2015年5月16日。
午前中の所用を済ませてからの、昼近くになってからの釣行だった。
関市内の有名ポイントには昼近くになってもまだ釣り師の姿は多かった。
それまでの釣果を尋ねると、サツキマス3本に戻りアマゴ2本。
夜半から朝方にかけての降雨で若干の水位上昇と濁りが入ったことにより、マスたちの活性が一時的に上がったようだった。
しかし上がった活性も既に元に戻りつつあるようで、陽が高くなってからはアタリはないとのことだった。
かなり良いチャンスを逃したものだ。
こういうところで自分の遡上魚に対する縁のなさがわかるなあと自嘲したくなった。
釣りを開始してもやはり長良川からはなんの回答もない。
そのポイントで粘ってみようかとも思ったが、風も強かったし、釣れそうだとは思えなかったため、僕はそのポイントを後にした。
他所で風が強くてもそのポイントはさほど風が強くない、要するに風裏に当たるポイントがある。
そこに向かって僕は移動した。
両岸が山になっていて、一見すると風が強く吹きそうに思えたが、殆どの場合そこはあまり風が強くない。
入川すると思った通り、釣りに支障のあるほどの風は吹いていなかった。
周囲に釣り師の姿はなかったため、思いの行くまま具に流してみたものの、今日も案の定アタリはない。
僅かずつ筋を変えながら、そして立ち位置を一歩ずつ下流に移動しながら探ったが、サツキマスどころかアマゴもウグイもニゴイのアタリもない。
マスに限らず魚の気配が無いということは、今の水況では魚たちにとって居心地の良い場所ではないのだと思い、ポイントを変えてみた。
魚の反応が無いということは活性が低いだけで、実は魚は居るということがあるかもしれないと前向きに捉えトロ場に移動した。
そのやり方が良いのか悪いのか、或いは考え方としては誤りではないが作法が達者でなかったのかも知れない。
ぼんやりしているマスの気を少しでも惹くような流し方を試みたつもりだったが、釣り座に向かう途中に哺乳類のヌートリアを一頭見かけたのみで、魚類からの反応は一切無かった。
日暮れまで根気よく流したが全く何事も起こらずその日の釣りが終了した。
翌日は朝一で関市内のポイントに入った。
昨日の好釣果を聞き付けた釣り師が大挙し、一時は両岸合わせて15名の釣り師が竿を振った。
しかし、普通の釣り師なら先ず入らないような水深まで立ち込んで竿を振った地元の名手がサツキマスを釣っただけで、他の釣り師の竿には掛からなかった。
僕はそのポイントに見切りを付け上流部に移動した。
暫し休息を取っている間に、対岸にルアーマンが入ってきたことに気付かなかった。
腰を上げて竿を構え振り込んだ後、仕掛けを流すときになって初めて対岸のルアーマンに気付いた。
仕掛けが絡むのを懸念しすぐに竿を上げた。
その辺りでは核心部と思っていた筋で、そこを流す前に一旦気持ちを落ち着かせる意味もあっての休息だったが、全く意味がなくなってしまった。
二、三度かなり手前の筋を流してみたが、何だか窮屈な釣りだなと感じ、もう目の前の流れを諦めて下流に移動した。
10.5mのエアマスターなら、多少立ち込めば対岸まで余裕で届く川幅だった。
探っていると、先ほど対岸に入ってきたルアーマンも下流に移動し始めた。
あなたにポイントを譲って自分は下流に移動したのに何故着いてくるのかと理解に苦しんだ。
僕の釣り座の真正面まで降ってきて暫く川面を眺めていたが、ついにルアーロッドが振り込まれた。
僕が流していた筋とまるっきり重なる。
さすがに酷いなと思い、敢えて乱暴な言葉で言った。
「後から対岸に入ってきて真正面に立つなんてたいがいやなあ」。
もう上へ行くよというジェスチャーを返してきたが、あなたのしていることはあまりにも酷いことですよと、もし近くに居て大声を出さなくても言葉が届く距離なら乱暴な言葉でなく、まともな言い方で伝えたかった。
僕が休息を取って居るときに対岸に入ってきたことは仕方ないと言えば仕方ない。
僕はその時点では釣りをしていなかったのだから。
だからそこはもうポイントを譲った。
それでお互いが釣り場をシェア出来たのだから、たとえ下流のポイントを探りたかったとしても、そこはもう折れるべきなのではないか。
僕はそう考えて移動したのだが、相手にはその意図は汲み取ってもらえなかった。
実は対岸にルアーマンが入ってきたときのドリフトでアタリがあった。
コツンという小さなアタリだった。
すかさず合わせたが乗らなかった。
久しぶりのマスらしきアタリだっただけに残念でならない。
それ以外、今日もまた長良川からは何の回答も無かった。
2015年5月16日と17日
追憶のサツキマス2015�・VOL:8
遡上魚狙いにブレは禁物という、尊敬するサクラマス・アングラーの方の言葉を噛み締める。
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午前中の所用を済ませてからの、昼近くになってからの釣行だった。
