How many rivers must I cross? I don't know...

幸せになりたくて川を渡る・・・

2015/09/05,06 高原川~2015年最終釣行

2015-09-08 23:58:34 | 渓流釣り 釣行記(高原川水系)
8月後半から雨がちな天候が続いていた。
川の水位は上がり、ようやく落ち着くかと思う頃に再び激しい降雨があり増水。
その繰り返しだった。
渇水が続いた後の出水は魚の活性も高まるしありがたいのだが、釣りが困難になるほどの増水はありがたくない。

実はもう2015年のシーズンは高原川への釣行はやめようと思っていた。
それくらい状況は良くなかった。
禁漁前の最終週末であろうとそんなことは一切気にせず、気持ちはずっと南飛騨の益田川に向いていた。
しかし、前述の増水は高原川よりも益田川の方が程度が酷かった。
全く竿を出せないわけではないだろうが、ポイントはごく限られるし、その限られたポイントでも釣りにくいだろう。
それに、雨の合間の晴れの日に竿が出せたとしても、すぐそのあとまた雨がちな天候が続く。
これまでの経験から推測すると、出水の前の益田は食いが頗る悪い。
ならば、どうせ悪いのなら最終週末なのだから高原川へ行ってみようか。
さすがにこのままシーズンを終わらせるのは悔し過ぎる。
2015年9月5日と6日、高原川が禁漁に入る前の最終週末の僕の一泊二日の釣行が始まった。



昨シーズンの高原川を振り返るとよく釣れたなとつくづく思う。
確かに盛夏の頃はアタリは遠くなったが、それでも終日竿を振っていれば尺以上のヤマメにはほぼ確実に出会えた。
食いが悪い時期なのだから仕方ない。
一日に一本の尺以上の魚を獲れればそれでいいと思っていたので充分満足していた。
今シーズンも勿論そのつもりでいたがなかなか尺ヤマメは出てこない。
釣れるヤマメは全体的に小振りで痩せた個体も多い。
そして魚の数も少ない。
やはり長引いた雪代のせいだったのかな・・・
思いを巡らせながら飛騨路を北進する。
片道200kmの道程は時折睡魔が襲ってくるが、5分程度の仮眠で何とか凌いだ。
高原川の目当てのポイントに到着したのは夜が明ける2時間以上前だった。

魚が少ないならば、少しでも魚影の濃くなるポイントに入ろう。
そう考えて某堰堤下のポイントに目星を付けた。
朝一番でこのポイントに入るのは初めてだった。
暗いうちから川に降り立ち、見えにくい目印を目を凝らしながら追っていると後方を一人のルアーマンが通り過ぎた。

「無挨拶か・・・」。
気になったが、声をかけないということはかなり下流に行くものだろうと思っていたが、僕の下流側に延竿2本分くらいの距離のところからルアーを放り始めた。
最終週末の朝一番、自分が一番川だと思ってやって来たら既に先行者がいたという図式だろう。
入りたい気持ちは分かるがその距離は近過ぎる。
申し訳ないがもっと下流側に移動してもらった。

かなり具に探ったのだが釣れたのはウグイのみだった。
ヤマメらしいアタリは2~3回、餌にアタックしてるような強い衝撃を伴うものがあったが、恐らく小型のヤマメだろう。
アワセもせずそのまま放置した。



見切りをつけて僕は支流の双六川に向かった。
これだけ高水が続いていれば、日頃は水深の浅い双六の方に繁殖のために本流から差してくる大型の個体が居るのではないかと考えたからだ。
しかし、先行者が居た。
正確に言うと釣り場至近の駐車場所にクルマが停めてあった。
しかし、釣り師の姿は見えない。
僕がクルマから降りて辺りを見回していると、駐車車両の中から釣り師が一人出てきた。
朝一番で入ったが水が高過ぎて釣り上がれず寝ていたそうだ。
話を伺うとこれからまた入川するつもりでいらっしゃったため僕はそのポイントを譲った。



