廊下のむし探検 第6弾
3月分がまだ残っていたのでさっさと片付けます。3月28日分です。この日は近くの中学校に行った帰りに公園へ寄り、その後、ちょっとだけ廊下を歩いてみました。カメラを持っていたので撮ることはできたのですが、あまり時間がなくて写真もいまいちでした。公園で撮った方はYahoo!ブログに終了の挨拶と一緒に載せましたので、そちらをご覧ください。
最初はこのコバチです。これは廊下ではなくて、外にある倉庫の壁にいました。採集したら科ぐらいは何とか分かるのですが、外観だけだとさっぱり分かりません。少し検索に頼りすぎているところがありますね。もう少し眼力を養わないと・・・。
これはマンションの廊下でお馴染みのノミバエです。脛節に刺がないので、いつものMegaselia属だと思います。Megaseliaというのはとんでもない属でこの属だけで世界中で1400種も記録されています。こちらにちょっとだけ書きました。
中村剛之、「『日本昆虫目録 第8巻 双翅目』の出版と日本産双翅目相の解明度について」、昆蟲(ニューシリーズ) 19, 22 (2016).
この論文によると、「日本産昆虫目録第8巻」(2014)では、日本産ノミバエ科として30属127種が記録されていますが、実際にはその10倍以上の1270-2540種程度はいるのではないかと推定されています。こういう数字を見ると、採集して調べる気が起きなくなってしまいます。
これはカバナミシャクの仲間で、たぶんソトカバナミシャクだと思われます。これからカバナミシャクは続々出てきますが、どれも似ているのでぱっと見ではほとんど区別がつきません。
このハマキガはナラコハマキとプライヤハマキで迷ってしまいました。「日本産蛾類標準図鑑IV」によると、三角状の模様が小さいとナラコハマキ、大きいとプライヤハマキとなっているのですが、どのくらいを大きいとするのか分かりません。近畿地方ではナラコハマキは山地性で、プライヤハマキは丘陵地で普通とあるので、たぶん、プライヤハマキの方かなと思っています。いずれにしても、夏型は5~8月、越冬型はその後に発生して、春ごろまで見られるとのことです。
次はニンギョウトビケラの仲間です。これも採集しないと何ともしようがない種です。以前、捕まえて調べたことがあります。そのときは第6腹板にある櫛状の刺列と♂交尾器の形状を調べてニンギョウトビケラ Goera japonicaに落ち着いたことがありました。近畿ではニンギョウトビケラのほか、クルビスピナ、カワモト、キョウト、クロが分布します。クロは色が暗色なので除外することができますが、残り4種はやはり採集して調べないと何とも言えません。
これは背景に文字付のソトカバナミシャク。
最後はたぶんリンゴキジラミ属だろうと思っているキジラミの仲間です。キジラミも以前40項目ほどの検索表を追いかけて、結局のところ挫折した経験があるので、先日、一応1匹だけは採集したのですが、まだ冷凍庫で眠っています。
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