心

言葉を介さずに、さまざまなイメージや思いを心へ直接伝えることができるのが、
音楽の素晴らしさです。

ですが、いざピアノを弾くとなると、
動きの悪い指との格闘になってしまったり、
譜読みに必死になったあげく、ピアノに向かって決死のもぐらたたきゲームを繰り広げたり。
楽器を奏でるのは、なかなか難しいですね。

けれど、そこへちょっとでも「心」を組み入れてほしいのです。
楽器からポ～ンとなった音を耳で拾って、それを「心」へ入れてあげる作業です。
きっと「心」は何かを味わうはず。
きれいだな・変だな・不思議だな・さみしいな…etc.
これが音楽の始まりです。

なにもプロのように弾けなくてもいいのです。
美しくまとまったCDと比べなくてもいいのです。
自分で弾きながら、心が動いていくのを感じてみると、
とたんに音楽が鮮やかになります。

中高生のレッスンをしていてこんなことを思いました。
難しい曲になればなるほど、つい自分の「心」を置き去りにしがちです。
日ごろの練習から「心」を柔らかに！