やっぱりあのポイントだなあ。
僕が朝一番に通常入るポイント、昨シーズンは多くの尺上のヤマメが竿を絞ってくれたポイント。
何本の尺以上のヤマメを獲っただろう。
覚えていないし見当もつかない。
そのポイントで今シーズンはまだ1本しか獲っていない。
期待は出来ないが、昨シーズンの最終釣行でもアタリが非常に遠かったもののなんとか38cmと35cmのヤマメを出した。
そのことを思い出し、賭けに出るつもりで僕は愛着のある通い慣れたポイントへ向かった。

やはり既に対岸にはいつものあの方が竿を振っていらっしゃった。
「今年は釣れんぞ!」
今シーズン初めて言葉を交わした時に聞いた開口一番の科白がこれだった。

地元の釣り師Iさんも同様のことを言った。
「高原は今シーズンまだ二度目なんですよ。一度目は雨の後で雪代が入って全く反応がなかったです。今日も渋いですね。」
「う~ん、今年は来る価値ないかなあ。俺はまだこのポイントで尺を釣ってないよ。信じられる?今年はホントにダメだわあ。」
高原を知り尽くしたIさんが言うのだから間違いない。
でも、梅雨が明けたら水温も上がるし、下流域でもたもたしていたヤマメが一気にここまで来るんじゃないか?などと期待を込めて祈るような気持ちでいた。

残念なことに今日までその祈りは届いていない。
僕が今シーズン高原川で獲った尺以上の個体はたった4本。
信じられない悪い数字だった。
長く通えばそんなシーズンもあるとは思いながらも納得できずにいた。



「腐っても高原」。
せめてそう思わせて欲しい。
岸辺に立って竿を振りながらそんなことを考えていた。
いつものように手前から順に遠くの筋を探っていった。
食い気のあるやつが居れば底ではなく中層付近にまで出てきているだろうと考え、最初はオモリをさほど重くせずに流した。
しかし全く反応はない。
時折波目に合わせて誘いを掛けたが一向に気配はない。

今日も食い気のあるやつはいないのか?
対岸のあの方は比較的よく竿が曲がっている。
今日はアタリが出る日ではないのか?
魚は向こう岸にかたまっているのか?

確かに対岸とこちらとでは底の地形や深さは異なる。
もしかしたら食い気のあるやつは本当に対岸の方に集まっているのかもしれない。
ならば、こちらに残った食い気の無い奴を掛けるしかない。
僕は底を探るためにオモリを付け変えた。
まだベタ底にはとどかせないが、底波に合わせてかなりゆっくり流れるように竿をコントロールした。
底波に入ると、場所によっては表層の流れと正反対の方向に流れる。
まるで魚が餌を咥えて泳いでいるのかと錯覚しそうなほど早く流れる時もある。
そんな流れに仕掛けを入れていた時、ググンと餌を奪って走るようなアタリがあった。

首の振り方が端正ではなかった。
水圧の掛かったホースの口が暴れているかのような首振りだった。
その後の疾走、深場への潜行からニジマスだと分かった。
案の定ジャンプした。
根に入られないよう気を付けながら竿を絞り、時折腰も落として対処して網に入れたのは35~36cmほどの鰭のピンと張った綺麗なニジマスだった。

取り敢えず魚は釣ったので少し安心した。
今の探り方が良かったかなと思いながら同様に底を流していると、再びゴンゴンという明確なアタリが襲った。
すかさずアワセをくれると、先ほどとは異なる整った首振り。
その後の疾走は数メートルで、再び立ち止まって首振り。
これはヤマメだと判断し丁寧に遣り取りをしていると、次第に目印が上に上がってきた。
魚体が水面を割って水飛沫が舞う。
間違いなく尺上のヤマメだ。
僕は慎重にいなし玉網に導き入れた。



32cmの秋らしい暗い色合いの雄のヤマメだった。
「そりゃあこれくらい釣らせてもらわんとなあ、なんてったってタカハラなんだからなあ」と、安堵の気持ちのあまりかなりの大声で独り言を放っていた。


