How many rivers must I cross? I don't know...

幸せになりたくて川を渡る・・・

青森へ ~龍泊ラインを走りに行く~  North Marine Drive 2017

2017-11-13 00:25:15 | 鮭一の徒然

初めて龍飛崎を訪れたのは、まだ僕が東京在住の学生の頃だった。
当時はクルマは勿論、運転免許すら取得していなかったから、当然のように鉄道利用での旅となった。
どのような路線でどのように乗り継いで行ったのか、これを書き始めるまですっかり忘れていたが、確か新潟までは上越新幹線で向かったのだ。
そして新潟から村上へは特急いなほを利用して村上で一泊し、その翌日に村上から羽越本線を北上したのだ。
そうだそうだ、そこからは青春18きっぷを使った各駅停車の旅だった。
五能線の「リゾートしらかみ号」にも乗車したのだ。


鉄道利用での旅も、それはそれで独特の情趣があってよいのだが、現地での交通は正直なところ不便だった。
鉄道のみでは魅力的な風景も見ることができないまま帰路に着かねばならないだろうと容易に想像できることが度々あった。


あれは何歳のときだっただろうか。
もうはっきり覚えていない。
身辺で起きていた出来事から推し量ると、たぶん30歳前後だろう。
うん、30歳だったということにしておこう。
多治見に帰ってきて運転免許を取得した僕は、過去に鉄道利用で行った旅先を思いの向くままクルマで巡っていた。
結婚しようと考えていた、20代の殆どを一緒に過ごした恋人と別れて暫くしてからのことだった。
お互いに愛想を尽かしたわけではなかった。
世間知らずの未熟な我々には乗り越えられない、解決できない幾つかの事情があって別れざるを得なかった。
はっきり言って思いは引き摺った。
早く断ち切りたかったが、意識すればするほど断ち切れなくなった。
ならば、ひと先ず存分に思い出に浸ってやろうと考えた。
そのうち飽きるだろう。
かつての恋人と一緒に行った旅先を巡るなんて生産性のないことをいつまでも続けようとは思わないだろう。
果たして思惑通り事は運んだと思う。
いつの間にか思い出の地を巡るという観念はなくなり、純粋に長距離を運転する旅を好んでするようになっていた。


「グランド・ツーリング」。
愛車であるメーカー通算3代目のレガシィB4(BE型)が最も得意なのがそれだ。
幾つかの候補車種を抑えて、僕がBEを選んだ理由はそこにある。


2017年11月。
新車登録後14年半、走行距離19万km。
まだ走ってくれるだろう。
僕は9年ぶりにNorth Marine Drive を敢行した。





龍飛崎。
思い出の地を巡っていた30歳の僕が訪れた旅先のひとつだった。
岬に到着した時に何か感慨があったかと問われても、あまり記憶にない。
「ああ、あのときここに来たな」くらいのものだったのだろう。
だから僕は滞在もごく短時間でその折り返し地点を過ぎて帰路に着いたのだ。

「せっかくだから、この龍泊ラインというやつを走ってみようか」。
もしこの時、単に来た道を引き返すだけだったら、僕はその後龍飛崎を何度も訪れることはなかっただろう。

ここは日本かい?
しかも本州だって?
龍泊ラインを進むとそんな会話が聞こえてきそうなめくるめく絶景が広がる。
眼下に日本海を見ながら尾根伝いに走り、ある地点から一気に海岸線まで駆け下りる。
降りた海辺の景色が本当に素晴らしい。
北欧に来たような気分にさせてくれる。
この景色が見たくて、僕は何度もここを訪れているのだ。


撮影してきた画像をご覧ください。

 

青森に到着。
竜飛崎へ向かいます。



懐かしい看板を発見しました。



龍飛崎までの走行距離1164km



岬から海を眺める




岬を後にして、いよいよ龍泊ラインへ



鳥瞰台からの景色
こんな感じで尾根伝いに走ります。



 


この先の左カーブを過ぎた辺りから、海岸線に向かって一気に駆け下ります。


コーナー入口からの日本海の眺め




降りてきました。



少しずつ離れて見てみましょう。














帰宅時の走行距離は2121km。