最近、中国の少数民族関連の本を何冊か続けて読んだ。
『囚われのチベットの少女 』
『レイプ・オブ・チベット―中華的民族浄化作戦』
『中国を追われたウイグル人―亡命者が語る政治弾圧』
『中国が隠し続けるチベットの真実』
『中国はいかにチベットを侵略したか 』 など。
1993年に、北京に留学したとき、留学生向けの授業に「中国概況」という科目があった。
経済や地理、政治のことなど、基本的なことを学んだろうと思う。
あまり興味がなかったので、あまりよく聞いてはいなかった。
だいたい93年当時の国立大学の外国人向けの授業なんて、
共産党の「公表」しか語られないのだから、「話半分」という気分だった。
でも、そんな「中国概況」の授業に、留学期間をとおして一番印象的となった授業があった。
たった一回。
それは、「少数民族」の回。
この授業を一緒にとっていた日本人の親友が、
「今日はチベットだから、前の席にすわるわ」と言って、
いきなり勇ましい顔つきになって、席をうつった。
いつも前の方の席は空いているのに、その日だけは教壇の前に人だかり。
中国人の先生がチベットの話をひととおり終えると、
それこそ世界中から来ている外国人留学生が一斉に、
チベット問題について詰め寄った。
アメリカ人、ドイツ人、フランス人、オランダ人、日本人、華僑が声をあげた。
それこそ、大学の先生に答えようのない質問や意見が飛んだ。
「中国が主張するチベットが中国の領土だと言う歴史的な根拠は破綻している」
「いまも続く弾圧の実態を知っているのか。中国政府は嘘ばかりを言う」
「宗教の自由や、少数民族への優遇措置ばかりを強調するが、
それではなぜ、普通の生活をしているようなチベット人の亡命者が後をたたないのか」
「中国はチベットの地下資源が欲しいだけで、チベット人のことを考えていない」など。
最後、答えに窮した先生は、たしか、
「これは国家の問題なので、私個人はわからない」のようなことを言い、
留学生の憤りや嘲笑のなか、授業が終わった記憶がある。
私は、あまりその先生が好きではなかったのだけど、
その時だけは、少しかわいそうになった。
だって、明らかに自分よりも情報量がある外国人相手に、
政府の公式見解を繰り返すだけの授業をするなんて、
無理に決まっているし、大人と子どもの喧嘩みたいだもの。
でもあの日があったから、
私はチベットやウイグルの問題に興味をもつことになった。
今年の3月は、自分にできることを、もう少し具体的に考えてみようと思う。
『囚われのチベットの少女 』
『レイプ・オブ・チベット―中華的民族浄化作戦』
『中国を追われたウイグル人―亡命者が語る政治弾圧』
『中国が隠し続けるチベットの真実』
『中国はいかにチベットを侵略したか 』 など。
1993年に、北京に留学したとき、留学生向けの授業に「中国概況」という科目があった。
経済や地理、政治のことなど、基本的なことを学んだろうと思う。
あまり興味がなかったので、あまりよく聞いてはいなかった。
だいたい93年当時の国立大学の外国人向けの授業なんて、
共産党の「公表」しか語られないのだから、「話半分」という気分だった。
でも、そんな「中国概況」の授業に、留学期間をとおして一番印象的となった授業があった。
たった一回。
それは、「少数民族」の回。
この授業を一緒にとっていた日本人の親友が、
「今日はチベットだから、前の席にすわるわ」と言って、
いきなり勇ましい顔つきになって、席をうつった。
いつも前の方の席は空いているのに、その日だけは教壇の前に人だかり。
中国人の先生がチベットの話をひととおり終えると、
それこそ世界中から来ている外国人留学生が一斉に、
チベット問題について詰め寄った。
アメリカ人、ドイツ人、フランス人、オランダ人、日本人、華僑が声をあげた。
それこそ、大学の先生に答えようのない質問や意見が飛んだ。
「中国が主張するチベットが中国の領土だと言う歴史的な根拠は破綻している」
「いまも続く弾圧の実態を知っているのか。中国政府は嘘ばかりを言う」
「宗教の自由や、少数民族への優遇措置ばかりを強調するが、
それではなぜ、普通の生活をしているようなチベット人の亡命者が後をたたないのか」
「中国はチベットの地下資源が欲しいだけで、チベット人のことを考えていない」など。
最後、答えに窮した先生は、たしか、
「これは国家の問題なので、私個人はわからない」のようなことを言い、
留学生の憤りや嘲笑のなか、授業が終わった記憶がある。
私は、あまりその先生が好きではなかったのだけど、
その時だけは、少しかわいそうになった。
だって、明らかに自分よりも情報量がある外国人相手に、
政府の公式見解を繰り返すだけの授業をするなんて、
無理に決まっているし、大人と子どもの喧嘩みたいだもの。
でもあの日があったから、
私はチベットやウイグルの問題に興味をもつことになった。
今年の3月は、自分にできることを、もう少し具体的に考えてみようと思う。