その後のポイントで尺に満たないヤマメをもう一本獲った。
夕刻に入ったポイントでは35cmのニジマスが一本だった。
尺上のヤマメは一本のみで1日目の釣りを終了した。



一日目の釣りを終えた後、僕は日帰り温泉に浸かり、再び釣り場に戻ってきた。
明朝すぐに川に降りられるようある程度の身支度を整えて車中泊をした。

目覚めたのは午前4時。
雨音が聴こえる。
車外の様子を窺うと結構な振り方だった。
眠いことも手伝って気持ちが萎えてきた。
僕は一旦は釣りを諦めて二度寝した。

次に目覚めたのは午前7時前。
雨は止んでいた。
今の内に竿を出そう。
僕は直ちに川に降りて行った。
逸る気持ちを抑えながらの数投目の投餌でガツガツと噛み付くようなアタリを感じた。
ビシッと鋭くかつ短めのアワセで応答すると「ドンッ」という重い衝撃が手元に伝わった。
よし、完全に乗ったと思い、魚に主導権を握らせないよう竿を絞った。
最初の2~3秒はその場で首を振ってもがいていた。
その後はグルングルンと身を翻しながら必死で糸を振りほどこうとする。
手応えは充分。
かなりの重量感があり、これは40cm近いのではないかと慎重に遣り取りをしていたが、水面に顔を出した魚体は35cmもないくらいの通常の尺上ヤマメだった。
しかも、顔を水面に上げた時に見えたのだが、鈎の掛かり方が非常に心許なかった。
アワセの感触から上顎にガチっと食いこんだように感じたが、上唇の端に僅かに掛かっているだけだった。
「バレるなよ、バレるなよ」と祈りながら相当丁寧に岸に寄せて網に入れた。





33cmの鼻曲がりの雄だった。



この後36cmのニジマスを一本釣ったところで降雨が激しくなり納竿を余儀なくされた。
最後の逆転劇を狙ってビッグワン狙いの太めの仕掛けで挑んでいたのだが、どうやら今シーズンはもう出番が終わったようだ。

本当に釣れなかった2015年の高原川。
最後にカッコいい33cmの背中の盛り上がった雄のヤマメに出会えたものの、納竿時は殆ど強制終了という感じ。
モヤモヤと胸のつかえが取れないまま翌シーズンまでの禁漁期間に入る。
開幕前は今シーズンも40cmを獲ってやるぞと息巻いていたが、蓋を開けてみれば40cmどころか尺を獲るのにも苦労している有様。
昨シーズンは「良い釣りをしたな」と何度思わせてくれたことだろう。
それに比べると今シーズンは達成感、充足感が本当に少ない。
でも仕方あるまい。
自然相手のことなのだから長く通っていればこういうシーズンもある。
来季また40cmを狙おう。
今年は渋かったけど、それでもやっぱりありがとう、高原川。
来シーズンもよろしく頼むよ。





二日間のタックル

竿:ダイワ 琥珀本流エアマスターメタルチューン 105M
水中糸:フロロ0.8号~1.0号
ハリス:フロロ0.6号~0.8号
鈎:オーナー スーパーヤマメ8.5号、 サクラマススペシャル8号
餌:ミミズ





にほんブログ村 釣りブログ 本流釣りへにほんブログ村

2015/08/11、12、13 高原川~とにかく状況の良くない高原川

2015-08-19 00:44:26 | 渓流釣り 釣行記(高原川水系)
2015年8月11日の夕刻と、12日、13日と僕は奥飛騨の高原川で竿を出した。
結果から言うと、何も特筆すべき釣果はない。
何度も書いている通り、今シーズンの高原川は型も数も悪い。
勿論例年でも盛夏の時期にはアタリは遠いが、それでも尺上から40cmのヤマメは出すこことが出来た。
その合間には元気一杯のニジマスが相手をしてくれた。
今シーズンはそのどちらもない。
辛うじて獲った尺ヤマメは11日の夕刻に30cm、12日の夕刻に30cmの二本のみ。
12日の尺ヤマメは顔と尾が大きく痩せていた。
餌が少ないのだろう。
もしかしたら昨年の秋から殆ど大きくなっていないのではないかとさえ思えてしまう。

