグレーでいい部分もあるからです。