ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

5年

2010-10-08 00:03:13 | Weblog
あと10分。
母が亡くなって丸5年。

私にくれた最初にして最大の贈りものが、私という生命だった。
これは、愛情のかたまり。
あの人は、心も身体も、私をすごく丈夫に生んでくれた。

5年前の今ごろ、
私は母の身体が活動を終えて行くのを、じっと見ていた。
そばにいることくらいしかできなかったから、
私がそばにいるから、安心して進んで行くようにとしか、
結局は言ってあげられなかったから。

病院は、慌ただしい。
人の生命が消えて行くのは、パソコンの電源を落とすのとは違うのに。
機械が信号を受け取らなくなったから、はい、おしまい、ではないのに。

終わりを迎える身体の中に、まだほんの少しでも風が流れるのなら、
その風が行きつくまで、そっとしておいてあげたかった。
何度も何度も、最後の脈をとりたくてのぞきにくる。

病院の人たちも仕事だからしょうがない、とは思うけど、
あの殺風景な「お仕事」は、何年経っても印象が薄れない。
死に向き合っているから、家族はあえて文句をいわないけど、
きっと多くの人が、より傷ついているのだろうと思う。

さて、日付が変わった。お線香をあげはじめるか。


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