原因を勝手に推察してみると、今シーズンは雪代が入る期間が長かった。
昨年の冬の降雪が多かったため、7月になっても雪代が入った。
ということは川虫の成育に良くない影響を及ぼす。
更には水温が上がらないと、ヤマメたちが上流を目指す必要性を感じない。
降雨の後もいつまでも下流域にとどまっていたときに、梅雨が明けていきなりの猛暑。
水温が上がり上流に向かいたくても、渇水も手伝って動こうにも動けない。
そんな状況だったのではないか。

恐らく今シーズンの高原川はこのまま良くない状況で幕を降ろすだろう。
長年通っていればこんなシーズンもある。
頭ではそう分かっていても、残念だし、悔しいし、物足りない。










にほんブログ村 釣りブログ 本流釣りへにほんブログ村



2015/08/01 高原川~ヤマメ水系で出会ったアマゴ35cm ※画像はイメージ

2015-08-09 01:08:30 | 渓流釣り 釣行記(高原川水系)


奥飛騨の高原川は日本海にそそぐ。
本来ならヤマメ水系の川だ。
そこで時折アマゴの特徴を持った魚に出会う。
淡い朱点が認められるものが多いのだが、この日であった魚は明らかな朱点が散りばめられていた。
推定体長は35cm。
上の画像のアマゴのように(南飛騨の益田川のアマゴ)色白で口が尖っていて、背の盛り上がった立派な体躯だった。
釣り上げて撮影しようとしているとき、玉網からバシャバシャっとひとっ飛び。

僕は飛び込み台からプールへ飛び込むときのような格好で玉網を彼の行く手に被せたが、それを何の造作もなくかわし、一枚も撮影しないまま彼は流れにお帰りになりました。
推定体長は35cm。
1枚くらいは写真に収めたかった。



因みにこの日は背がこんなに見事な緑色をしたニジマスに出会えた。
いつもならニジマスの撮影なんてしないけど、この魚は撮影せずには居られなかった。





当日のタックル

竿:ダイワ 琥珀本流エアマスター メタルチューン 105M
水中糸:フロロ0.8号
ハリス:フロロ0.6号
鈎:オーナー スーパーヤマメ8号
餌:ミミズ




にほんブログ村 釣りブログ 本流釣りへにほんブログ村

2015/07/25 高原川~遅すぎるヤマメ34cm

2015-07-28 12:26:13 | 渓流釣り 釣行記(高原川水系)
2015年7月25日。
この日の釣行先も期待できそうなところはなかった。
今シーズンはとにかく天候や水況に恵まれない。
梅雨が明けたというのに、明けた直後に出水。
しかも梅雨のときよりも激しい増水。
南飛騨の益田川はこの週末の釣りは難しいだろう。
濁りがなくなっても水位が高くて川に入れる場所が非常に限定的になる。

奥飛騨の高原川はどうか。
自分が現地で釣りを開始する頃には茶色の濁りは取れているだろう。
しかし、白濁は間違いなく続く。
ある程度薄まれば食い始めると思うが、朝一番の時間帯はアタリは出ないだろう。
場合によっては終日厳しいかもしれない。

長良川へ行くというのはどうか。
恐らくこの出水の機会にサツキマスを狙う釣り師で賑わうだろう。
最近の郡上以北でのサツキマスの釣果を思うと、やはり4月の高水が続いたときに多くのサツキマスが中流域を素通りに近い形で通過して、一気に郡上まで遡上していたのだろうなと思わせるほど釣れている。
賑わうのは結構なことだが、自身がその中で竿を出すというのはあまり気が進まない。

どうにかなるだろうという半ば投げ遣りな気持ちで、僕は結局奥飛騨の高原川へと向かった。
昨シーズンなら「今日はどんな魚に会えるのかな」と楽しみだったのだが、今シーズンは違う。
これだけ運や水況、天候に恵まれない釣行が続くと「どうせ期待したような魚は釣れないだろうけど行ってみるか。行かなきゃ話にならん」と思う。


