ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

幸福論

2009-08-11 23:19:31 | Weblog
アラン著、神谷幹夫訳、岩波文庫

シモーヌ・ヴェイユが師事したアランの本は、一度読んでみなければと思っていた。

でも、こんなに時間がかかるとは思わなかった。
たかだか300ページ強の文庫に、約2週間。
いくら仕事が忙しかったとはいえ、身が入らなかった証拠。

そう。一言で言って、つらかった。
「フランス散文の傑作」と評されているようだけど、
この本、読むなら学生時代がいいだろう。

ひたすらポジティブに考えて、そしてそのウキウキした気持ちをみんなに広めましょう。
ほ~ら、みんな幸せになるじゃない、って言いたいんだな、と最初の方で思い、
その点、終始一貫しているのは、見事だと感じつつも、
正直なところ飽きるし、いやいや、それでもイヤなことを考えちゃうのが私という人間なんだけど、
ああ、あなたは「僕は一抜けた!」しちゃってるのね、という気持ちで読みつづけた。

そりゃ、不幸を売り物にしている人を見ると、誰でも距離をおきたくなる。
でも、幸せいっぱいの人とも、私はやっぱり距離をおきたくなるよ。

だって、羨ましいし、ねたましいし、
もっと言うと、そんな「幸福」自己暗示にかかっている人は、話しててもつまらないじゃない。
学生のころは、労働に対して淡い希望を抱いているし、
自分の感情は、なんとなくコントロールできるような気がしているから、
この「幸福論」を読んだら、感動するだろうし、感化されるかもしれない。

でも、今はもういいや。お腹いっぱいです。
もしかしたら違う読み方もできるのかもしれないけど、
何と言うか・・・、現在の私には、スッと入ってきません。
これもタイミングのめぐりあわせ。しょうがない。

さて、次は何を読もうかな。


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