ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

復帰

2015-01-15 22:05:12 | Weblog
今週から、11年前に通っていた中国語教室に復帰した。
学校に足を踏み入れた途端、懐かしい匂いを感じた。
学校の匂い。多くの書物がある匂い。

教室に入ると、椅子がよくなっていた以外は、ほぼ当時のまま。
敬愛する中国人の先生は立ち上がって迎えてくれた。
そして11年前からずっと通い続けている同級生が1人。人生の大先輩だ。

授業の形式もむかしのまま。
先生と一緒に、自分のことを話したり、中国の最新ニュースを読む。
今回のニュースのテーマは、習近平が進める「腐敗の撲滅」についてだ。

中央の方針が、地方にはどのような具体的な指示として浸透していくのか。
その流れを追えるような内容だった。

11年前なら、中国語の文章を正確に読み解くことばかり考えていただろう。
でもいまは、どういう説明をしたら中国人は動けるのか、ということが気になる。

中国語の書き言葉は、古来より皇帝の命令を伝達するための言語だった。
それは、基本的にいまでも変わっていないと思う。
しかしいまは、これはおそらく文革後の潮流だと思うが、
非常に具体的でわかりやすく、これだけ守ればいい、という伝え方になっている。

公用車は帰省で使ってはいけない、地方政府の官僚に出迎えをさせてもいけない、
経費で落とせる食事代は、朝ごはんなら20元まで、宴席の場合は1人あたり120元まで、など。
そんなの常識の範囲、当たり前という判断が挟めないようになっている。

ただ、そんな通達があっても、逃げ道を探すのが中国人というもの。
でも今回は少し違う。
これまでは官僚の接待用の店として繁盛していた高級料理店も、倒産が相次いでいるという。

これは、中央で、習近平が各業界のドンたちを
汚職で断罪している影響が、やはり大きいのだろう。

中央と地方を一気に動かすのは、中国のような大きな国では特に、
本当にたいへんな改革だ。穏やかな革命と言ってもいいくらいだろう。
こうしたことができる習近平という人は、本当にすごい人だと改めて思った。

中国はこの先、どんな国になっていくのだろう。