釣り場に到着したのは午前3時ごろ。
まだ夜は明けない。
仮眠すると寝過ごしてしまいそうだったため、そのまま身支度を整え準備を始めた。
釣り師が駆っていると思われる1台のクルマが端を渡り対岸に向かったがすぐに引き返してきた。
恐らく対岸には既に先行した釣り師が入っているのだろう。
暗闇の中に浮かび上がる高原川の水面は濁り気味で、水音からは高水位が想像できる。
僕は河原へ降りる斜面を一歩ずつ下って行った。


釣り座に着くといつも竿を出している対岸のあの方の姿はなかった。
向かいにルアーマンが一人、そして下流からもう一人ルアーマンが釣り上がってきた。
恐らく同行しているのだろう。
ポイントをシェアしながらキャストを繰り返している。
こちらには影響はないが、ルアーの素人から見ると、あんなに何度も同じコースをしつこく叩いては魚を怯えさせるだけなのではと思えてくる。

申し訳ない書き方をするが、案の定二人とも何もヒットしない。
すでに僕の方は24cmくらいのヤマメと泣き尺のヤマメ、尺を超えるニジマスを釣り上げていた。
水が出たおかげなのか、今シーズンの高原川のこのポイントでは反応が良い方だと感じた。

対岸ではルアーマンがお互いに近付き話をしていた。
ポイントを移動しようかと話し合っているのかもしれない。
そのとき、僕が打った餌が白泡の下に馴染むか馴染まないかというときに、餌を咥えて持って行くようなアタリがあった。
アワセをくれると重量感たっぷりの図太いトルクの手応えがあった。
しかし走りはせずに首を振りながら緩流帯の方へ向かう。
引きの感じからヤマメ、しかもかなりの大物だと思い、竿を絞って咄嗟の動きに応えられるよう身構えた。
首振りの後は深場に向かって潜り込む。
ある程度潜ると絞った竿の抵抗に耐えかねて一旦浮上する。
しかしまた深場へ向かって竿を絞り込む。
いい引きだ。
これは40cm近いかもしれない。
期待しながら寄せてきた魚体を見るとそこまでは大きくない。
しかし、玉網に収めてその図太いトルクの引きに納得した。
非常に体高のある、34cmの雄のヤマメだった。



遅すぎるのだが、これが今シーズンの高原川の初めての尺上の魚だった。
今日はあと1本くらいは尺上を獲れるだろうと期待したのだが、この後は沈黙した。
他のポイントでもヤマメは釣れずニジマスだけだった。
恐らく、暑さが原因だろう。
確かに例年より数も少ないし、型も小さい。
でもそれだけではない。
この暑さのせいでヤマメの食欲は低下しているのだろう。
この先もかなり厳しい暑さが続くということだ。
今シーズンは岐阜県内の川はどこも状況はあまりよろしくない。
仕方ない。
こんなシーズンもあるさと言い聞かせるしかない。



当日のタックル
竿:ダイワ 琥珀本流エアマスター メタルチューン 105M
水中糸:フロロ0.6号
ハリス:フロロ0.5号
鈎:オーナー スーパーヤマメ 8号
餌:ミミズ


 

にほんブログ村 釣りブログ 本流釣りへにほんブログ村

2015/06/21,22 高原川~名手のエスコートのための調査釣行

2015-06-30 00:17:42 | 渓流釣り 釣行記(高原川水系)
先日当ブログ宛にメッセージが届いた。
「高原川で一度も釣りをしたことがない。よかったら一緒に釣りをしたい」という内容だった。
送信者はとあるサツキマス釣りの名手。
メッセージを受け取った時には一瞬何かの悪戯かとも思った。
しかし、正真正銘名手ご本人からのメッセージならばこれほど光栄なことはない。
名手宛にそのような内容でお返しした。
「慌てなくてよいですよ。いつでも構いません」といったおおらかな感じのお返事を再度受け取った。


