廊下のむし探検 第235弾
7月15日にマンションの廊下で見つけた虫の続きで、今日は甲虫とクモです。
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最初はいつもの名前の分からないマツノシラホシゾウムシの仲間です。
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これはキイロテントウ。眼が4つあるみたいですね。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/73/efeb967b54c0605f2d8acf344da7ada4.jpg)
このカミキリが問題でした。以前の写真を見ると、チャイロヒメカミキリ本土亜種となっていたのですが、今回、図鑑を見てみると、何となくヒゲナガヒメカミキリのような気もしてきました。そこで、「日本産カミキリムシ」に載っている絵解き検索で調べてみました。
カミキリ亜科
①上翅は完全か、腹板末端にほぼ届く
②触角は強い鋸歯状ではない;体形は変異があるが、少なくとも円筒型ではない
③前胸背板は特に長くなく、基部付近はほどよくくびれ、先端部より狭くはならない;♀腹部に特別な構造物はない;主に中大型の種
④複眼は粗い個眼よりなる
⑤後胸腹板前縁側方は中胸腹板に届き、中肢基節孔は側方で閉じるか、届かない場合でも中肢基節孔の開口はきわめて狭い
⑥触角基部数節の先端は角張ることはあっても棘はない ヒメカミキリ族
⑦中肢脛節はほぼ直線状で、角稜がないか、あるときでも1本;上翅は無紋か、褐色紋がある
⑧前胸背板は幅と同長か、やや長い程度;上翅の毛は長く、肉眼で識別できる
⑨触角は長毛があるが、先端節まではない;上翅の毛はあまり立ち上がらない ヒメカミキリ属 Ceresium
⑩a 前胸背板は中央前方に1対の光沢のある小隆起がある;上翅はきわめて密に点刻される ヒゲナガヒメカミキリ longicorne
⑩b 前胸背板は中央前方に小隆起がない;上翅はむしろ粗く点刻される
⑪腿節は膨らみが弱い;中肢腿節が後肢腿節より強く膨らむことはない
⑫小盾板は横長で、先端は鈍角
⑬前胸背板は虫食い状に点刻される チャイロヒメカミキリ simile
チャイロヒメカミキリもヒゲナガヒメカミキリもいずれもヒメカミキリ族ヒメカミキリ属に含まれています。検索表でその検索項目を追っていくと、上のようになります。⑤を除き、この写真でも⑨までは到達することができます。チャイロとヒゲナガの違いは⑩で決まります。つまり、前胸背板中央前方に1対の小突起があるかどうかと、上翅が密に点刻されるか粗く点刻されるかです。上の写真で見る限り、1対の小突起があり、また、上翅の点刻は密にあるようです。「原色日本甲虫図鑑IV」のヒゲナガの説明を読むと、「前胸は明らかに幅より長く、背板には1本の中央縦隆と左右に1対の小隆起をもつ」とあり、記述と合っているようです。たぶん、ヒゲナガヒメカミキリでよいのではと思いました。因みに⑩bの方を選ぶと、⑫の小盾板の形状で躓きます。この写真の種は楕円状なのですが、図鑑に書かれている絵は明らかに三角状です。ということで、ヒゲナガヒメカミキリかなと思っています。
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これはアカクビボソムシ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/d4/e4558fd0a79c478fe0e75f2ebc5b8425.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/46/9f90375220c685f110686391863679a6.jpg)
そして、これはシラヒゲハエトリ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/9f/298bde23f0b5c995dda7a1882b81e23b.jpg)
最後はアシナガグモの仲間です。いつもはそれ以上追求しないのですが、今回は上顎や触肢がよく写っているので、「日本産クモ類」の図と比べてみました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/7a/3926fd06e3b93062c7ed4c342ee6e06a.jpg)
すると、上顎先端に特徴的な形の2つの牙堤歯(左側の2本)があるというところがヒカリアシナガグモ Tetragnatha nitensとよく似ています。分布に本州も含まれているのでこれかもしれません。触肢の形状についてはまだ慣れなくてよく分かりませんでした。これからはアシナガグモも少し詳しく撮ってみたいと思います。
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