関市内の有名ポイントには昼近くになってもまだ釣り師の姿は多かった。
それまでの釣果を尋ねると、サツキマス3本に戻りアマゴ2本。
夜半から朝方にかけての降雨で若干の水位上昇と濁りが入ったことにより、マスたちの活性が一時的に上がったようだった。
しかし上がった活性も既に元に戻りつつあるようで、陽が高くなってからはアタリはないとのことだった。
かなり良いチャンスを逃したものだ。
こういうところで自分の遡上魚に対する縁のなさがわかるなあと自嘲したくなった。
釣りを開始してもやはり長良川からはなんの回答もない。
そのポイントで粘ってみようかとも思ったが、風も強かったし、釣れそうだとは思えなかったため、僕はそのポイントを後にした。
他所で風が強くてもそのポイントはさほど風が強くない、要するに風裏に当たるポイントがある。
そこに向かって僕は移動した。
両岸が山になっていて、一見すると風が強く吹きそうに思えたが、殆どの場合そこはあまり風が強くない。
入川すると思った通り、釣りに支障のあるほどの風は吹いていなかった。
周囲に釣り師の姿はなかったため、思いの行くまま具に流してみたものの、今日も案の定アタリはない。
僅かずつ筋を変えながら、そして立ち位置を一歩ずつ下流に移動しながら探ったが、サツキマスどころかアマゴもウグイもニゴイのアタリもない。
マスに限らず魚の気配が無いということは、今の水況では魚たちにとって居心地の良い場所ではないのだと思い、ポイントを変えてみた。
魚の反応が無いということは活性が低いだけで、実は魚は居るということがあるかもしれないと前向きに捉えトロ場に移動した。
そのやり方が良いのか悪いのか、或いは考え方としては誤りではないが作法が達者でなかったのかも知れない。
ぼんやりしているマスの気を少しでも惹くような流し方を試みたつもりだったが、釣り座に向かう途中に哺乳類のヌートリアを一頭見かけたのみで、魚類からの反応は一切無かった。
日暮れまで根気よく流したが全く何事も起こらずその日の釣りが終了した。
翌日は朝一で関市内のポイントに入った。
昨日の好釣果を聞き付けた釣り師が大挙し、一時は両岸合わせて15名の釣り師が竿を振った。
しかし、普通の釣り師なら先ず入らないような水深まで立ち込んで竿を振った地元の名手がサツキマスを釣っただけで、他の釣り師の竿には掛からなかった。
僕はそのポイントに見切りを付け上流部に移動した。
暫し休息を取っている間に、対岸にルアーマンが入ってきたことに気付かなかった。
腰を上げて竿を構え振り込んだ後、仕掛けを流すときになって初めて対岸のルアーマンに気付いた。
仕掛けが絡むのを懸念しすぐに竿を上げた。
その辺りでは核心部と思っていた筋で、そこを流す前に一旦気持ちを落ち着かせる意味もあっての休息だったが、全く意味がなくなってしまった。
二、三度かなり手前の筋を流してみたが、何だか窮屈な釣りだなと感じ、もう目の前の流れを諦めて下流に移動した。
10.5mのエアマスターなら、多少立ち込めば対岸まで余裕で届く川幅だった。
探っていると、先ほど対岸に入ってきたルアーマンも下流に移動し始めた。
あなたにポイントを譲って自分は下流に移動したのに何故着いてくるのかと理解に苦しんだ。
僕の釣り座の真正面まで降ってきて暫く川面を眺めていたが、ついにルアーロッドが振り込まれた。
僕が流していた筋とまるっきり重なる。
さすがに酷いなと思い、敢えて乱暴な言葉で言った。
「後から対岸に入ってきて真正面に立つなんてたいがいやなあ」。
もう上へ行くよというジェスチャーを返してきたが、あなたのしていることはあまりにも酷いことですよと、もし近くに居て大声を出さなくても言葉が届く距離なら乱暴な言葉でなく、まともな言い方で伝えたかった。
僕が休息を取って居るときに対岸に入ってきたことは仕方ないと言えば仕方ない。
僕はその時点では釣りをしていなかったのだから。
だからそこはもうポイントを譲った。
それでお互いが釣り場をシェア出来たのだから、たとえ下流のポイントを探りたかったとしても、そこはもう折れるべきなのではないか。
僕はそう考えて移動したのだが、相手にはその意図は汲み取ってもらえなかった。
実は対岸にルアーマンが入ってきたときのドリフトでアタリがあった。
コツンという小さなアタリだった。
すかさず合わせたが乗らなかった。
久しぶりのマスらしきアタリだっただけに残念でならない。
それ以外、今日もまた長良川からは何の回答も無かった。
2015年5月16日と17日
追憶のサツキマス2015�・VOL:8
遡上魚狙いにブレは禁物という、尊敬するサクラマス・アングラーの方の言葉を噛み締める。
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