さて、ならば名手のために僕は高原川の名ガイドとならねばならぬ。
たとえ名手と言えども、それが初めての釣り場ならば釣果はガイドにかかってくる部分は大きいと思う。
ご年齢や竿の長さ、得意なポイントや釣り方などを考慮して、「ああ、今日はよい釣りだったなあ」と思って頂けるようなポイントを案内したい。
いや、でもちょっと困った。
今シーズンの僕はまだ高原川には一度しか釣行していない。
しかもその一度は、夜明け直前にダムからの放水で釣りにならなかったのだ。
支流へ逃げても雪代のおかげで水温が急激に低下して全く釣れなかった。
一度くらいはまともな日の高原川の様子を自身で確かめておかなければなと思い、次の高原川釣行は6月の最終週末以降と決めていたのだが、そこは臨機応変に予定を変更して高原川へ行くことにした。



2015年6月21日。
前日の益田川での釣りを終えて僕は高原川に向かった。
夜明けを少し過ぎた頃に朝一番でよく入るポイントで竿を振り始めた。
対岸には毎シーズンここで竿を振っていらっしゃるあの方も居る。
僕は例年このポイントで行なうように、手前から順に遠くの筋を探り、タナを順に深くしながら探っていったがヤマメのアタリはない。
水色は茶色がかった濁りが入っており、天候は小雨が断続的に降っている。
僕が竿を出す区間での高原川の釣れない日の典型的な例だった。
予想はしていたものの、一度くらいはアタリがあるだろうと思っていたが、ヤマメからは全くの音信不通。
ウグイのあいさつすら少ない。
早々に見切りをつけて他のポイントを回り始めた。


「今日は多分釣れないだろう」。
初めから諦めるのはよくないが、何年も高原川に通っていると、今日はどう前向きに考えても釣れるとは思えなかった。
釣りを始めた頃はそんな既知の事実もなくただひたすら釣りたい一心で竿を振る。
その結果たまたま釣れることもあるのだが、経験値が増してくるとそのような情熱が何処かに消えてしまう。
今思うと「よくあんな筋で大物がかかったな」だとか、「あの流れで竿を出そうなんて今なら絶対に考えないな」というポイントでも釣果を上げてきた。
でももうそういう釣りをすることはないのだろうな・・・
そんなことを考えながら例年竿を出すポイントを順に回ったが見事にアタリはない。
釣れない日の条件だと分かってはいてもさすがにちょっと寂しい。

安心したのはポイントの様子や流れの筋が大きく変わってはいないことだった。
ただし一箇所だけ、底が掘られて深くなり、更にその範囲が広がっているポイントがあった。
魚が着くには良い方向に変化したのだが、そこを流すにはある特定の立ち位置からでないと無理なポイントだった。
二つの流れが交わり、流されてきた餌がちょうど流れ着くような位置で水深が増していた。
立ち位置が限定されてはいたが、エアマスターを使うとちょうどピンポイントでその深みに餌が流れて行ったのだが、今シーズンは難しくなっている。
深さが増し、深みの範囲も広がり、着いた魚が昨シーズンよりも散るように思えた。
いずれにしろ当日の釣行ではアタリは出なかったが、今後そのポイントでは昨年と同じようにアタリを出せるのかが課題かなと感じた。


一通り僕がよく竿を出す区間のポイントは回り終えた。
高原川まで来てこのまま一匹も釣れないのは情けないし避けたい。
前日の益田川での釣りで「区間を変えれば釣れることもある」という考えが閃いたのは、なにも益田川だけのことではない。
ここ高原川でも過去に何度か経験している。
今日は上流の蒲田でもなく、支流の双六でもなく、高原川本流のもっと下流の気になっていたポイントに入ってみることにした。
釣りを終えた後に割石温泉に向かう途中の車窓から眺めていただけで、一度も竿を出したことはなかった。

恐らく入川箇所や駐車場所は容易に見つかるだろうと思ったが果たしてその通りだった。
ここ数日以内に釣りで訪れたと思われる人間の足跡もあった。
非常に容易に入川出来るポイントだったので「こりゃあ釣れる条件、釣れない条件の以前にスレていたり、既に魚が抜かれているんじゃないか」と不安が脳裏を過る。


