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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:8月10日の日経『日鉄、3極で地産地消』の重要性

2024年09月14日 13時57分33秒 | 社会全般
8月10日の日経に、『日鉄、3極で地産地消』と云うタイトルの記事があった。これは大変良い方針なので、良い事例としてここで紹介したい。

日鉄が示す3極とは、米国、インド、東南アジアとの事で、中国を除いている事に敬意を払いたい面もあるが、実態はこの会社が一生懸命に中国の鉄鋼会社を育てた為、この市場で負けたと云う事が実態であろう。

この”地産地消”は自分の著書でも力説していいるのだが、地産地消は食料品だけでなく、一般的な工業製品についても必要である。食料の場合は、産地と消費地との輸送コスト、新鮮さを担保する為の輸送時間などが、大事な要素であるが、工業製品については、地産地消にする事で、現地に雇用が生まれ、地域社会への貢献が重要な要素となる。

この分かり易い例が日本の自動車メーカであろう。1970年代までは、世界で販売する自動車の殆どを日本国内で生産し、海外に輸出していた。その為、アメリカとの貿易摩擦が勃発し、その是正の為にアメリカやヨーロッパ諸国にて自動車を現地生産する様になって来た。それが今では、中国やタイ、そしてインドなどのアジア諸国や、東ヨーロッパ、そして南米で自動車を生産する様になっている。これは正に地産地消である。

鉄鋼については、主要顧客である自動車産業が地産地消化されている事で、半自動的に地産地消になってしまっている面もある。しかし、その理由はともあれ、決して悪い事ではない。

地産地消のメリットについて、次の二つの項目を力説したい。

①社会への貢献:企業の本来の役割の中に、社会への貢献がある。雇用を生み、そして税金を払う事で、社会への貢献が出来ると云う考えである。実際、これを真剣に考えている企業は少ないが、本来はこう在るべきである。

日本の大企業の多くも、真剣に地産地消を考えている訳ではないが、世界で販売したいとするビジネス面での理由で、結果的に地産地消の形になってきている。より具体的には、製造コストの削減、工業用地や人材の確保など、色々な要因がミックスされている。一方アメリカ企業のビジネス面での主な理由は、あくまで低コストで優秀な労働市場を求めての世界展開である。その為、良い労働力の確保が難しいメキシコを除く中南米への工場設置が少ない。その為、中南米の国力は低く、結果的にアメリカは中米辺りからの難民に苦しんでいる。言い換えれば、自国の企業の経済政策の間違いから、大量の難民が押し寄せてくる事になり、自分で自分の首を絞めている状態と云える。

②輸送によるエネルギー消費の削減:これはSDG推進者であれば、推し進めるベキ項目である。輸送距離の削減は、そのままCO2排出の削減に繋がる。

自分自身はSDGを策略だと思っているが、ムダなエネルギーの消費は削減する方が良いに決まっている。その為農業製品のみならず、工業製品も緩やかな地産地消にする事でエネルギー消費を多少抑える事が出来、良い事だと信じている。
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