黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

長崎さるく #25 出島2

2009-07-16 04:52:26 | 長崎さるく
前回に引き続き出島です。
今回もあまたある出島の品々から、
特に気になったものをピックアップです。



最近再現が完成した、
出島で最も大きかったと言われる商館長のカピタン部屋。
何がびっくりって、全室畳!
ちゃんと靴を脱いであがっていたようです。
開国をせまった当時のヨーロッパ人の多くが、
開国によって日本独自の文化が失われるのを憂慮した、
と聞いたことがありますが、
当時、ヨーロッパの人々にとって日本文化は、
大事にすべきものだと感じたんじゃないでしょうか。



パリ国立図書館蔵の絵図をもとに再現された、カピタン橋と葡萄棚。
池の水は周囲の菜園等への水まきに使われたようですが、
その絵図を見ると、水撒きに使われている器具が、
以前の記事で触れた「竜吐水」のような形をしているので、
「竜吐水」は消火だけでなく水撒き等にも使われていたのか
と思いました。



敷地内に再現されている石塀も、
かなりいい具合に作り込まれています。






昭和の中期に浦上川の河口から引き上げられた大砲。
なぜ河口にあったのかは不明だそうですが、
当時オランダ商船はけっこう座礁していたようです。
ここにもオランダ東インド会社のマーク、
「VCO」が刻まれています。




ところで出島のすぐ横には、
現役で国内最古の道路鉄橋「出島橋」がかかっています。
これも以前の記事でその全貌はアップしましたが、
鉄橋の上にある名板を見ると『橋嶋出』とあり、
アルファベットで「DESHIMA-BASHI」と書いてあります。
出島(でじま)って本当は「でしま」だったんでしょうか。

そういえば長崎の発音は濁点がなくなる傾向を感じます。
例えば人名で「山崎」は「やまざき」が一般的だと思いますが、
長崎で山崎とかく名字の方は「やまさき」だそうです。
浦上も「うらかみ」、
ちょっとマイナーな地名ですが「左底」と書いて、
「さそこ」と読むそうです。
これら全て関東だったら濁点付き発音になると思います。

あれっ、これってもしかしたら長崎じゃなくって、
関東と関西の違いかな(汗)

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