ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

描く

2012-06-03 02:22:17 | Weblog
夜からの女子会に向けて、
というわけでもないのだが、
今日は、『密教経典 大日経・理趣経・大日経疏・理趣釈』(宮坂 宥勝 翻訳、講談社学術文庫)を読んだ。

理趣経は、母が亡くなったときに、高野山真言宗のお坊さんがよんでくれた経典で、
その後、なんとなく気になって、読んだり聞いてるお経だ。

母は、なんといっても私の高校の同級生が、
「お前の母ちゃんと結婚したい」と言っていたくらい、
年齢を問わずモテた人なので、
そして、それによって苦しんだ人なので、
理趣経はまさに、母にあげてもらうのにぴったりのお経だったと思っている。

理趣釈では、
曼荼羅を描くという修業の大切さについて、
くどいくらいに述べていた。

ふと思い出したのは、以前一緒に仕事をしていた
絵を描く人たちが言っていたこと。

頭の中のイメージと、実際に描くということは、まったく違う、という。
実際に描くときには、その細部にまで細心の注意をはらう。
対象をよく観察し、どのように描くかを考える。
描くという行為は、イメージが頭に浮かぶのとまったく次元が違うことだ、と。

きっと、曼荼羅を描く修業をすすめている人たちも、
同じことを言っているのだろうと思う。

その意味において、
私は、仕事で、よい影響を受けてきたのだと思った。
とはいえ、あの頃に、もう戻りたくはないが。


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