段差のある瀬の後で川筋は岩盤にぶち当たる。
流れが直角に近い角度で向きを変えて淵を形成し、そのまま緩やかな開きになる。
魚が着きそうな典型的なポイントだが、僕はこういうオーソドックスで釣りの教科書の題材に載るような当たり前のポイントが好きだし得意だと思っている。
いつも僕が竿を出す区間よりも川幅は狭くなり、流れの押しも弱く水深もない。
エアマスターだと対岸まで届く。
流れの筋を観察し、岸からかなり離れて手前から順に探り始めた。

最初の数回はタナの把握とオモリの調整も兼ねて軽く流した。
その後、立ち位置よりやや上流に投餌し、最初は糸を垂直にしたナチュラルドリフト、自身の前を流れ過ぎた頃からはややドラグをかけながら糸を斜めにした。
ヤマメの就餌点は自分よりも下流側に想定して流した。

最初に狙った流芯よりも手前側の筋では反応はなかった。
餌はミミズ。
そのまま餌を変えずに対岸寄りの筋を流すと狙い通りの就餌点でアタリが出た。



画像では判別しにくいが、今シーズン初の高原川のヤマメは、極淡い朱点が側線に沿って並ぶ、まるでアマゴとの混血のようないかにも高原川らしいヤマメだった。

その後餌をクロカワに変えてもう一度手前の筋を流すとヤマメが食ってきた。
少しずつ流れを降りながら探っていくと、一帯のポイントで5~6匹のヤマメが出てきた。
区間を変えると釣れるかもという予想は外れなかった。

途中で流れ込みを渡渉したり、魅力的でない流れはそのまま素通りしながらかなり長い区間を釣り降った。
岩盤にこそぶち当たらなかったが、段差のあとで淵と開きが続く似たようなポイントでも5~6匹のヤマメが出てきた。
といかくヤマメの顔を見たかったら区間に拘らずに色々と探ってみるのが良いという基本的なことを再認識してその日の釣りを終えた。




翌6月22日。
昨日のような茶色の濁りは消えたが白濁していた。
僕はいまだかつて、白濁した日の高原川でヤマメを釣ったことがない。
前日と同様にいつも竿を出す区間のポイントを探ったが案の定アタリは皆無だった。

今日は昼頃までしか竿を出せない。
上流に向かおうかと考えたが、白濁した流れでもアタリが出るのかを確認したく、前日と同じ区間に入ってみた。
さすがに昨日よりは反応は渋かったが、それでも昨日5~6匹のヤマメを出したポイントで2~3匹の釣果はあった。
それだけ魚がストックされているのだろう。
更に、その日によってやはり食い気のある魚とそうでない魚が居るのだろうと考えた。

そのように釣行の度に毎回色々なことを考えるのだが、今シーズンは考えても納得できる結論や推論を導けないことが多い。
要するに満足できるサイズの魚を獲っていないのだ。
悪天候や強風に見舞われたり水況が悪いなど、運の要素も含めて「ああ、いい釣りだった」と思えたことがない。
最終日の最後に獲ったこのヤマメだって、もしこれが尺ヤマメだったらどんなに満足できたことだろうと思うくらいとても綺麗なヤマメだったのだが、残念なことに27cmだった。



高原川で27cmというのは小さい。
たとえそれが調査釣行であっても納得がいかない。

とにかく調査ということならば一通りではあるものの各ポイントで実釣はした。
竿を出せない、出すには及ばないということはなかった。
あとは、釣行を計画した当日とその数日前からの天候や水況等を考慮して釣行日を最終決定すれば良いかなと思う。
名手に良い釣りをして頂きたい。




使用タックル

竿:ダイワ 琥珀本流エアマスターSMT 105M

水中糸:フロロ0.6号

ハリス:フロロ0.5号

鈎:オーナー スーパーヤマメ7.5号

餌:ミミズ、クロカワ、ブドウ虫




にほんブログ村 釣りブログ 本流釣りへにほんブログ村