とりあえず昨日無事母を入院させて来た。ろいろ書きたいことはあるけれど、それはまた後々書くとして。
前日から実家に泊まって入院の準備(買い出しや記名など)、そして病院では検査や入院に関わる説明を聞いたり、手続きをしたりで結局3時間もかかった。ふーーーっ。コロナもあるし、精神科ということもあるかもしれないけれど、長ーーーい。(私が20年以上前に婦人科に入院した時はもっとサクサクいったような?)
ということで、まずは無事一仕事終えた達成感、安堵感、やっと家に帰れるという解放感(たった一泊二日だよ)で気持ちは晴れやかだった。でも、帰りの車中すぐにまた気持ちは沈む。母の不安そうな寂しそうな顔。本当は入院なんてしたくないのにいやとは大きな声で言えない性格。私にはぼそっと言うが、「お父さんも胃の検査で入院するから」とか、「お母さんも最近調子悪いし、病院でゆっくりしたらいいよ」とかいろいろ説得(すぐ忘れるので、何回も)。病棟でじゃあ行きましょうと看護師さんに促され、会釈しておとなしくついていく母。病室は個室らしく(最初の1週間は。その後は大部屋に移ることも可能)、きっと泣いているだろうな心細いだろうなと思うと帰りの車中泣けてくる。
今の母は何もかもネガティブに捉えてしまう状態。でもどうにもできない。コロナで面会もできない(他の病棟に陽性者が出たらしくガラス越しの面会も中止)、携帯も持たせてもらえない。電話は公衆電話からできるらしいが、今の母はそこまでしないだろう。こちらから電話をかけることはできるが、かけることで里心がついて尚更寂しくならないかとか…いろいろ考えてしまう。
知らない場所で知らない人に囲まれて、不安いっぱいで、今後症状が落ち着いたり多少は改善するとか無理なんじゃないかとさえ思えてくる。どうせ治らないなら、家にいた方がいいのかもとか。自分がおかしくなっていってるという自覚があるからつらいだろうな、いっそのこともっと症状が進んでしまえば本人も楽になるんじゃないかと思ったり。頭の中をぐるぐる。
父は早く退院させたいみたいで、1ヶ月と言わず3週間でも…と言っていたが、父がガミガミ言わなければ自宅でもいいんだけど。病院でもおいおい黙れよ!って思う事あったし(それはまた後で)
とにかく精神的に安定してくれるといいんだけれど、元の薬に変えた効果は今の所感じられない。でも、前にその薬にした時も効果が感じられたのは2週間くらいしてからだったかな。これからか。
私もずっと気が重く、本も図書館からいっぱい借りてきたのにまだ一冊しか読んでない。途中まで読んでやめてしまったり。もう何が読みたいのかもわからん。でも、食欲はいまいちだけど、まだ寝れるから大丈夫だ。寝つきもさほど悪くないし(昨日は疲れ果てて9時過ぎに寝てしまったよー)、でも朝早く目が覚めると、いろいろ考えて二度寝ができなくなってきたけど…。
そんな感じで、帰って来てからもずっとどんより。電話もどうしようかなーと思いながら、一人寂しくしてるんじゃないかと思って、夕飯を食べてしまったであろう時間帯をねらって病院に電話してみた。看護師さんが母に取り次ぎ、「終わったら看護師に返してくださいね」と言っているのが聞えるが、いやいや覚えとらんやろー。
最近の母は電話してきても、「声が聞きたくて」とか「みんな元気?」とか「頭がぼーっとしてて」とか会話なんてものの数分で終わってすぐ切ってたんだけど、今回の母はよく喋る。
「財布がどこを探してもない」自分がどこにいるのかわかってないみたいで、説明してもいつの間にか「アパートの一室」にいることになっていたり、「今家にいる」と言い出したり。「服がない。家具もない」「ここに1ヶ月くらいいるような気がする」「ずっとここにいるの?」などなど。それに対してその都度説明して、会話が堂々巡り。「お父さんが退院して元気になったら、お母さんも退院できるよ」とかとりあえず前向きな話をしたり。
そんな感じで30分近く経ってしまい、「病院の電話だから返さないと」「廊下に出て、看護師さんの所に持っていって」と言っても「患者さんはいるけど、看護師さんはいない」というやりとりが続く。「誰でもいいから、看護師さんがいないか聞いてみて」と言うと、「看護師さんいらっしゃいませんか」という母の声。すると「私です」という声。おーーい、患者さんと看護師さんの区別もつかんのかい。「看護師さんに代わって」と言って代わってもらい、ざっくり状況を話し、すみませんと。
認知機能はもうしょうがない。救いは声が暗くなかったこと。入院前の妄想まみれの時とあきらかに声が違う。それに捨てられたとか帰りたいとか寂しいとかお父さんが他の女の所に行ったとか言う言葉が全く聞かれなかったことが救いだ。状況を正確に把握できない分、よかったのかもしれない。
電話を切った後、どっと疲れたが、悲壮感漂う電話でなかったのが救いだ。これで電話口で泣かれたりしたら、もう…。落ち込んでどうしようもなくなっている母を想像していたのに、私の方が逆に深刻に考え過ぎていたのかも。今の母は状況すら正確に把握できないことがかえってよかったんだ。皮肉だな…。